「凄い」試合
NFL第7週日曜日の試合の感想を。
2試合の放送と、他の10試合の「Play-By-Play」を一通り見終わって、
まだ、何試合が「希望通り」だったのか数えていませんが・・・。
・・・数えたくないなぁ。
光明未だ見えず・・・どころか、余計に酷くなっているような・・・。
それにしても、NHKのBS1で放映していた、
ピッツバーグ・スティーラーズ対アトランタ・ファルコンズの試合は、凄い試合でしたねぇ。
(内容的には、スティーラーズはミスが多かった、ということになるのかもしれませんが)
試合展開だけ追っても凄かったのですが、
ここでは印象に残ったプレーをいくつか取り上げてみます。
まずは、第1クォーターの最後のプレー。
スティーラーズのQBベン・ロスリスバーガーが、
相手ディフェンスに迫られながらも、上手くすり抜けてパスを決めたシーン。
いいですね。
思わず、「おおっ」と声が出ました。
これこそが、ロスリスバーガーの1番良いところ、と僕が思っているものです。
戻ってきましたねぇ。
ただ、そのロスリスバーガーが脳震盪で退場。
非常に残念です。
だんだんプレーが良くなってきていただけに、
来週以降、何の影響もなく出場してくれることを願いたいものです。
さて、次は、スティーラーズWRハインズ・ウォードの、
「スパイク片足脱げながらのタッチダウン」。
これは、かなり凄かったですねぇ。
スパイクが脱げながら走りきったのも凄いですが、
あの、最後の「飛び込み」も素晴らしかったです。
はっきりとは覚えていないので勘違いの可能性もありますが、
以前にも、ウォードのああいう「飛び込み」プレーを見たことがあるような気がします。
腰の強さと体の柔らかさを感じさせますね。
ウォードの「良さ」って、そういうところなんだろうなぁ。
それから、第4クォーター終盤の、
ファルコンズPマイケル・ケイネンの「幻の」56ヤードフィールドゴール成功。
いや、もちろん、僕はスティーラーズを応援していましたので、
「幻」になったことは喜ぶべきところなのですが、
ケイネンは、シーズン序盤に失敗し続けてきていたので、
ここは、ヒーローにさせてやりたかった、という気持ちもあります。
(結局ファルコンズが勝ったのだから、なおさら)
でも、今日の試合で、「50ヤード以上はケイネンの担当」というのが、
はっきりしましたね。
今日の「成功」のイメージを、しっかりと焼き付けて、また頑張ってもらいたいです。
あと、ファルコンズのQBマイケル・ヴィック。
ヴィックの「素晴らしいパス」というと、中距離の超速球パスか、
もしくは、肩の強さを生かした超長距離の山形パス・・・というのが思い浮かびますが、
この試合を見て思ったのは、「短い速いパス」が実は一番いいんじゃないか、ということで。
たまに出る、速すぎて取れない「剛速球ショートパス」ではなく、
解説で、「手首だけで投げましたね」と言われていたものです。
あれをもっと多用すればいいんじゃないでしょうか。
多分、クォーターバックが「手首だけ使って投げる」のって、
あんまり褒められたことではないと思うのですが、
ヴィックは、そういう投げ方で、コントロール良く、しかも速く投げられるように見えます。
素人考えですが、「投げる」と判断してから投げるまでのスピードは、
肩を使うよりも手首だけを使ったほうが、速くなるのではないでしょうか。
とすれば、まさしく、ジム・モーラヘッドコーチがずっとやりたがっている、
「ウエストコーストオフェンス」にぴったりのような気がするんですよね。
また、ヴィックの「良くないパスプレー」というのは、
大体、肩の強さを過信した無理投げなのではないかと思います。
前述の、速すぎて取れない「剛速球ショートパス」も、肩の強さゆえ。
ここは是非、「肩の強さ」は封印して、
「テンポとスピード」で新たな境地を開いていってもらいたいものです。
・・・と、まあ、プレーについてはそんなところで、
結果としては、オフェンスで500ヤード近く獲得したスティーラーズが敗戦。
試合前半では、「ファルコンズのランが出ていない」と言われていましたが、
結局、終わってみれば、ファルコンズはランで173ヤードも獲得。
一方、スティーラーズは、ランで55ヤードしか獲得できておらず。
