週間オフェンスラインMVP(第4週)
さて、今週も、「オフェンスラインスタッツ」を用いた、
「週間オフェンスラインMVP」を掲載したいと思います。
まず、第4週の「ベストオフェンスライン選手」は以下の通り。
選手名 | ラン | パス | 反則 | オフェンスライン ポイント |
|
---|---|---|---|---|---|
LT | クリス・サミュエルズ (ワシントン・レッドスキンズ) |
20 | 6 | 0 | 26 |
LG | ブライアン・ウォーターズ (カンザスシティ・チーフス) |
28 | 6.5 | 0 | 34.5 |
C | ケイシー・ウィーグマン (カンザスシティ・チーフス) |
24 | 6.5 | 0 | 30.5 |
RG | アダム・ティマーマン (セントルイス・ラムズ) |
26 | 5.5 | 0 | 31.5 |
RT | ジョン・スティンチコム (ニューオリンズ・セインツ) |
20 | 16 | 0 | 36 |
今週は、チーフスから2人。
サンフランシスコ・49ersに「0対41」で圧勝したのですから、
まあ、当然オフェンスラインの成績も良くなる、というものでしょう。
(こんな点数になった大きな要因は「ターンオーバー4つ」もありますが)
その49ersのオフェンスでは、どちらかといえばパスの方が目立っていたようにも思いますが、
この「オフェンスラインスタッツ」を見ると、
ランがコンスタントに出ていたことも大きかったようですね。
それから、今週の「ベストオフェンスライン選手」の表、
先週のものと見比べていただければと思いますが、
両タックルが全く同じ選手になっています。
これは、なかなか珍しいことですねぇ。
更に詳しく見ると、左タックルのサミュエルズは、昨レギュラーシーズン最後の4週と、
今シーズンの最初の4週を合わせた、ここ8週で、
実に4回目の「ベストオフェンスライン選手」選出。
これは、他の選手に比べて、ダントツに多い回数です。
それでいて、1回も「週間オフェンスラインMVP」(最も高い値)にはなっていません。
(付け加えれば、ランキングでベスト10にも入っていません)
ここで、改めて上の表を見てみますと、他の4人に比べて、
サミュエルズの値は、かなり低いものとなっています。
つまり、左タックルの選手は、全体的にあまり高い値にならないため、
低い値でも「ベストオフェンスライン選手」に選出される、ということで。
この現象について、どういうことなのか、ちょっと考えてみたのですが。
左タックルといえば、一般的に「パスプロテクション」で重要なポジションです。
ただし、この「オフェンスラインスタッツ」では、
パスに関しての算出で、左タックルと右タックルに差はつけてありません。
すると、特に左タックルが低くなるとすると、
それは、「左側へのオープンのランが出にくい」という意味になります。
もしかしたら、「左タックルはパスプロテクションで重要」なため、
逆に、ランブロッキングに関しては、そんなに良い仕事を出来ていない、
・・・ということになったりしているのではないでしょうかねぇ。
では、そんな中で、なぜサミュエルズは目立っているのか。
それは、レッドスキンズのQBマーク・ブルネルが「左利き」であるため、
サミュエルズは特にパスプロテクションに特化した選手ではなく、
他のチームの左タックル選手と比べて、ランブロックが上手い、
とか、そんな理由はどうでしょうかね・・・?
