いろいろあったボウルゲームの結果



というわけで、昨日の予告どおり、カレッジフットボールの話題を。


ボウルゲームが終わりました。
いやぁ、ホント、いろいろな試合があって楽しかったです。


事前に書いた「試合紹介」で注目した点をチェックしつつ、
1試合ずつ、簡単に見ていきたいと思います。

  1st 2nd 3rd 4th  
北イリノイ大MAC 0 0 0 7 7
TCUMWC 6 10 14 7 37



TCUの順当勝ちです。


北イリノイ大RBギャレット・ウルフは、20回28ヤードと、
全く活躍できませんでした。


大学最後の試合でこの成績は、本人も悔しいでしょうねぇ。
NFL入り後に大活躍して、悔しさを晴らしてもらいましょう。

  1st 2nd 3rd 4th  
BYUMWC 0 17 7 14 38
オレゴン大Pac-10 0 0 0 8 8



最終BCSランキング20位のBYUが順当勝ちですね。

  1st 2nd 3rd 4th  
ライス大C-USA 7 3 0 7 17
トロイ大Sun Belt 21 7 3 10 41



「弱小カンファレンス」の「Sun Belt」優勝校トロイ大が圧勝。


ボウルゲーム出場3回目にして初勝利ですね。
おめでとうございます。

  1st 2nd 3rd 4th  
南フロリダ大Big East 14 10 0 0 24
東カロライナ大C-USA 7 0 0 0 7



事前の評価は互角でしたが、やはり、強豪カンファレンス所属チームが上でした。


後からも触れますが、今シーズン、「Big East」カンファレンスは、
世間の評価よりも、相当高い実力を持っていたようです。


この試合の結果も、その一端。

  1st 2nd 3rd 4th  
ニューメキシコ大MWC 0 3 0 9 12
サンノゼ州立大WAC 0 13 7 0 20



やはり、今シーズン高レベルだった「WAC」カンファレンスで3位になった実力は、
伊達ではありませんでした。


ニューメキシコ州ニューメキシコ大ニューメキシコボウル」に出て、
地元の声援があったくらいでは、なかなか勝てません。

  1st 2nd 3rd 4th  
タルサ大C-USA 0 7 0 6 13
ユタ大MWC 3 6 10 6 25



「注目校」のユタ大が勝利!


いやぁ、ホント、ここは負けられないと個人的に思っていたので、嬉しい結果です。


まずは「注目校」1勝で、幸先の良いスタート

  1st 2nd 3rd 4th  
アリゾナ州立大Pac-10 3 7 0 14 24
ハワイ大WAC 0 3 21 17 41



この試合は、「J SPORTS ESPN」で観戦しました。


前半は、非常におとなしい展開で、
「ハイスコアゲーム必至」という前評判からは肩透かしでしたが、
後半になって、ハワイ大の「ハイパワーオフェンス」が爆発。


最終的には、まあまあ、ハイスコアゲームになりましたかね。


これで、ハワイ大は、全5回のハワイボウルで3勝目。
やはり、「ハワイ大のためのハワイボウル」です。

  1st 2nd 3rd 4th  
中央テネシー州立大Sun Belt 0 7 0 7 14
中央ミシガン大MAC 14 7 7 3 31



MAC」カンファレンス優勝校の中央ミシガン大が、
カンファレンスの頂点の試合で見事に勝利を収めました。


この試合を「MAC」カンファレンス優勝校が勝つのは、
ボーリンググリーン大が勝った2003年以来3年ぶりです。

  1st 2nd 3rd 4th  
フロリダ州立大ACC 7 6 10 21 44
UCLAPac-10 10 10 7 0 27



UCLAがレギュラーシーズン最終戦USCを破った勢いで勝つ、
・・・ということはありませんでした。


これは、ちょっとビックリな結果だったかも。


フロリダ州立大も含め、「6勝6敗」のチームが何チームかボウルゲームに出ていて、
レベル的にはどうなんだ、と思われた「ACC」カンファレンスの出場チームですが、
ここは意地を見せましたね。

