クォーターバック三者三様



NFL第12週、「サンクスギビングデーゲーム」3試合の感想を。


まずは、何はともあれ、マイアミ・ドルフィンズデトロイト・ライオンズの試合から。


もう、ここ数週間、注目しっぱなしのドルフィンズQBジョーイ・ハリントン
いやぁ、ようやく、スタッツに残る活躍をしてくれましたね。


なんか、先週までの「スタッツに残らない活躍」のお釣りがきたかのように、
ランはゴールライン前で止まるし、インターセプトリターンもレッドゾーンで止まるしで、
その後を引き継いで、ハリントンが3タッチダウン


世の中、よく出来ています。


前半終了間際に、フィールドゴール圏内までオフェンスを進めていながら、
インターセプトを喰らってしまったのだけは、良くなかったですけども、
まあ、それ以外は、十分と言える活躍だったのはないでしょうか。


先週、「間にランプレーがあると調子を落とす」と書いていましたが、
この試合では、中盤以降、そういうところが見られなくなりましたしね。


後半、リードしていたので時間を潰すためにランプレーが増えましたが、
そこまでの段階では、今週も、明らかに「パス中心」のオフェンスでしたし、
いよいよ、ニック・セイバンヘッドコーチのやりたかったウエストコーストオフェンスが、
形になってきた、というところなのでしょうか。


ただ、まあ、反則の多さは、ちょっと気になりました。


オフェンス・ディフェンスとも、いろいろな反則をしていましたが、
気になったのは、フォルススタートが結構多かったこと。
しかも、サードダウン残り2・3ヤードという場面で、何回も。


わざわざ、自分で自分の首を絞めている感じです。


まあ、ゴール前でそれが起こったときなんかは、
「おおっ、これでランプレーじゃなくて、パスでタッチダウンを狙える!」、
・・・とか、見ていて思ったりしましたが・・・。(そして、その通りになりましたが)


何はともあれ、ここまでのところ、ドルフィンズが勝っても、
ニュース記事にハリントンの名前はほとんど出てこなかったのですが、
今週は、ハリントンの名前ばかり見られて、嬉しいところです。
(もっとも、その大きな要因は、古巣との対決だったからではありますが)


これで4連勝。
是非、このまま快進撃を続けてもらいたいですね。


さて、次に、デンバー・ブロンコスカンザスシティ・チーフスの試合。


試合開始3プレー目に、ブロンコスQBジェイク・プラマーが、
いきなりインターセプトを喫したときには、
「こりゃ、途中交代もあり得るか!?」と思ったりもしましたが、
でも、この日は、「良かった」わけではないけど、
そんなに悪くもなかったんじゃないですかねぇ。


敗因は、ブロンコス自慢のランが全く進まなかった(トータル38ヤード)ことと、
タイミングの悪いディフェンスの反則が重なったことかなぁ、と。


RBマイク・ベルは、結構応援しているので、
ベルがスターターの試合でランが進まなかった、というのは残念なところ。


ただ、先週の試合では目立っていたRBデイミエン・ナッシュも今週は走れず、
とにかく、全体的にランオフェンスがダメ、という感じでした。


タイミングの悪いディフェンスの反則」というのは、
チーフスの最初のタッチダウンドライブのときのこと。


「サードダウン残り3ヤード」を止めたのに反則でファーストダウン
「サードダウン残り4ヤード」を止めたのに反則でファーストダウン
・・・と、そんなことを続けていたのでは、タッチダウンされるのもやむなしでしょう。


というわけで。


この試合の結果を見て、「プラマー降りるべし」というのは、やはりどうかと思いますが、
ただ、一方で、クォーターバックの1番大事な仕事というのは、
「チームを勝たせること」であると考えると、勝ててないのは辛いところで。


巷の噂では、ちょうど次の試合まで日にちが10日ほど空くので、
クォーターバックを交代させるのにはちょうど良い、
・・・なんてこともささやかれていますが、果たしてどうなるでしょうか。


僕の考えは、昨日書いたとおりで、今週の試合結果を見ても変わりません。


さて最後に、タンパベイ・バッカニアーズダラス・カウボーイズの試合について。


やるなぁ、カウボーイズQBトニー・ロモ


早くも、ピッツバーグ・スティーラーズQBベン・ロスリスバーガーや、
ニューイングランド・ペイトリオッツQBトム・ブレイディを引き合いに、
「シンデレラクォーターバック」という話題が出てきていますが、
この活躍の「衝撃度」は、それ以上なんじゃないですかねぇ。


ロスリスバーガーは、ドラフト1巡指名で期待を背負ってNFL入りしているわけですし、
ドラフト6巡指名のブレイディだって、
名門大学(ミシガン大)でそれなりに名を馳せていたと聞いています。