・・・いや、一瞬、「おおっ!」と感動しかかった思いつきですが、
他のチームの状況を見ると、一概にそうも言えなかったことを付け加えておきます。
まあ、とりあえずは、ただの「思いつき」ということで。
と、まあ、サミュエルズのことばかり長く取り上げてしまいましたが、
今週の「週間オフェンスラインMVP」は、
サミュエルズと同じく先週も「ベストオフェンスライン選手」に選出されていた、
右タックルのスティンチコムです。
セインツは、今週のカロライナ・パンサーズ戦で惜しくも敗れましたが、
オフェンスの獲得ヤードでは、セインツが大きく上回っており、
特に、パスの成績は、かなり素晴らしいものがありました。
それが、今回の値にも表れていますね。
スティンチコムは、2003年にセインツにドラフト2巡指名されNFL入り。
そういえば、先週の「週間オフェンスラインMVP」だった、
レッドスキンズGデリック・ドッカリーも2003年のドラフト指名でした。
今は、ちょうどそれくらいに入った選手が、活躍しかかっている時期なのかもしれませんね。
しかしスティンチコムは、そこまで高い指名順位でありながら、
1年目は6試合の出場にとどまり、2年目もたった4試合。
その間、スターター出場は、1度もありませんでした。
更に昨年は、8月末に膝を怪我してシーズン前に「シーズン終了」。
なんとも、嫌な流れになっていました。
しかし、今シーズンは一変。
第1週からスターターの座を掴み取ると、
チームの「3連勝スタート」を支える一員となっています。
今シーズンのセインツにかかる期待は大きく、
QBドリュー・ブリーズやRBレジー・ブッシュなどに注目が集まっていますが、
それらのオフェンス陣を、スティンチコムにはしっかりと支えていってもらいたいですね。
さて、第4週時点での「オフェンスラインベスト10」は、以下の通り。
順位 | 選手名 | ラン | パス | 反則 | オフェンスライン ポイント |
---|---|---|---|---|---|
1位 | RG ボビー・ウィリアムズ (シンシナティ・ベンガルズ) |
78 | -6.5 | -7 | 64.5 |
2位 | C ケイシー・ウィーグマン (カンザスシティ・チーフス) |
56 | 5.5 | 0 | 61.5 |
3位 | LG デリック・ドッカリー (ワシントン・レッドスキンズ) |
50 | 9.5 | -7 | 52.5 |
4位 | RG マイク・ゴフ (サンディエゴ・チャージャーズ) |
40 | 9.5 | 0 | 49.5 |
4位 | RG ランディ・トーマス (ワシントン・レッドスキンズ) |
40 | 9.5 | 0 | 49.5 |
6位 | LT カーリフ・バーンズ (ジャクソンビル・ジャガーズ) |
44 | 16 | -14 | 46 |
7位 | LG エリック・スタインバック (シンシナティ・ベンガルズ) |
68 | -8.5 | -14 | 45.5 |
8位 | LT チャド・クリフトン (グリーンベイ・パッカーズ) |
42 | 10 | -7 | 45 |
9位 | C ケイシー・ラバック (ワシントン・レッドスキンズ) |
42 | 9.5 | -7 | 44.5 |
10位 | RG スティーヴ・マッキニー (ヒューストン・テキサンズ) |
38 | 6 | 0 | 44 |
第2週で5位、先週は3位だったベンガルズのウィリアムズが、
コンスタントな活躍で、ついに1位になりました。
今週は負けたとはいえ、ベンガルズオフェンスは好調ですからね。
ベンガルズ選手では、他にも、スタインバックが先週13位からベスト10入りしています。
2位には、今週の「ベストオフェンスライン選手」に選出されていたウィーグマンが、
先週15位から一気にアップしてきています。
他に大きく順位アップした選手を見てみると、
クリフトンが先週20位から、マッキニーが先週22位から、
それぞれベスト10入りを果たしています。
先週、3人がベスト10入りしたレッドスキンズ組は、
今週も好調で、3人ともベスト10内をキープしてますね。
以上、第4週の「オフェンスラインスタッツ」でした。
ディフェンス選手ランキング(第4週時点)
さて次は、試しに載せていっている「ディフェンスインパクトポイント」です。
まずは、第4週で高い値となった選手を、
ディフェンスライン・ラインバッカー・ディフェンスバックで、それぞれ1人ずつ。
選手名 | ポイント | タックル | サック | パスDef | INT | FUM |
---|---|---|---|---|---|---|
DE ジェイソン・テイラー (マイアミ・ドルフィンズ) |
50 | 3 | 3 | 0 | 0 | 1 |
LB デリック・ジョンソン (カンザスシティ・チーフス) |
51 | 7 | 2 | 1 | 0 | 1 |
CB ネイト・クレメンツ (バッファロー・ビルズ) |
43 | 5 | 0 | 3 | 0 | 1 |
1番高い値のジョンソンは、週間MVPにノミネートされていましたが、
他の2人は、特にノミネートされたりしていませんでした。
今週のAFC週間MVP受賞者は、