  1st 2nd 3rd 4th  
オクラホマ州立大Big 12 7 17 0 10 34
アラバマ大SEC 7 7 3 14 31



終始オクラホマ州立大リードしていましたが、
第4クォーターに、ついにアラバマ大が追いつく、という展開。


しかし、最後は、残り時間8秒、オクラホマ州立大が、
決勝フィールドゴールを成功して突き放し、勝負ありでした。


レギュラーシーズン中の戦跡から見て、オクラホマ州立大有利かな、と思っていたので、
アラバマ大がよく粘っていたな、という印象ですね。
さすが、「激戦区」の「SEC」カンファレンス所属です。


逆に、勝ったオクラホマ州立大は、強い相手にも勝つ実力がありながら、
こういう試合で接戦になってしまったあたりが、
いまいち、レギュラーシーズン成績を伸ばせなかったことにつながっているのかな、と。


そんな感じでしょうか。

  1st 2nd 3rd 4th  
テキサス農工大Big 12 7 3 0 0 10
カリフォルニア大Pac-10 7 7 14 17 45



やはり、「Pac-10」カンファレンス優勝校の1つであるカリフォルニア大は、
実力が違いました。


テキサス農工大は、同カンファレンスの強豪チーム相手に、
勝ったり、接戦を演じたりしていたので、この試合も接戦になるかな、
と思われたのですが、終わってみると、今シーズンの「Big 12」カンファレンスは、
そんなにレベルが高くなかったのかもしれません。

  1st 2nd 3rd 4th  
ラトガース大Big East 14 3 14 6 37
カンザス州立大Big 12 0 10 0 0 10



アメリカンフットボールの「ルーツ校」ラトガース大が、圧勝でボウルゲーム初勝利。


「シンデレラチーム」が素晴らしいシーズンをハッピーエンディングで終われたのは、
なんとも嬉しいところですね。


来シーズンは、いよいよ「強豪伝統校」として、
4大ボウル、そして、BCS全米選手権出場を目指してもらいましょう。

  1st 2nd 3rd 4th  
クレムソン大ACC 0 6 0 14 20
ケンタッキー大SEC 7 7 7 7 28



この試合の紹介のところで、


>「SEC」カンファレンスの評価の高さというのは、
>こうして見てみると、「飛びぬけた強さのチームが何チームもある」ということが要因で、
>それ以外のチームはそうでもない、ということになるのかもしれませんね。


こんなことを書いていましたが、結果として、そんなことは全くありませんでした。
(先ほど出てきたアラバマ大の粘りを見ても)


やはり、今シーズン、最もレベルの高いカンファレンスは「SEC」カンファレンスで、
その強さは、上位チームだけでなく満遍なく、ということになるのでしょう。

  1st 2nd 3rd 4th  
オレゴン州立大Pac-10 14 0 7 18 39
ミズーリ大Big 12 7 10 14 7 38



大激戦でした。


第4クォーターに入った段階では、「21対31」でミズーリ大リード
更に、残り時間約12分で、「24対38」と14点差まで広げられてしまいます。


更に更に、点差を広げられた直後のオレゴン州立大のオフェンスが、
ほぼフィールドの中央あたりでフォースダウンギャンブル失敗、という結果。


これはもう、勝負は決まったかのような場面ですが、
しかし、ここから、ディフェンスもオフェンスも粘り腰を見せ、
まず、残り時間約6分で1タッチダウンを返し、7点差。


そして、残り時間30秒弱、ついに、もう1つのタッチダウンを奪うことに成功します。


しかし、凄いのはここから。
なんと、トライフォーポイントのキックを蹴れば同点の場面で、
ツーポイントコンバージョンに挑むという、大冒険。


当然、失敗すれば、ほぼ負けは確定です。


そして、それを成功。
見事にオレゴン州立大が逆転勝利を飾ったのでした。


いやぁ、凄い。
試合の紹介で「互角の良い勝負になりそう」と書いたのですが、期待以上でしたね。


なお、オレゴン州立大と言えば、昨シーズンの「ルー・グローザ賞」受賞者、
Kアレクシス・セルナがいるのですが、この試合では、
29ヤードのフィールドゴールを1本成功させているだけで、
特に目立った活躍はありませんでした。(失敗も特に無く)