「無名度」で言ったら、セントルイス・ラムズで「シンデレラ」となった、
QBカート・ウォーナー以来なのではないでしょうか。


更に言えば、ウォーナーNFLヨーロッパで活躍した実績があったわけですが、
ロモには、それすら無い。
まあ、もっとも、ロモは大学時代、「NCAA 1-AA」では結構活躍していたらしいので、
そういうことを言い出すと、「全く無名」なNFL選手なんて、誰もいないわけですが・・・。


とにもかくにも、世間一般的な「無名度」は、飛びぬけています。


とはいえ。


ウォーナーにしろブレイディにしろ、スーパーボウルを制覇したからこその「シンデレラ」。
ロスリスバーガーも、1年目はスーパーボウルまでは届きませんでしたが、
新人の連勝記録を打ち立てて、頂点一歩手前まで行ったからこその「シンデレラ」。


ロモが本当に「シンデレラ」と呼ばれるのかどうかは、
今後の活躍次第ということですね。


こういう話は大好きなので、是非、頑張ってもらいたいところです。


以上、「サンクスギビングデーゲーム」の感想でした。

週間オフェンスラインMVP(第11週)



もう第12週の試合が行われてますが、今週も、「オフェンスラインスタッツ」を用いた、
「週間オフェンスラインMVP」を掲載したいと思います。


まず、第11週の「ベストオフェンスライン選手」は以下の通り。

  選手名 ラン パス 反則 オフェンスライン
ポイント
LT アンソニー・デイヴィス
タンパベイ・バッカニアーズ
26 6 0 32
LT エフレイム・サラーム
ヒューストン・テキサンズ
18 14 0 32
LG ヴィンス・マヌワイ
ジャクソンビル・ジャガーズ
46 3 0 49
C ジョフ・ハンガートナー
カロライナ・パンサーズ
52 -4.5 0 47.5
RG クリス・ネイオリー
ジャクソンビル・ジャガーズ
50 3 0 53
RT ジョン・スティンチコム
ニューオリンズ・セインツ
22 17 0 39



今週は、それなりにバラけましたかね。


一応、センター選手の2番手がジャガーズCブラッド・ミースターだったので、
全体的に言えば、「ジャガーズデー」と言えるかもしれません。


まあ、そのことを踏まえて値を見ていただくと、
ジャガーズは、真ん中のランが、面白いように出ていたんだなぁ、
ということがよく分かりますね。


今週の「週間オフェンスラインMVP」は、
そのパッカーズの右ガード選手、ネイオリーです。


ネイオリーは、第5週に、
ガードマヌワイとともに「週間オフェンスラインMVP」となっていましたから、
これが2度目ということになりますね。(というわけで、経歴は省略します)


そのときも、「真ん中の3人」が、
揃って「ベストオフェンスライン選手」となっていましたから、
ジャガーズのランオフェンスは、相当安定していると見て良いのかもしれません。


ただし、そのときに、「ジャガーズの成績はここ3年右肩上がり」と書きましたが、
今シーズンは、既に4敗を喫し、昨シーズンの負け数に並んでしまいました。


AFCプレーオフワイルドカード争いは、相当激しくなることが予想され、
勝ち越しただけでは、安心できないという状況。


ジャガーズプレーオフに進出できるかどうかは、このオフェンスラインの安定感を、
毎試合、常に発揮できるかどうかにかかってくるかもしれませんね。


さて、第11週時点での「オフェンスラインベスト10」は、以下の通り。

順位 選手名 ラン パス 反則 オフェンスライン
ポイント
1位 RT ジョン・スティンチコム
ニューオリンズ・セインツ
48 94 -14 128
2位 LG ヴィンス・マヌワイ
ジャクソンビル・ジャガーズ
138 0 -14 124
3位 C トム・ネイレン
デンバー・ブロンコス
146 -10.5 -14 121.5
4位 RG マイク・ゴフ
サンディエゴ・チャージャーズ
94 26.5 0 120.5
5位 LT タリック・グレン
インディアナポリス・コルツ
88 73 -42 119
6位 LG クリス・ディールマン
サンディエゴ・チャージャーズ
106 26.5 -21 111.5
7位 LG ディラン・ギャンディ
インディアナポリス・コルツ
74 36.5 0 110.5
8位 C ケイシー・ウィーグマン
カンザスシティ・チーフス
112 -4 0 108
9位 RG クーパー・カーライル
デンバー・ブロンコス
122 -10.5 -7 104.5
10位 LT マーカス・マクニール
サンディエゴ・チャージャーズ
62 53 -14 101



