訓練されたスペシャルチーム



NFL第14週マンデーナイトゲーム
シカゴ・ベアーズセントルイス・ラムズの試合の感想を。


この試合って、ラムズのホームゲームなのですが、
ラムズに良いプレーがあったときより、ベアーズに良いプレーがあったときの方が、
明らかに声援が大きかったですねぇ。
(あと、ラムズがオフェンスのときのクラウドノイズも)


シカゴとセントルイスは近いので、シカゴからも応援に駆けつけている、
・・・ということが紹介されていましたが、「駆けつけている」どころか、
半分以上、ベアーズファンが占拠していたのではないでしょうか。


チーム成績を考えれば仕方がないとはいえ、
仮にも、「晴れの」マンデーナイトゲームでそういう状態なのは、
ラムズ選手にとっては、かわいそうなところだなぁ。


・・・と、そんなことを思った試合。


ラムズとしては、第1クォーター、落球が多かったのがちょっと痛かったのかも。


第2クォーターが特に良かったのですが、
この日の「ラムズオフェンス対ベアーズディフェンス」は、
完全に、ラムズオフェンスが勝っていたと思います。


だから、ベアーズオフェンスが得点できずにもたもたしているうちに、
とっとと得点して、ある程度引き離していれば、
また、別の展開になったんじゃないかなぁ、と。


そのあたりが、返す返すも残念なところです。


個人的には、QBマーク・バルジャーが、
もっとドカンドカンと長い距離のパスを投げてくれることを期待したのですが、
この日の「手堅い」オフェンスは、よく機能していたと思います。


常にこういうオフェンスが出来ていれば、5勝8敗なんて成績には、
なっていなかったと思うんだけどなぁ。


まあ、まだヘッドコーチが交代して1年目ですから、
来シーズンに期待、というところでしょうね。


ただ、以前に、今1番好きなクォーターバックワイドレシーバーのコンビは、
ラムズバルジャーWRトリー・ホルトのコンビかも・・・と書いていましたが、
「ドカンドカン」ではなくなったので、その魅力がちょっと薄れていたかもなぁ、
・・・と思えたのは残念でした。
(この日のホルトは落球が多かったので、特にそう思えたのかもしれませんが)


しかし、ベアーズのCBデヴィン・ヘスター
凄いですねぇ。


この試合に限って言えば、
ラムズのカバーチームに問題があったような気がしないでもないですが、
リターンタッチダウンのシーズン新記録を作ったのは、
もちろん、ヘスターの能力の賜物でしょう。


ただ、その「能力」というのは、概ね「スピード」ということになるかもしれません。


近年の名リターナーと言えば、カンザスシティ・チーフスWRダンテ・ホールがいますが、
ホールのリターンが「なんとか穴を見つけてそこを抜けていく」ものなのに対し、
ヘスターのリターンは、「開いているところを一直線に突き抜けていく」というような、
そんな違いがあるような気がします。


感覚的な話なので、間違っているかもしれませんが、
同じ距離のリターンタッチダウンにかかった時間を計測したら、
ホールよりヘスターの方が、圧倒的に速いのではないでしょうか。


そうなると、褒められるべきのは、ヘスター本人というよりは、
「穴を開けている」ベアーズのリターンチームなのかな、と。


そういえば、昨シーズンは、ベアーズのCBネイサン・ヴァシャーが、
フィールドゴール失敗のボールを108ヤードリターンタッチダウンし、
今シーズンは、ヘスターが、全く同じことをしているのですが、
同じチームの選手が同じことを成し遂げたのは、単なる偶然ではなく、
そういう訓練がよく出来ているから、という面があるのでしょう。


今、「スペシャルチームがチーム全体の足を引っ張っている」というチームが、
いくつかあると思うのですが、そういうところには、
ベアーズのスペシャルチームを見習ってもらいたいものですね。


以上、第14週マンデーナイトゲームの感想でした。

キッカーランキング(第14週時点)



さて、では、「キッカーレーティング」を。


 1位(↑) 41.4 ジョン・ケイシーカロライナ・パンサーズ
 2位(↑) 36.4 ライアン・リンデルバッファロー・ビルズ
 3位(↓) 34.6 ロビー・ゴウルドシカゴ・ベアーズ
 4位(↑) 34.2 ジェイソン・イーラムデンバー・ブロンコス
 5位(↓) 32.3 ジェフ・ウィルキンズセントルイス・ラムズ
 6位(↑) 32.0 ジェイソン・ハンソンデトロイト・ライオンズ
 7位(↓) 31.9 ジョシュ・スコビージャクソンビル・ジャガーズ
 8位(→) 30.7 アダム・ヴィナティエリインディアナポリス・コルツ
 9位(↓) 29.9 シェイン・グレアムシンシナティ・ベンガルズ
 10位(↓) 29.0 マット・ストーヴァーボルチモア・レイヴンズ