  1st 2nd 3rd 4th  
ヒューストン大C-USA 7 21 0 8 36
南カロライナ大SEC 7 20 3 14 44



やはり、「C-USA」カンファレンス所属では、
優勝校と言えど、そんなに高く評価できないかな、という感じでしたね。


まあ、中位ながら「SEC」カンファレンス所属校を相手にここまで頑張ったので、
よくやったと言えば、その通りなのかもしれません。

  1st 2nd 3rd 4th OT  
テキサス工科大Big 12 0 7 7 24 6 44
ミネソタ大Big Ten 14 21 3 0 3 41



これもまた、凄まじい試合。


まず、第2クォーターにミネソタ大が4つ目のタッチダウンを奪ったときに、
テキサス工科大は、まだ無得点でした。


更に、第3クォーター半ばには、一時、「7対38」と31点差となり、
これは、もう、誰がどう見てもミネソタ大が勝つ試合です。


しかし、テキサス工科大がここから驚異の追い上げを見せます。
タッチダウンを立て続けに挙げて、あれよあれよと3点差。


そして、第4クォーター残り時間0秒。
52ヤードという長い距離のフィールドゴールを成功して、
ついに同点に追いつき、同時に、オーバータイム突入となりました。


オーバータイムは、「先攻」のミネソタ大フィールドゴールに終わったのに対し、
「後攻」ミネソタ大タッチダウン


ここに、「31点差を跳ね返す」という、
ボウルゲーム史上最大のカムバック勝利が完成したのでした。


いやぁ、凄い。


ただ、そもそもは、テキサス農工大が優位と思われていた試合でしたので、
ミネソタ大もよく頑張った、と言ってあげたいところですね。

  1st 2nd 3rd 4th  
パーデュー大Big Ten 0 7 0 0 7
メリーランド大ACC 7 14 3 0 24



メリーランド大をちょっとだけ高く評価しておいた方がいいかな、
・・・という2校の比較でしたが、結局、圧勝でした。


後からも触れますが、今シーズンは、終わってみれば、
Big Ten」カンファレンス全体のレベルは、そんなに高くなかったのかもしれません。

  1st 2nd 3rd 4th  
海軍士官学校独立校 7 14 3 0 24
ボストンカレッジACC 6 10 0 9 25



>ハイレベルな「互角の良い勝負」を期待したいところですが、
>若干、ボストンカレッジの方が優位、ということになりそうですね。


試合前の見立て、バッチリでした。


第4クォーターに大逆転勝利をしていることは、ボックススコアを見れば分かると思いますが、
更に細かく見ていくと、まず、第4クォーターに入った段階で「24対16」。
8点差ですから、タッチダウンツーポイントコンバージョンで同点に追いつけるところです。


そして、残り時間8分弱にボストンカレッジタッチダウンを挙げ、
もちろん、ツーポイントコンバージョンに挑むのですが、これを失敗。
2点差となってしまいました。


その後、やや攻めあぐねるところもあり、
残り時間3分半から始まった海軍士官学校で、じわじわと時間を使われていき、
このまま試合終了までいってしまうのか・・・と思われた残り時間1分強。


