「強さ」の種類



うわっ、アリゾナ・カーディナルズQBマット・ライナートも、
「怪我での交代」だったのか・・・。


昨日、「ライナートは再登場してこなかった」と書いていましたが、見落としていまして、
正確には、戻ってきて2プレー目で怪我をして退場していたのでした。


・・・うーん、ホント、どういうシーズンなんだ・・・。


さて、NFL第5週、現地日曜夕方以降に開催された試合(+1試合)の感想を。


まずは、タンパベイ・バッカニアーズインディアナポリス・コルツの試合。


SSボブ・サンダースRBジョセフ・アッダイCB T・J・ラッシング
LBフレディ・キーアホーWRアーロン・ムーアヘッドTEベン・ユーテク
WRマーヴィン・ハリソンDTダン・クレッコ


・・・この試合で活躍した選手の名前、ではありませんよ。


この試合で、「アクティブでなかった」=「最初から試合に出る予定のなかった」、
コルツ選手の名前です。


これだけ主力選手に怪我人を抱えているというのは、
この試合のみならず、今後のことを考えても非常に辛いところだと思いますが、
それは置いておいても、とにもかくにも、好調のバッカニアーズと、
「飛車角落ち」と言っても良いメンバーで戦わなければならなかったわけです。


そして、結果は「14対33」。


・・・まあ、なんですか。


言ってみれば、「飛車」(アッダイ)も「角」(ハリソン)もいなくたって、
「王」(QBペイトン・マニング)さえいれば何も問題ない、ってことですかね。


恐ろしいなぁ。


先週も書きましたように、今シーズンのマニングは、
特に「短いパス」を重要視している節があると思うのですが、
この試合でも、そういうところが生きていたのではないでしょうか。


思うに、「短いパス」よりも「長いパス」の方が、
レシーバーの能力やレシーバーとのコンビネーションなどに、
高いレベルのものを求められるのではないかと。


で、もし、「長いパス」が武器だと、ハリソンがいなくなるのは大きな痛手なのですが、
「短いパス」が武器ならば、それなりになんとかなったりするのでしょう。


・・・「それなり」で大勝してしまうのが、恐ろしいところなのですが。


と、オフェンスは「いつもどおり、マニングは凄いなぁ」で良いと思いますが、
この試合は、コルツディフェンス陣も頑張りましたね。


オフェンスに比べ、何かと不安視されることの多いコルツディフェンス陣ですが、
スターター選手、特にサンダースを欠きながら、
好調バッカニアーズオフェンスに14得点しか許さなかったのは、
十分すぎるほど、素晴らしいことだったのではないかと思います。


ホント、強いですね、コルツ。


なんか、今のコルツには、
3・4年前(スーパーボウル連覇時)のニューイングランド・ペイトリオッツと、
同じような種類の「強さ」を感じるような気がします。


で、逆に、今のペイトリオッツの「強さ」は、
当時(もしくは一昨年)のコルツと同じような種類かな、とも思わないでもなく。


・・・とすると、レギュラーシーズンで圧倒的に強いのはペイトリオッツだとしても、
プレーオフでは結局コルツが勝つ・・・とか、そんなところまで似てきたりして・・・?


さて次は、サンディエゴ・チャージャーズデンバー・ブロンコスの試合。


複雑な気分です。


いや、確かに試合前に「どちらが負けても、複雑な気分になりそう」と書いていましたが、
ここまで複雑な気分になるとは思ってませんでした。


「41対3」。


チャージャーズを応援する者としての気持ち。


「よーし、これで勢いに乗っていけるぞー。
 ノーヴ・ターナーヘッドコーチ、批判に負けずに頑張れー!」。


ブロンコスを応援する者としての気持ち。


「・・・何・・・?」。


・・・まあ、とにかく、一方でスカッとして、一方でスカッとしない、
なんとも微妙な試合でした。


ちなみに、この試合、チャージャーズのQBフィリップ・リバーズは、
パス18回中13回成功270ヤード獲得2タッチダウンという成績でしたが、
内訳は、TEアントニオ・ゲイツ7回、WRヴィンセント・ジャクソン3回、
そして、RBラデイニアン・トムリンソン3回でした。