今週の「ベストオフェンスライン選手」にも選ばれているスティンチコムが、
先週8位からアップして1位となりました。


スティンチコムは、第6週・第7週でも1位になっていましたので、返り咲きです。


とにかく、このセインツというチームは、パスオフェンスが鬼です。


対して、先週14位から2位に上がったマヌワイジャガーズは、
先ほども触れましたとおり、ランオフェンスの安定感がウリ。


値を見ると、ホント、極端だなぁ。


更に、先週7位から3位に上がったネイレンブロンコスも、ラン中心。
・・・ていうか、「パスプロテクションポイント」がマイナスですか・・・。


いやぁ、さすが、ここまでくると、各チームの特色がよく表れてますねぇ。


こうやって見てみると、コルツって、QBペイトン・マニングが話題の中心になりがちだけど、
ランとパスのバランスが、高いレベルで非常によく取れたチームなんだなぁ、
・・・と、改めて思いました。


その次は、チャージャーズがバランス良いかな。


以上、第11週の「オフェンスラインスタッツ」でした。

ディフェンス選手ランキング(第11週時点)



さて次は、試しに載せていっている「ディフェンスインパクトポイント」です。


まずは、第11週で高い値となった選手を、
ディフェンスラインラインバッカーディフェンスバックで、それぞれ1人ずつ。

選手名 ポイント タックル サック パスDef INT FUM
DE ジェイソン・テイラー
マイアミ・ドルフィンズ
73 4 1 1 1 2
LB マイク・ヴラベル
ニューイングランド・ペイトリオッツ
42 4 2 0 0 1
SS ジャメイン・フィリップス
タンパベイ・バッカニアーズ
44 6 0 3 0 1
FS O・J・アトグイ
セントルイス・ラムズ
44 4 0 0 0 2



テイラーは、今月2度目の週間MVPを受賞する活躍でした。


その他の中では、アトグイだけは特に週間MVPにノミネートされていませんでしたが、
他の2人はノミネートされていて、まあ、なかなか分かりやすい形。


アトグイは、2回ファンブルを引き起こしていますが、1度はボールがアウトオブバウンズ
もう1度はターンオーバーとなるも、自陣ゴールラインギリギリだったため、
直後のオフェンスがセイフティに終わってしまうという、
なんとも、活躍が報われない結果となっており、
まあ、ノミネートされなかったのも、致し方ないところで。


それにしても、テイラーの活躍は、飛びぬけていますねぇ。


合計ポイントを他の3人と見比べていただくだけでも、高さが分かると思いますが、
全ての項目で「0」が無いのって、初めてのことじゃないですかねぇ。


うーん、凄い。


ドルフィンズについては、QBジョーイ・ハリントンにばかり、
意識して話題を集中させていますが、
もちろん、最近のドルフィンズの強さは、テイラーの活躍があってこそ、
・・・というのは、間違いの無いところでしょうね。


さて、第11週時点での「ディフェンス選手ベスト10」は、以下の通り。

順位 選手名 ポイント タックル サック パスDef INT FUM
1位 DE ジェイソン・テイラー
マイアミ・ドルフィンズ
313 31 10 4 2 7
2位 CB ウォルト・ハリス
サンフランシスコ・49ers
223 34 1 6 6 3
2位 DE ジャレッド・アレン
カンザスシティ・チーフス
223 42 7 4 1 4
4位 DE ジュリアス・ペパーズ
カロライナ・パンサーズ
222 33 11 5 0 3
5位 SS ケリー・ローズ
ニューヨーク・ジェッツ
212 58 4 5 2 3
6位 CB ロンデ・バーバー
タンパベイ・バッカニアーズ
209 76 1 7 3 2
7位 DE レオナード・リトル
セントルイス・ラムズ
202 29 9 2 0 4
8位 LB ショーン・フィリップス
サンディエゴ・チャージャーズ
196 26 8 3 0 4
9位 DE アーロン・キャンプマン
グリーンベイ・パッカーズ
191 41 10 0 0 3
10位 CB チャールズ・ウッドソン
グリーンベイ・パッカーズ
189 38 1 9 2 3



1位は、先週までと変わらず。


・・・なのですが、合計ポイントの欄を見てください。
ぶっちぎりです。


いやぁ、これは凄いなぁ。


もう、今シーズンの「最優秀守備選手賞」は、
テイラーで決まりでいいんじゃないですかねぇ。


・・・と、試しに載せているだけのポイントを見て、試しに言ってみますが。


まあ、週間MVPもそうですが、こういう賞って、
スタッツそのものに加えて、チーム成績も重要になってくるからなぁ。


このまま、プレーオフに進出するくらいにまでドルフィンズの快進撃が続かないと、
シカゴ・ベアーズのディフェンス選手とかと比べて、不利なんでしょうね。


是非、このまま快進撃を続けて、テイラーに「最優秀守備選手賞」を!


そして、ハリントンに「カムバック賞」を! (そっちが主眼か)


以上、第11週の「ディフェンスインパクトポイント」でした。