なんと、ファンブルを引き起こして、ターンオーバーに成功したのでした。
ただし、まだこの時点ではフィールドの真ん中あたり。


ここから短い時間で、敵陣19ヤード地点まで進め、
37ヤード逆転フィールドゴールが成功したと同時に試合終了となった、
そんな試合でした。


ハイレベルな「互角の良い勝負」だったのではないでしょうかね。

  1st 2nd 3rd 4th  
テキサス大Big 12 3 7 10 6 26
アイオワ大Big Ten 14 0 7 3 24



「いくら最近不調とはいえテキサス大優勢だろう」と思われたのですが、
やはり、不調チームは不調チームだったのか。


まあ、連敗を止めてシーズンを終われたのですから、
テキサス大としては、来シーズンに向けて、良しとしておくべきところかもしれません。


反対に、アイオワ大は頑張りましたね。


ここまでに、「結局、今シーズンは、そんなにレベルが高くなかったのかもしれない」、
と書いた2つのカンファレンス所属チーム同士の対戦で、
Big 12」カンファレンス所属チームが勝ったことになりますが、
そもそもの実力はテキサス大の方が上でしょうから、
やっぱり、どっちもどっち、ということになるのかな。

  1st 2nd 3rd 4th  
ジョージア大SEC 3 0 10 18 31
バージニア工科大ACC 0 21 0 3 24



最終BCSランキングでは、バージニア工科大の方が上だったわけですが、
やはり、「大物食い」ジョージア大でした。


というか、まあ、これも終わってみれば、
SEC」カンファレンスは全体的にレベルが高かった、
・・・という結果ではあるんでしょうけどもね。

  1st 2nd 3rd 4th  
マイアミ大(フロリダ)ACC 7 7 7 0 21
ネバダ大WAC 2 9 3 6 20



「注目校」同士の対戦は、接戦の非常に面白い試合となりました。


なんとかかんとか、マイアミ大(フロリダ)が逃げ切った格好ですが、
最後の最後、ネバダ大は、敵陣36ヤード地点まで攻め込んでいたんですよね。


しかし、インターセプトを喫して、万事休す。


どちらも力を出し切った、良い試合だったのではないでしょうか。


まあ、本来の実力からすれば、
マイアミ大(フロリダ)が、こんなに苦戦をしていてはいけないのでしょうけども。


来シーズンは、「出直し」で頑張ってもらいたいところですね。


この結果、「注目校」は2勝1敗。
・・・まあ、「注目校」同士の対戦だったんだから、1敗は仕方なし。

  1st 2nd 3rd 4th  
テネシー大SEC 3 7 0 0 10
ペン州立大Big Ten 0 10 0 10 20



今シーズンのボウルゲーム全体の「流れ」でいけば、
ここは、「SEC」カンファレンス所属のテネシー大が勝つところですが、
逆の結果となりました。


かなり大雑把な書き方になるのですが、どうも、
 「Big Ten」中位<<「SEC」中位
 「SEC」上位=<「Big Ten」上位
 「Big Ten」最上位<<「SEC」最上位
と、こんな感じになっているんじゃないかと。
(で、全体的に見れば、圧倒的に「SEC」カンファレンスが上)


この試合は、今の書き方で言うと、「上位」校同士の対戦です。


ペン州立大は、レギュラーシーズンで発揮できなかった実力を、
ここに来て、ようやく出し切れたのかもしれませんね。


来シーズンは、かなり期待できるのかも・・・?

  1st 2nd 3rd 4th  
オーバーン大SEC 7 7 3 0 17
ネブラスカ大Big 12 7 7 0 0 14



僕は、「オーバーン大がサクッと勝つ」と思っていた試合でしたが、
結局、接戦となっていました。


ネブラスカ大がよく頑張った、と言えるのではないでしょうか。

  1st 2nd 3rd 4th  
ジョージア工科大ACC 14 14 7 0 35
西バージニア大Big East 7 10 21 0 38



「注目校」西バージニア大に、スカッと勝っていただきたい試合でしたが、
これもまた、接戦となっていました。


まあ、勝ってくれたこと自体が嬉しいところなので、良しとしておきましょう。


これで「注目校」は、3勝1敗。

  1st 2nd 3rd 4th  
アーカンソー大SEC 7 0 0 7 14
ウィスコンシン大Big Ten 10 7 0 0 17



この試合は、先ほどの「アウトバックボウル」と同じ図式。
つまり、「SEC」上位=<「Big Ten」上位。


まあ、もちろん、単純に、シーズン終盤に勢いの落ちていたアーカンソー大が、
そのまま負けてしまった・・・ということも言えますが。


また、最終BCSランキングで言えば、ウィスコンシン大の方が上ですから、
順当な結果と言えば、そのとおりなんですけどもね。


期待された、「ハイズマン賞得票数2位」のアーカンソー大RBダレン・マクファデンは、
19回89ヤードと、まずまずながら、そんなに大爆発でもなかったのが、
この試合の「敗因」と言えるのかもしれませんね。