両チームとも派手なプレーが多かったため、パスに目がいきがちですが、
結局のところ、これが、スティーラーズが勝てなかった要因なのかもしれませんね。
いや、まあ、とにかく、目まぐるしい試合でした。
さて、この試合は「凄い」と思える試合だったわけですが、
他に、ちょっと別の意味で「凄い」と思った試合が。
それは、フィラデルフィア・イーグルス対タンパベイ・バッカニアーズの試合。
この試合、バッカニアーズの「勝利希望」で見ていたわけですが、
試合終盤、バッカニアーズは大きな判断ミスをした・・・と思いました。
それは、3点差でリードしていた残り時間3分弱に、
敵陣26ヤード地点まで攻め込み、フォースダウン残り4ヤード、という場面。
もちろん、常識的に考えれば、フィールドゴールを蹴ることが正しい判断と思えますが、
最近、こういう試合終盤追いかける場面でのイーグルスQBドノヴァン・マクナブが、
とんでもなく好調子なのを見てきてましたので、
3点差も6点差も関係ないだろう、と。
どちらにせよ、時間が3分もあったら、タッチダウンでひっくり返るのですから。
だから、ここはギャンブルに挑戦するべきで、
フィールドゴールを蹴りにいったら、バッカニアーズの負けだろうな、とか思ってました。
・・・で、まあ、もちろんフィールドゴールで、6点差になったわけですが。
だから、次のイーグルスのオフェンスで、逆転タッチダウンが決まったときには、
「ほら、やっぱり」と思った・・・というのが、正直なところです。
さて、逆転されて、残り時間30秒弱。
ちょっとフィールドゴール圏内まで持っていくのは難しそうな残り時間。
しかし、まず、RBマイケル・ピットマンのキックオフリターンがなかなか良く、
自陣36ヤード地点からのオフェンス。
ちょっとは望みが出てきたかもしれません。
が、フィールドゴール圏内に入るには、30ヤードは進む必要があります。
時間を考えると、4・5プレー出来ればいいところ。
やはり、難しいです。
で、QBブルース・グラドカウスキーも頑張りましたが、20ヤード進むのが精一杯。
敵陣44ヤード地点で残り時間4秒。
あと1プレー。
一か八か、パスを投げるしかないでしょう。
・・・と思ったら、ええっ!?
フィールドゴール挑戦!?
ああ、そうそう。
同じように「Play-By-Play」を読まれている方はご存知でしょうが、
得点が決まったプレーは、太字で書かれていますので、
読み始めた瞬間に、そのプレーが成功したのか失敗したのか分かるところです。
ただ、詳細は省きますが、
実は、ちょっと変わった「Play-By-Play」の読み方を僕はしておりまして、
成否の前に、どのプレーが行われたのかがまず分かる、というようにしております。
(そっちの方が楽しめるので)
で、まあ、この場面。
Kマット・ブライアントの62ヤードのフィールドゴールの挑戦。
無茶です。
いくらなんでも無茶です。
ちなみに、これは後から調べたのですが、
ブライアントはここまでキャリア5年で最長は50ヤード、しかもそれも1回だけ。
今シーズンは、40ヤード台ですら、4回中1回しか成功していないという有様。
(というか、この試合まで40ヤード以上は1回も成功していなかった、という)
よくここで、62ヤードに挑戦させる気になったものです。
そして成功。
いやぁ、ビックリ。
素晴らしすぎです。
結果的に、僕が「判断ミス」と思ったフィールドゴール成功があったからこそ、
この結果に結びついたと言えるわけで。
うーん、僕が間違ってました。
すいませんでした。
まあ、とにもかくにも、凄い試合終盤でしたねぇ。
さて、他の試合。
ジャクソンビル・ジャガーズ対ヒューストン・テキサンズの試合。
前半が終わって「0対10」でテキサンズがリード。
信じません。
ええ、こんな程度では、勝利を信じることは出来ません。
5分あれば逆転されます。
第3クォーターに7点取られ、第4クォーター序盤に7点取り返しましたが、
10点差で、残り時間が10分以上。
ええ、まだまだ信じられませんとも。
・・・相当、疑い深くなってます。
しかし、その直後。
ジャガーズ側がファンブルでターンオーバー。
そして、3プレー後に、テキサンズがタッチダウン。