マンデーナイトゲームの試合放送でもありましたように、
今週は、ゴウルドが37ヤードフィールドゴールに失敗。


更に、実は、放送ではカットされていましたが、第4クォーターの終盤にも、
49ヤードのフィールドゴールを失敗していまして、
1位から3位に転落してしまいました。


今シーズンは、ずっと調子が良かっただけに、
ここに来ての不調は、プレーオフに向けて、心配になるところですね。


代わりに1位に上がったのは、第3週・第4週以来の返り咲きとなるケイシー


たびたび書いていますが、今シーズンのケイシーは、シーズン序盤で失速せずに、
ずっと好調をキープできていますねぇ。


・・・ただ、まあ、チーム自体は失速気味なのですが・・・。


未だに、50ヤード未満では今シーズン1度も失敗が無い、というのが素晴らしく、
今週も、37ヤードと45ヤードのフィールドゴールに成功しています。
(50ヤード以上も4本成功しているので、それも素晴らしいところ)


ゴウルドが落ちてしまったので、値としては、圧倒的に他を引き離してしまいましたが、
果たして、残り3週間、このまま1位をキープできるのでしょうか。


チーム成績と共に、注目していきたいところです。


さて、他に目立つのは、先週、「最近好調」と書いたハンソンで、
今週も53ヤードと45ヤードのフィールドゴールに成功する好調さで、
6位にまで上がってきました。


素晴らしいです。
・・・が、チームが負けているのは、やはり、悲しいところで・・・。


この好調さを、チームとしても生かしたいところでしょうけどねぇ。

パンターランキング(第14週時点)



では、続いて「パンターパワーヤード」。


 1位(→) 6.1 マット・マクブライアーダラス・カウボーイズ
 2位(→) 4.5 ダスティン・コルキットカンザスシティ・チーフス
 3位(↑) 4.2 サム・クックボルチモア・レイヴンズ
 3位(↑) 4.2 シェイン・レクラーオークランド・レイダーズ
 5位(↓) 4.1 デイヴ・ザストゥディルクリーブランド・ブラウンズ
 5位(↓) 4.1 ブライアン・ムーアマンバッファロー・ビルズ
 7位(↑) 4.0 マイク・シフレスサンディエゴ・チャージャーズ
 8位(↑) 3.4 アンディ・リーサンフランシスコ・49ers
 9位(↑) 3.1 ベン・グレアムニューヨーク・ジェッツ
 10位(↑) 3.0 カイル・ラーソンシンシナティ・ベンガルズ


この中で目立つのは、先週7位から3位に上がったクックで、
今週は、パント4本中全てを敵陣23ヤード以内に落とすという活躍でした。
(うち2本は、敵陣2ヤード地点と敵陣6ヤード地点)


ところで、今、初めて気が付いたのですが、
パンターの公式記録って、「反則罰退ヤード込み」なんですねぇ。


この日のクックは、公式記録上「最長51ヤード」となっていますが、
第3クォーターに、56ヤードのパントを蹴っていたりします。


ただ、このとき、レイヴンズのカバーチーム選手が、
相手リターナーのキャッチの邪魔をしてしまい、反則で15ヤードの罰退。
パントの記録も、その分短くなってしまっていました。


「リターン込み距離」ならともかく、パント距離そのものが減らされてしまうのって、
パンターとしては、納得がいかないでしょうねぇ。


もちろん、この「パンターパワーヤード」では、減らしておりませんよ。


さて、第5週から先週まで、ずっと「ベスト10」に入っていたのに、
今週いなくなってしまったパンターが1人います。


しかも、落ち方が酷い酷い。
先週3位(値は「4.3」)なのに、今週は15位(値は「2.7」)。


それは、インディアナポリス・コルツPハンター・スミスです。


こんなに落ちてしまった1番の要因は、第1クォーター終盤に、
パントをブロックされてしまったためなのですが、
実は、その1本のみならず、この日のスミスのパントは全然飛んでいませんでした。


「Play-By-Play」観戦をしていて、本当に強く感じたのですが、
コルツのオフェンスは、いつも自陣奥深くから始まるのに、
対戦相手ジャクソンビル・ジャガーズのオフェンスは、
ほとんど敵陣に入ったところから始まっているような、そんな感じで。


この日のコルツは、44失点も喫していたのですが、
単にディフェンスの問題だけでなく、スミスの不調という問題も重なってのもの、
・・・ということが言えそうですね。


これまで調子が良かっただけに心配ですが、
たまたまこの日調子が悪かっただけ、ということであるのを願いたいところです。


それから、これはランキングとは全く関係ないのですが、
今週、シンシナティ・ベンガルズPカイル・ラーソンのパント回数は「0回」でした。


いや、パントが1回も無いって、凄いことじゃないんですかねぇ?


特にニュースを見ても、「記録」というような言葉が出てきていないのを見ると、
あんまり珍しくはないのかなぁ。


少なくとも、今シーズンの中では、初めての出来事になります。


ちなみに、この日のベンガルズのオフェンスの終わり方は、
インターセプトタッチダウンタッチダウンファンブルインターセプト
ハーフタイム、タッチダウンタッチダウンインターセプト、試合終了。


うわっ、フィールドゴールの成功も失敗も無いのか。
ある意味、凄いことをやってるなぁ。


・・・と、本日は、こんなところで。