  1st 2nd 3rd 4th  
USCPac-10 3 0 16 13 32
ミシガン大Big Ten 0 3 0 15 18



この試合は、もちろん、「J SPORTS ESPN」で観戦。


まあ、終わってみれば、「注目校」USCの圧勝でしたね。


試合紹介でも書きましたように、「BCS全米選手権」との絡みもあるため、
とにかく、この試合はUSCに勝ってもらいたかったのですが、
予想以上の大差だったので、嬉しい誤算でした。


この試合結果のおかげで、「BCS全米選手権」の結果にケチがつくことはなくなった、
というのは、過言ではないでしょう。


ホッと一息。


そして、これで「注目校」が4勝1敗。

  1st 2nd 3rd 4th OT  
ボイジー州立大WAC 14 7 7 7 8 43
オクラホマ大Big 12 7 3 7 18 7 42



今シーズンのボウルゲームで、最も素晴らしい試合はどれだったか、
・・・とアンケートを取ったら、恐らく、この試合が1位になるのでしょう。


そもそも、ボイジー州立大という「シンデレラチーム」にドラマがあり、
そのチームが、「強豪」オクラホマ大に挑む、という形。
(最終BCSランキングではボイジー州立大が上ながら、下馬評ではオクラホマ大が上でした)


そんな試合で、ボイジー州立大は、序盤からリードを奪い、
第3クォーター半ばでは、「28対10」とまでなっています。


しかし、そのまま終わるオクラホマ大ではありません。


まず、1タッチダウンと1フィールドゴールを返して、8点差に。


そして、第4クォーター残り時間約2分半、自陣23ヤード地点から開始したドライブを、
見事にタッチダウンで完結させ、そして、当然ツーポイントコンバージョンに挑戦。
成功して、ついにオクラホマ大が同点に追いついてしまったのでした。


この時点で、第4クォーター残り時間1分強。
オーバータイム突入濃厚です。


ところが、その直後。
自陣25ヤード地点から始まったボイジー州立大オフェンスの最初のプレーが、
なんと、インターセプト


そのままリターンタッチダウンされてしまい、
土壇場でオクラホマ大に逆転の勝ち越しを許してしまいました。


これだけでも「万事休す」と言えるところ。


しかし、ボイジー州立大は諦めません。
残り時間40秒、自陣22ヤード地点からのオフェンス。


いきなり36ヤードのパスを通して大きく前進するも、
サックを喰らって8ヤード後退。
この時点で、ちょうどフィールド中央、50ヤード地点。


「セカンドダウン残り18ヤード」でパス失敗。
サードダウンも同様。


フォースダウン残り18ヤード」となってしまい、残り時間もわずか。
いよいよ、万事休す。


しかし、次のプレー。


15ヤードのパスを受け取った選手がラテラルパスでつないで、
そのまま35ヤードを独走。


第4クォーター残り時間7秒、再び同点に追いついたのでした。
そして、オーバータイム突入。


・・・と、ここまででも、十分にドラマチックなのですが、
最後の最後に、まだドラマが待っています。


それは、偶然生まれたドラマではなく、自らの手で生み出すドラマで。


「先攻」のオクラホマ大は、いきなり最初のプレーで、
RBエイドリアン・ピーターソンが25ヤードタッチダウンラン。


この「復帰試合」、ピーターソンは20回77ヤードという結果に終わったのですが、
最後の最後に見せた、このタッチダウンには、十分なインパクトがありました。


それに対して、「後攻」のボイジー州立大は、苦労して苦労して、
「25ヤード」という距離に7プレーもかけ、
最後は、フォースダウンギャンブルの成功で、なんとかタッチダウンを奪う展開。


同点なら、このままオーバータイムが続くのですが、
恐らく、「このまま続けていては、結局いつか負ける」と思ったのでしょう。


いきなり、ツーポイントコンバージョンで決着をつけることを選択しました。


成功すれば勝ち、失敗すれば負け。


そして・・・見事に成功!