ここに至って、ようやく僕も、「もしかしたら勝てそうかも・・・」と思えてきました。
(って、まだ「もしかしたら」なのか・・・)
結局、終盤にとどめのフィールドゴールを決め、7対27。
快勝。
いやぁ、嬉しいなぁ。
テキサンズは、オフェンスがそこそこ機能していると思われるのに、
ディフェンスの不調もあって、なかなか結果が出せていませんでしたが、
今日は、ディフェンス陣も頑張りましたね。
特に、ファンブルを引き起こしてのターンオーバーが2回あったのは値千金。
先ほど書いた第4クォーターのものも良かったのですが、
第3クォーター終盤、「7対10」の3点差という段階で、
28ヤード地点まで攻め込まれたところでターンオーバーをしたのは、
その後のオフェンスがタッチダウンになったことも含めて、
この試合の大きな転換点となったのではないでしょうか。
オフェンスとディフェンスが噛み合ったテキサンズ。
来週以降も同じことが続けられるのであれば、面白いことになるかもしれません。
期待します。
さて、あとは、どの試合に触れておきましょうかねぇ・・・。
ああ、マイアミ・ドルフィンズのQBジョーイ・ハリントンには、
触れておかねばなるまいか・・・。
先週、「ハリントンはもっとパスを多用したほうがリズムが出ていいんじゃないか」、
というようなことを書いていました。
この日のハリントンは、パス62回中33回成功414ヤード獲得。
ありがとうございます。
僕の願いを聞き届けてくださって。(違うだろ)
しかし、2タッチダウンで3インターセプトでは・・・。
・・・うーん、ハリントン・・・。
どうにも、ポカをやらかしすぎますねぇ。
この期に及んでも、僕は、ハリントンは活躍できるクォーターバックだと思っていますが、
さすがにちょっと、立場がまずくなってくるかもなぁ・・・。
あと、ハリントンは、QBダンテ・カルペッパーのときに比べて、サックをされない、
・・・というのも、1つの「ウリ」だったと思うのですが、この日は4サック。
いかんなぁ。
これで自信を無くしだすと、また「頼りないハリントン」に逆戻りなので、
なんとか1度、結果を残す活躍をしてもらいたいものです。
さて、他の試合は・・・、
うーん、ちょっと「悲しい」試合が多すぎるので、これくらいにしておこうかな・・・。
ああ、そうそう。
「GAORA」で放映していた、デンバー・ブロンコス対クリーブランド・ブラウンズの試合。
プレーを見たり、解説を聞いたりして、ブロンコスのディフェンスの良さを、
どう表現すべきなのかが分かりました。
「本当に良いディフェンスというのは、誰も目立たない」。
結局のところ、ディフェンスの仕事は、
「相手を3プレーで10ヤード進めさせなければ良い」ということに集約されるわけで、
それさえ出来れば、別に、サックもファンブルもインターセプトも必要ない、ということで。
今のブロンコスのディフェンスは、まさしく、これが出来ているんでしょうね。
(もちろん、ビッグプレーも無いわけではありませんが)
「ディフェンスインパクトポイント」というものを毎週掲載していますが、
これなんか、全く逆で、「目立つ選手」をピックアップするためのものですから、
ブロンコスは「ディフェンスが良い」のに、なかなか誰も引っかかってこないわけです。
逆に、例えば、違う試合ですが、スティーラーズのSSトロイ・ポラマルなんかは、
今日の試合を見ても、結構よく目立っていると思うのですが、
実はそれは、スティーラーズのディフェンスが本当の意味で良くはない、
・・・ということの裏返しなのかもしれません。
うーん、難しいですねぇ。
あ、あと、もう1つ。
この日は、前述のロスリスバーガーを初め、
シアトル・シーホークスのQBマット・ハセルベックや、
オークランド・レイダーズのQBアンドリュー・ウォルターなど、
クォーターバックの怪我がいくつもあったのですが、
どうも、ブラウンズのQBチャーリー・フライも、脳震盪気味だったようです。
そういえば、途中、ちょっと立ち上がれないでいた場面がありましたね。
フライはその後、プレーを続けていたのですが、大丈夫なのでしょうか。
心配なところです。
どの選手も、元気でプレー出来ますよう。
本日は、こんなところで。