それなりの回数成功しているのに、3人にしかパスを通していない、ってのも、
何か、珍しい感じがしますね。


しかも、そのうちワイドレシーバー選手は1人だけだし。


「投げ分けが少ない」というのは、あんまり良いことのようには思えないですが、
今のリバーズには、この方がリズムが出たりするのかな。


余談ながら、この日、アメリカ中北部は、季節外れの記録的な暑さだったそうですが、
暖かいところから来たチャージャーズが、
寒いのに慣れているブロンコスに大勝したのは、
実は、そんなところが影響していたりするんじゃないか・・・?


・・・とか、ちょっと思ったりしたのですが、
公式サイトの「GameBook」を見ると、「摂氏12.2度」って書いてありますね。


さすがに高地のデンバーは違ったか。


次は、ボルチモア・レイヴンズサンフランシスコ・49ersの試合。


タッチダウンを1回も取れなかったチームが、タッチダウンを取ったチームに勝ちました。


・・・なんというか、パッとしない試合だったなぁ。


そして、試合残り時間3分弱、
49ersKジョー・ネドニーが52ヤードフィールドゴールに成功するかしないか、
・・・と、そこに結果が集約される試合でもありました。


失敗したので、レイヴンズの勝ち。


さて、サンデーナイトゲームは、シカゴ・ベアーズグリーンベイ・パッカーズ


パッカーズの敗因は2つに集約されるでしょう。


1つ目は、WRジェイムズ・ジョーンズの2回のファンブル


他にもターンオーバーはありましたが、勢いのあった第1クォーターに、
良いパスが決まった直後のファンブル
しかも、2回も続けて。


大げさではなく、これで10得点程度は損したと思います。


そして2つ目は、ペナルティ。


第2クォーター、フィールドゴールで済んだものが、
反則でファーストダウンとなって、その後タッチダウン・・・ということがあったり、
後半だけで、8回64ヤードものペナルティがあったり。


とにかく、この試合のパッカーズには、「自滅」という言葉がピッタリ当てはまります。


あまりにも勿体無い負け方でした。


さて最後に、NHKBS1で放送していた、
シアトル・シーホークスピッツバーグ・スティーラーズの試合について。


いや、やっぱり、スティーラーズQBベン・ロスリスバーガーは悪くないですよ。
ていうか、かなり良いじゃないですか。


・・・なんで、映像で見ると、「Play-By-Play」よりも良いイメージになるんだろう・・・?


まあ、「迫り来る相手ディフェンスからの逃げ方」とか、
文字だけでは分からないところですし、そういうところなんだろうなぁ。
(あとは、たまたま映像で見る試合が、「良い試合」ばかりなのか)


特に、後半のスティーラーズオフェンスは良かったですね。


反則が多発したのは良くなかったですが、
「止まりそうなのに止まらない」で、時間をズルズルと使いながら、
最終的にタッチダウンまでもっていく、というのは、
相手ディフェンスにとっては、1番嫌な攻められ方でしょう。


こういう攻め方が今NFLで最も得意なのは、コルツだと思うのですが、
この試合のスティーラーズは、それに匹敵するものだったのではないでしょうか。


ところで、第3クォーター、スティーラーズRBウィリー・パーカーの、
ボールを持っていない方の手でパイロンに触ってタッチダウンしたプレーが、
チャレンジによって、タッチダウン無効となりましたが、
あれって、ダメなんでしたっけ?


以前に、「体の一部がゴールライン上を通っていればOK」ということを聞いて、
「へぇー」と思った覚えがあったのですが。


アメフトにも「死に体」の概念がある、ってことなのか・・・?
サイドラインは踏んでないけど、体は完全に外に向かっているからダメ、とか)


謎がちょっと増えました。


以上、第5週現地日曜の試合の感想でした。