この「劇的」な試合を制したのは、ボイジー州立大となりました。


いや、もう、なんというか、「素晴らしい」という言葉につきますね。
これで、ボイジー州立大は、無敗のままシーズンを終え、
今シーズン最大のシンデレラチームのシンデレラストーリーが、見事に完結したのでした。


個人的には、「注目校」オクラホマ大が負けたことは、もちろん残念でしたが、
こんな試合を見せられては、何も言うことはないですよ。


おめでとうございます。


なお、これで、「注目校」は4勝2敗ですね。

  1st 2nd 3rd 4th  
ルイビル大Big East 0 10 0 14 24
ウェイクフォレスト大ACC 0 3 7 3 13



この試合は、順当な結果と言えるでしょう。


ウェイクフォレスト大にとっては、そもそも、
カンファレンス優勝を果たしたこと自体が驚きだったようですが、
やはり、地力に勝るルイビル大には及ばなかった、というところです。


なお、先ごろ、アトランタ・ファルコンズのヘッドコーチに就任が決まった、
ボビー・ペトリーノは、このルイビル大のヘッドコーチでした。


カレッジフットボールを追い始めたのは、NFLに入る前の選手を見ていきたいからですが、
こういう、ヘッドコーチの「NFL入り」に際しても、
「ああ、あのチームの」と思えるのが、嬉しいところですね。

  1st 2nd 3rd 4th  
ノートルダム大独立校 7 7 0 0 14
LSUSEC 14 7 13 7 41



「最注目校」ノートルダム大、惨敗。


全く「前評判どおり」の結果なのですが、
やはり、僕としては、残念なところです。


4大ボウル」の対戦カードが決まったときに書いていましたように、
ノートルダム大が出場できた大きな要因は、「視聴率が取れるから」ですが、
(評価的には、2・3校、「ノートルダム大より上」と言えるチームがありました)
こういう結果に終わってしまうと、批判も大きくなってしまいそうで、ますます残念な限り。


勝ってほしかったのはもちろんですが、「惨敗」ってのが痛いよなぁ・・・。


注目のQBブレイディ・クィンは、パス35回中15回成功148ヤード獲得、
タッチダウンインターセプトと、酷い結果に終わってしまいました。


NFLに入ったら、この悔しさを晴らしてもらいたいところですが、
その前に、ドラフトに向けて評価が落ちるかなぁ。


うーん、落ちるよなぁ・・・。


これで、「注目校」は4勝3敗。

  1st 2nd 3rd 4th  
西ミシガン大MAC 0 17 0 7 24
シンシナティ大Big East 14 10 0 3 27



レギュラーシーズン中に、ラトガース大に初めて土をつけたシンシナティ大が、
なんとかかんとか逃げ切った、という試合。


一時、「0対24」まで開きながら、同点に追いつかれていますから、
相当危なかったんですけどね。


もうちょっと楽に勝ってもらいたかったなぁ、という気はしますが、
まあとにかく、意地は見せました。

  1st 2nd 3rd 4th  
オハイオ大MAC 0 0 0 7 7
南ミシシッピ大C-USA 0 21 7 0 28



「中途半端感」の強かったこの試合を制したのは、南ミシシッピ大


特に書くことがないですが、「C-USA」カンファレンスとしては、
この結果は大きかったことになります。


詳しくは、後ほど。

  1st 2nd 3rd 4th  
フロリダ大SEC 14 20 0 7 41
オハイオ州立大Big Ten 7 7 0 0 14



そして、BCS全米選手権


終わってみれば、フロリダ大の圧勝。


前評判は、オハイオ州立大が圧倒的優位でしたから、
この結果は、大きな驚きをもって捉えられているところです。


僕としては、両校とも「注目校」ながら、
ミシガン大BCS全米選手権に出場すべきだった」という声が大きくなるにつれ、
だんだんフロリダ大に強く肩入れするようになっていっていましたので、
この結果は、本当に嬉しかったです。


世間の声を封殺する、これ以上の結果は無いですね。
うーん、スカッとしたなぁ。


フロリダ大の皆さん、「全米ナンバー1」、おめでとうございます!