ニューイングランド・ペイトリオッツDEジャーヴィス・グリーンだったのですが、
同ポジションのテイラーも、負けず劣らずのスタッツだと思えます。
まあ、1番の違いは、チームが勝ったか負けたか、ということでしょうね。
ちなみに、グリーンは、ディフェンスライン選手では、
テイラーに次ぐ、2番目に高い「ディフェンスインパクトポイント」になっています。
クレメンツは、パスディフェンスを何回もしていたのですが、
調べてみると、どうも、他の選手が良いカバーをしていたりして、
「結果的にクレメンツが叩いただけ」というものが多かったようで。
・・・まあ、そこまではなかなか判断できないなぁ。
あと、NFCの週間MVP受賞者はシカゴ・ベアーズDTトミー・ハリスでした。
最初から書いていることですが、やっぱりディフェンスタックルの評価は難しいです・・・。
さて、第4週時点での「ディフェンス選手ベスト10」は、以下の通り。
順位 | 選手名 | ポイント | タックル | サック | パスDef | INT | FUM |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1位 | SS ケリー・ローズ (ニューヨーク・ジェッツ) |
139 | 26 | 3 | 2 | 1 | 3 |
2位 | LB バート・スコット (ボルチモア・レイヴンズ) |
112 | 26 | 6 | 3 | 1 | 0 |
3位 | CB ラシーン・マシス (ジャクソンビル・ジャガーズ) |
104 | 18 | 0 | 5 | 4 | 0 |
4位 | DE ジュリアス・ペパーズ (カロライナ・パンサーズ) |
99 | 16 | 5 | 3 | 0 | 1 |
4位 | SS マイケル・ルイス (フィラデルフィア・イーグルス) |
99 | 23 | 2 | 4 | 1 | 1 |
6位 | DE アーロン・キャンプマン (グリーンベイ・パッカーズ) |
98 | 13 | 5 | 0 | 0 | 2 |
7位 | CB ウォルト・ハリス (サンフランシスコ・49ers) |
96 | 17 | 1 | 5 | 0 | 2 |
8位 | CB ドレイ・ブライ (デトロイト・ライオンズ) |
94 | 12 | 0 | 7 | 0 | 2 |
8位 | FS ブライアン・ドーキンス (フィラデルフィア・イーグルス) |
94 | 22 | 0 | 2 | 0 | 3 |
8位 | DE ロバート・マシス (インディアナポリス・コルツ) |
94 | 12 | 4 | 1 | 0 | 2 |
ローズは、先週の高ポイントを生かして1位をキープ。
ただし、2位以下との差は詰まってきています。
先週2位のキャンプマンが6位にダウンし、先週6位のスコットが2位に。
他に、先週10位にハリスが7位になっていますが、
その他の6人の選手は、新たなベスト10入りで、かなり大きく入れ替わっています。
同じような「積み上げ式」ポイントながら、
「オフェンスラインスタッツ」と比べて、なかなか上位陣が安定しないのは、
オフェンスラインの方は、「安定感」を見ているのに対し、
こちらは、「どれだけ目立つ活躍が出来ているか」を見ているため・・・でしょうね。
毎週「安定感」を見せるより、毎週「目立つ」方が難しいでしょうから。
まあ、じっくりと見ていきましょう。
以上、第4週の「ディフェンスインパクトポイント」でした。
第5週の希望(まとめ)
では最後に、第5週の「希望」のまとめを。
第5週の「勝利チーム希望」は、以下のような感じです。
なお、「第1弾」=「ドラフト直後Ver.」、「第2弾」=「プレシーズン直前Ver.」、
「第3弾」=「開幕直前Ver.」で、「直前」=「現在の気持ち」で、
希望が前と変わらなかった場合は、省略してあります。
希望 | ||||||||
アウェイ | ホーム | 第1弾 | 第2弾 | 第3弾 | 直前 | |||
BUF | CHI | BUF | ||||||
CLE | CAR | CAR | ||||||
DET | MIN | DET | ||||||
MIA | NE | NE | MIA | |||||
STL | GB | STL | ||||||
TB | NO | NO | ||||||
TEN | IND | IND | ||||||
WAS | NYG | WAS | ||||||
KC | ARI | ARI | ||||||
NYJ | JAC | NYJ | ||||||
OAK | SF | SF | OAK | SF | ||||
DAL | PHI | DAL | ||||||
PIT | SD | PIT | ||||||
BAL | DEN | DEN |
実は、ここ2日ほど、とても気になっているニュースがありまして。
マイアミ・ドルフィンズのQBダンテ・カルペッパーが、
肩を怪我して、練習を休んだのだそうです。
幸いにも、そんなに酷い怪我ではなく、
インジャリーレポートを見ても「プロバブル」(出場可能性75%)と軽め。
なのに。
ドルフィンズのニック・セイバンヘッドコーチは、
