パントの統計データ



パンターの新能力指標「パンターパワーヤード」を作成するにあたって、
一昨年のデータを調査した結果を載せておきます。


まず、前回もちょっと触れましたが、
全2527回のパントで、平均飛距離は41.8ヤード、
リターン距離を差し引いた「NET平均距離」は37.3ヤード。


パントをしたときのボールスポット位置の平均は自陣36.4ヤード地点。
ボールの落下地点の平均は、敵陣21.7ヤード地点。


全2527回をパント後の結果で分類すると、

となっています。


こうやって見てみると、意外とタッチバックは少ないようにも思えますねぇ。


リターンした場合の平均リターンヤードは9.8ヤード。
なんとなく、パントリターンってイメージ的には、
「5ヤードリターンすれば上々」という感じがしていたのですが、
リターンできると判断した場合には、もっとリターンできているものなんですね。


「落球」は64回ですが、その後どうなったかを更に見てみると、
相手に奪われたのが15回、アウトオブバウンズが4回、
自分で拾ってリターンしたのが45回、となっています。


全体としては、そんな感じ。


で、前回も書きましたように、これを、パントを蹴った位置(ボールスポット)によって、
5ヤード刻みで分析しましたので、今度はそちらの紹介を。


なお、「自陣」と「敵陣」が混じるとややこしいので、
ボールを蹴った位置については「自陣換算」で書きます。
(例えば、敵陣40ヤード地点から蹴った場合は「自陣60ヤード地点」ということ)


まず、「思いっきり蹴ってもタッチバックにならない位置」はどこか、
ということで調べたところ、
自陣30ヤード地点以下から蹴った場合には「タッチバック0回」でした。


この「30ヤード地点以下」からのパントは、全2527回中932回。
結構多いですね。
パンターにとって、自陣深い位置から蹴ることは「よくあること」と言えそうです。


この場合の平均飛距離は43.9ヤードでNET平均距離は37.2ヤード。
平均飛距離は伸びていますが、NET平均距離は変わりません。


これは、「タッチバック0回」ということとも大きく関係がありそうで、
また、「飛ばせば飛ばすほどリターンもされやすい」証明とも言えそうです。


この932回をパント後の結果で分析すると、

となっています。


全2527回のときの分析と比べてみるとよく分かりますが、
やっぱり、リターンの割合が多く、フェアキャッチの割合が少なくなっていますね。


パントブロックは全11回中6回がここに入っていますが、
やっぱり、深い位置の方がパントブロックしやすい、ということでしょう。


あと、なぜか落球の割合も多いです。
・・・なぜだ?


さて、ここから5ヤード刻みで、「31〜35ヤード地点」「36〜40ヤード地点」、
「41〜45ヤード地点」・・・「61〜65ヤード地点」「66ヤード地点〜」と、
順番に見ていきました。


概ねの傾向を書くと、まず平均飛距離はだんだん短くなっていきますが、
NET平均距離は「31〜50ヤード地点」までは約39.0ヤードとほとんど変わらず推移し、
その後、徐々に短くなっていく傾向となっています。


また、平均飛距離についても、「短くなり方」にちょっと特徴があって、
「41〜45ヤード地点」までは徐々に短くなっていくのですが、
「46〜50ヤード地点」からは急激に短くなっていっています。


通常、平均飛距離やNET平均距離をパンターの能力評価に使用する場合が多いのですが、
そういった傾向があることは、頭に入れておいたほうがよさそうですね。


浅い位置になればなるほど、リターン回数の割合は、だんだん減っていきます。
そして、フェアキャッチ回数やタッチバック回数の割合が増えていきます。


まあ、これは、当然といえば当然のところ。


で、「パンターパワーヤード」の計算の際に、
「分かれ目」として「43ヤード地点」を使用しておりますが、
そこの区分(41〜45ヤード地点)のリターン回数などの割合を見てみると、
ここで、概ね、全体平均と同じになっていました。


そういう意味でも、やっぱり「分かれ目」と言えそうですね。


ちなみに、この区分での平均飛距離は42.9ヤード。
「43ヤード飛ばした場合に価値0」ということになったのと、何か一致する感じです。


この「43ヤード地点」以下を、「飛距離で評価する位置」として、
タッチバックになったとしても必ずしも悪いというわけではない位置付けにしたのですが、
全2527回中1700回という、全体のほぼ2/3がその対象となってきます。


まあ、逆に、「飛距離で評価するのは全パントのうち2/3だけ」とも言えるわけで、
このあたりが、通常の平均飛距離評価と「パンターパワーヤード」評価の違い、
・・・とも言えそうですね。


以上、パントのデータでした。


パンターパワーヤード」については、これでしばらく置いておいて、
今後は、また別のポジションについて触れていきたいと考えています。