そして、「注目校」の結果は、これで5勝4敗に。
もうちょっと良いと嬉しかったけど、「2敗」はしょうがないし、
まあまあ良かったかな、と思っておきます。


さて、では、昨シーズンもまとめていましたが、
各カンファレンスごとの、ボウルゲーム勝敗数をまとめてみましょう。


 SEC ・・・ 6勝3敗
 Big East ・・・ 5勝0敗
 ACC ・・・ 4勝4敗
 MWC ・・・ 3勝1敗
 WAC ・・・ 3勝1敗
 Pac-10 ・・・ 3勝3敗
 Big 12 ・・・ 3勝5敗
 Big Ten ・・・ 2勝5敗
 Sun Belt ・・・ 1勝1敗
 MAC ・・・ 1勝3敗
 C-USA ・・・ 1勝4敗
 独立校 ・・・ 0勝2敗


まずは、「SEC」カンファレンスが、出場校の多さも生かしながら、
なおかつ、全体的なレベルの高さで、6勝も挙げました。


昨シーズンの最高は「ACC」と「Big 12」の5勝だったので、素晴らしいところです。


そして、特筆すべきは、「Big East」カンファレンスの「5勝0敗」。
無敗です。


レギュラーシーズン中から、「上位3校が抜けているなぁ」と思ったのですが、
なんのなんの、全体的にレベルが高かったわけで。


「抜けている」3校も、カンファレンス内で強かっただけではなく、
他のカンファレンスの上位校と比べても強かったわけですから、
これはもう、素晴らしい結果というしかないですね。


Big East」カンファレンスの昨シーズンのボウルゲーム成績は「1勝3敗」でしたから、
大きな躍進を遂げた、そんなシーズンとなりました。


続いては、「ACC」カンファレンスの4勝。


今シーズンの「ACC」カンファレンスは、全体的にレベルが低いと言われ、
低い成績なのにボウルゲームには多く出場している・・・と思われていたところですが、
なんとか半分で勝利を収め、面目を保った形ですね。


MWC」カンファレンスと「WAC」カンファレンスは、どちらも「3勝1敗」ですが、
今シーズン大きな躍進をしてレベルの高さを証明した、と言えるのは、
WAC」カンファレンスの方ではないでしょうか。


もちろん、その「筆頭」は、ボイジー州立大です。


MWC」カンファレンスも、BYUを筆頭に良いシーズンとなりましたね。


Pac-10」カンファレンスの「3勝3敗」は、可もなく不可もなく。


Big 12」カンファレンスと「Big Ten」カンファレンスは、
多くの出場校を出しながら、負け越しで、今シーズンのレベルを疑われる結果に。


Big 12」カンファレンス優勝校のオクラホマ大ボイジー州立大に敗れたことや、
Big Ten」カンファレンス優勝校のオハイオ州立大フロリダ大に惨敗し、
更に、2位のミシガン大USCに惨敗したことは、その象徴的な出来事ですね。


昨シーズン0勝だった「Sun Belt」カンファレンス大は、
優勝校のトロイ大が頑張って1勝しました。


MAC」カンファレンスも、優勝校の中央ミシガン大の勝利のみ。


一方、「C-USA」カンファレンスは、優勝校のヒューストン大が敗戦。
このまま未勝利で終わるか・・・と思われた、ボウルゲーム最終日前日の試合で、
南ミシシッピ大が勝利。