次戦に出場させるかどうかを、明言していないようなのです。
なぜか。
最初、このニュースを見たときに思ったのは、「情報戦略だな」と思いました。
結局カルペッパーが出てくるんだろうけども、
相手に、「いや、でも違うかも」とちょっとでも思わせられれば、
その分の準備の時間を削れるわけで、今のドルフィンズとしては、
ちょっとでも利用できる状況は、利用しておきたい、
・・・というところなんじゃないかな、と。
しかし、改めて情報を集めてみたら、違う側面も見えてきました。
カルペッパーは、このオフ、膝の手術をしました。
一応、完治したことになっていますが、ただ、
カルペッパーなら走って逃げられそうな場面でもサックを受けていたりして、
まだまだ本調子ではないことが伺われます。
で、そうなると、今度の試合でもサックが多くなる可能性が高いのですが、
普通に投げているだけなら問題ない肩の怪我が、
サックを受けることによって悪化してしまったら・・・、
という恐れを、セイバンヘッドコーチが抱いている節があるんですね。
だから、ここで無理させて、取り返しのつかないことになるよりは、
しっかりと完治するまで出場させないようにしよう、
・・・という、説得力のある「欠場理由」が見えてきまして。
うーん、あり得るかも。
更に、これは「邪推」以外の何物でもありませんが、
今週の対戦相手は、ニューイングランド・ペイトリオッツ。
先週の試合を見る限りでは、かなり強いことは分かっていますし、
たとえカルペッパーが本調子でも、
今のドルフィンズが勝つことは難しいのかもしれません。
だったら、下手に無理してカルペッパーを出場させて、
「敗戦の責任」をこれ以上マスコミやファンから追及されることになるより、
ちゃんとした「理由」で欠場させて、
「負けてるのはカルペッパーのせいというわけじゃないんだよ」というのを示し、
その上で復帰させるのは、案外悪くないかもなぁ、
・・・とか、そんなことを考えていたりして・・・と。
まあ、後者のものはともかくとして、セイバンヘッドコーチも、
「もし今週カルペッパーが欠場しても、それは1勝3敗という成績が原因なわけではない」、
と、マスコミに対してしっかりと予防線を張っていたりしますので、
これは、「カルペッパー欠場」、十分にあり得るように思えてきました。
・・・で。
カルペッパーが欠場するとなれば、出てくるのは・・・というと。
そう、QBジョーイ・ハリントン。
そりゃあ、応援せねば!!
というわけで。
先週の試合を見て、ペイトリオッツが強いのは分かってますし、
万に一つも勝てるチャンスはないかもしれません。
しかし、これは、「予想」ではなく「希望」。
「ハリントンが出場する」という「希望」的観測のもと、
ドルフィンズ「勝利希望」で、試合を見たいと思います。
(「希望」に「希望」を重ねると、たいてい上手くはいかないものですが・・・)
頑張れ、ハリントン!
あ、そういえば、最初に「情報戦略だな」ということを書いたときに思ったのですが、
以前この日記でも触れたように、昨シーズン、似たようなことを、
当時のバッファロー・ビルズのマイク・ムラーキーヘッドコーチがやってましたねぇ。
そのときは、怪我が原因ではないのですが、
J・P・ロスマンで成績が良くなくて、QBケリー・ホルコムに切り替えるかどうか、
というところで、「どっちでいくか分かんないよ」と。
・・・って、ちょっと待てよ。
そのムラーキー、今は、ドルフィンズのオフェンスコーディネーターじゃん!
うわぁ・・・、今、気が付いた・・・。
・・・えーっと、「情報戦略」もあり得るかも・・・。(ええっ!?)
ハリントンが出場してこなかった場合は、素直にペイトリオッツを応援します・・・。
あ、あと、今週は、オークランド・レイダーズ対サンフランシスコ・49ersの試合も、
「希望」が入れ替わっていますが、正直、これはどっちもどっちです。
たまたま、今の気分が「やや49ers」だったということで。
なお、以前に書いていた、この週の「補足」は、こちらになります。
http://d.hatena.ne.jp/Kiyota/20060622
今週は、ダラス・カウボーイズ対フィラデルフィア・イーグルスの試合にばかり、
注目が集まっている感がありますが、ここは「NFC EAST大激突!」の週。
ここで、イーグルスとニューヨーク・ジャイアンツが勝ったりすると、
なんとなく、「1強3弱」の構図になってしまって面白くないので、
やっぱり、カウボーイズとワシントン・レッドスキンズにしっかり勝ってもらって、
「3強1弱」の構図の方にしてもらいたいですね。
あと、もちろん、ピッツバーグ・スティーラーズ対サンディエゴ・チャージャーズは、
スティーラーズが今ひとつ出遅れている状況であっても、楽しみな試合。
ここでチャージャーズが負けると2連敗になってしまうし、
スティーラーズが負けると3連敗になってしまうわけで、
「どちらにも負けてもらいたくない」という、非常に辛い状況なのですが、
まずは、どちらも五分五分(2勝2敗)で並んでもらって、
来週以降に「再スタート」で勝ち続ける道筋を作ってもらいたいものです。
・・・と、なんか、いろいろと長くなってしまいましたが、本日はこんなところで。