第15週:SD at IND



第15週、サンディエゴ・チャージャーズインディアナポリス・コルツ
この対戦は、昨年もシーズン終盤の第16週で行われました。


シーズン終盤になると、地区優勝争いのため、同地区対決が面白くなる、
といったことを書いてきましたが、
実はもう1つ、シーズン終盤になると注目すべきことが。


それは、ホームフィールドアドバンテージ争い。


プレーオフには、AFCNFCそれぞれ6チームずつが進出しますが、
まず、そのうち各2チームは、
プレーオフ1回戦」にあたるワイルドカードプレーオフが免除されます。


地区優勝チームは、地区が各4つあるので当然4チーム。
では、どうやって、そのシードチームを決めるのかというと、
勝率の高い順なのです。


しかも、それだけのみならず、プレーオフでの対戦は、
常に、レギュラーシーズンの勝率が高かったチームの本拠地で、
行われることになっています。(スーパーボウルを除いて)


NFLではホーム・アウェイの有利・不利が、
あからさまに現れてきますので、これはかなり大きいアドバンテージです。
そういうわけで、AFCNFCのそれぞれ勝率1位になると、
ホームフィールドアドバンテージを獲得した」と言うんですね。


そんなわけで、地区優勝が決まったとしても、
最終週まで目の離せない展開となることもしばしば。
昨年のチャージャーズとコルツの対戦は、まさにそういった状況でした。


当時、AFCは勝率1位がピッツバーグ・スティーラーズ
勝率2位がニューイングランド・ペイトリオッツで、
それをコルツとチャージャーズが同率で追う展開。


もし、ペイトリオッツが第16週・第17週と連敗すれば、
ワイルドカードプレーオフ免除もありうる状況でしたので、
この対戦は、両チームにとって、是が非でも勝っておきたいものでした。


更に、この試合には、もう1つの注目点があって、
それは、ダン・マリーノの持つシーズン48タッチダウンという記録を、
コルツのQBペイトン・マニングが塗り替えられるか、というもの。
この試合開始前の時点で、その数47でした。


試合は、チャージャーズが常にリードする展開。
マニングも、今ひとつの出来。
しかし、そんな中、第3クォーターに1タッチダウンを挙げ、48。


そして、第4クォーター残り1分。
得点は、31対23で8点差。


コルツが勝つためには、まずタッチダウンを決めること、
そして、ツーポイントコンバージョンを決めて同点とし、
オーバータイムで勝ち越すこと。


文章にすれば、たった3行のことですが、
困難に困難を重ねないといけないような状況。
それを、なんと全て成し遂げてしまったのでした。


印象的だったのは、新記録の49タッチダウンを決めた後、
マニングは大騒ぎの観客たちに対し、静かにするように求め、
冷静にツーポイントコンバージョンを決めてきたところ。
並みの精神力では、あの場面であそこまで落ち着いてプレーなど出来ないでしょう。


この試合、マニングの記録もありましたが、
チャージャーズTEアントニオ・ゲイツが、
タイトエンドとしてのシーズンタッチダウン記録を更新し、
同じくチャージャーズRBラデイニアン・トムリンソンが、
シーズン連続タッチダウン試合記録を更新したという、
まさに、「記録づくめ」の試合でした。


そして、試合自体も、先ほど述べたような劇的な展開。
記録とプレーオフのアドバンテージ争いがかみ合って生まれた、
素晴らしい対戦カードとなりました。


結局、ペイトリオッツも勝ったため、
コルツはワイルドカードプレーオフから戦うこととなりましたが、
ここを全力で戦って勝ったからこそ、
次週で、プレーオフに向けて主力を温存させることが出来たのでした。


さて、今年の第15週。
昨年と同じようにチャージャーズとコルツが勝ち進んできていれば、
やはりこの試合は、どちらのチームも勝っておきたい試合となる可能性大です。


また昨年と同じような、素晴らしい試合となればいいなぁ、と思っております。