なんとか1勝を挙げました。


C-USA」カンファレンスは、昨シーズン、ボウルゲームで「3勝3敗」したりして、
「今、最も勢いを増しているカンファレンス」ということを書いていたのですが、
どうも今シーズンは、それが一気に失速してしまったような感じですね。


独立校」が唯一の未勝利。


・・・といっても、これはカンファレンスでは無いので、
たまたま独立校の2校が共に負けた、というだけと捉えれば良いでしょう。


さて、では最後に、最終的な「AP通信」ランキングを掲載します。


ちなみに、「BCSランキング」は、
BCS全米選手権(+4大ボウル)出場チーム」を決めるための仕組みなので、
レギュラーシーズン終了後のものが「最終」です。


 1位 フロリダ大SEC) 勝 <注目>
 2位 オハイオ州立大Big Ten) 敗 <注目>
 3位 LSUSEC) 勝
 4位 USCPac-10) 勝 <注目>
 5位 ボイジー州立大WAC) 勝 <非>
 6位 ルイビル大Big East) 勝
 7位 ウィスコンシン大Big Ten) 勝
 8位 ミシガン大Big Ten) 敗
 9位 オーバーン大SEC) 勝
 10位 西バージニア大Big East) 勝 <注目>
 11位 オクラホマ大Big 12) 敗 <注目>
 12位 ラトガース大Big East) 勝
 13位 テキサス大Big 12) 勝
 14位 カリフォルニア大Pac-10) 勝
 15位 アーカンソー大SEC) 敗
 16位 BYUMWC) 勝 <非>
 17位 ノートルダム大独立校) 敗 <注目>
 18位 ウェイクフォレスト大ACC) 敗
 19位 バージニア工科大ACC) 敗
 20位 ボストンカレッジACC) 勝
 21位 オレゴン州立大Pac-10) 勝
 22位 TCUMWC) 勝
 23位 ジョージア大SEC) 勝
 24位 ペン州立大Big Ten) 勝
 25位 テネシー大SEC) 敗


BCSランキングとのつながりが無いので、「前回比」は記しませんでしたが、
一応、ボウルゲームでの勝敗を記しておきましたので、
順位が上がったか下がったかは、想像できると思います。


1位は、もちろん、フロリダ大


2位は、BCS全米選手権で敗れたとはいえ、レギュラーシーズン無敗だったオハイオ州立大


3位がLSUというのは、個人的にはちょっと意外。
ノートルダム大に圧勝しましたが、そのノートルダム大は、
レギュラーシーズン中にミシガン大に敗れていますから、
そのミシガン大に圧勝したUSCLSUを比べたら、USCの方が上かなぁ、と思うんですけども。


そのUSCが4位。


そして、5位には、ボイジー州立大
結局、今シーズン唯一の「無敗チーム」ということになりました。


そのことをもって、「全米ナンバー1はこのチームだ」と言われる方もいるようですが、
それはちょっとナンセンスだなぁ、と思います。


もちろん、5位でも、十分に素晴らしい成績です。


以下、気になるところを見ていくと、まず、ミシガン大が8位。
最後の負け方が悪かったので、一気に降下してしまいましたね。


「注目校」の西バージニア大オクラホマ大が、10位・11位。
まあ、妥当なところか。


オクラホマ大は、もうちょっと下でもおかしくないと思えますが、
ここは、ボイジー州立大の評価の高さに助けられたかな?


「非BCSカンファレンス」・・・という表現は、
この「AP通信」ランキングで使用するのは、ちょっとおかしいですが、
まあ、「弱小カンファレンス」と読み替えていただいて、
そのBYUが16位に入っているのは、素晴らしいところです。
ボイジー州立大の影に隠れてしまいますが)


ノートルダム大は17位。
まあ、仕方が無いでしょう。


以上、ボウルゲームの結果と感想、そして、最終ランキングでした。


さあ、いよいよ、ここから「カレッジの話題」と言えば、
ドラフト候補選手の話題になっていきますね。


今シーズンは、各出身校と絡めながら見ていけるといいなぁ。