踏み絵



NFL第6週の試合の感想。


・・・は、ちょっと、タイミングを外してしまった感があるので、
軽く、2点だけ。


まず、「今週の怪我人スタータークォーターバック」のコーナー。


・・・毎週、書くことがあるなんて、ホント、今シーズンはおかしいのですが・・・。


アリゾナ・カーディナルズのQBカート・ウォーナーが、
カロライナ・パンサーズ戦の第1クォーター途中に、サックを受けて負傷。


ああ、ウォーナーまでもか・・・。


カーディナルズは、先週のQBマット・ライナートに続き、
立て続けにクォーターバックを怪我で失ってしまいました。


「立て続けに」と言えば、対戦相手のパンサーズもそうで、
QBジェイク・デロームに続いて、QBデイヴィッド・カーも怪我をしており、
それでも、この試合は出てくるんじゃないかと言われていた中、
出てきたのは、先週契約したばかりの大ベテランQBヴィニー・テスタヴァーディ


そして、ウォーナーが負傷したために、代わりに出てきたのは、
こちらも、先週契約したばかりのQBティム・ラテイ


・・・世の中、一寸先は、何が起こるか分からないものです。


そして、テスタヴァーディは、21年連続タッチダウンパス成功という大記録と、
最高齢勝利スタータークォーターバックの記録を樹立。
(ちなみに、来月13日が44歳の誕生日)


お見事でした。


昨シーズン、ニューイングランド・ペイトリオッツで「20年連続」を達成したときにも、
よく奇跡的に続いたものだなぁ、と思ったものですが、
ここまで来ると、実力だけでは到達できない、
何か、神懸ったものを感じますねぇ。


それにしても、カーディナルズは、ウォーナーに対して、
無茶苦茶期待が高まり始めた矢先だったので、非常に残念なところ。


ただ、重傷というわけではなく、早期復帰の可能性もあるようなので、
なんとか、カムバックしてきて、また活躍してもらいたいものです。


クォーターバックの怪我については、あと1人いるのですが、
ここでは触れないでおきます。


さて、もう1点は、NHKBS1で放送していたマンデーナイトゲーム
ニューヨーク・ジャイアンツアトランタ・ファルコンズの試合について。


なんか、あれですね。
この試合って、「踏み絵」になりますね。


普段から、ファルコンズのQBジョーイ・ハリントンが「ダメ」だと思っている人は、
この試合を見て、「やっぱりダメだ」と思うんでしょうし、
逆に、ハリントンに結構いいところがあると思っている人は、
「やっぱり、いいところはあるのに・・・」と思うのではないでしょうか。


もちろん、僕は後者ですけども。


あと、この試合は、映像で見るか、結果とスタッツから見るかでも、
印象は変わってきそうな気がします。


僕は、映像で見ていて、
「こんなにランが出なくて、オフェンスラインがスカスカで、パスも落とされまくったら、
 誰がクォーターバックでも勝てるわけないだろ!」
・・・とか、思っちゃったりも・・・。


特に、プレシーズンから、何度も何度も書いていますが、
RBウォリック・ダンのランが出ないことが、
今シーズンのファルコンズオフェンス不振の「最大の要因」だというのは、
やはり、この試合を見ていても感じたところです。
(「過去の実績」から判断されているのか、なぜかダンへの批判はあまり聞かれないんだけども)


ただ、ハリントンの悪いところ(のうちの1つ)は、よく分かりました。


以前から感じていたことではありますが、
ハリントンは、オーディブルでプレーを変えることが苦手なんですよね。


変えようとすると、どうしても時間いっぱいギリギリになってしまって、
バタバタしたまま、結局プレーが上手くいかない、ということがしばしば。


これは、相手ディフェンスがどういう意図なのかを見極めるのに、
少々時間がかかりすぎている、ということなのでしょう。


大雑把に言えば、例えばインディアナポリス・コルツのQBペイトン・マニングなら、
プレー変更の伝達を終えるのが、プレークロック「残り3秒」のあたりだとすると、
ハリントンは「残り1秒」というような。


ここでの「2秒の差」は、致命的な差です。


で、これは想像なんですけども、
オーディブルをすると、あまりにもバタバタしてしまうので、
今は、コーチから、控えるように言われているのではないでしょうか。
(あるいは禁じられているのかも)


考えすぎないで、気持ちよくプレーをさせることが先決、と。


・・・で、だから、この試合では、プレー前にバタバタするところは見受けられませんでした。


ただ、その結果、フリーで一直線にディフェンス選手に入ってこられて、
サックを喰らってしまったりしていたのでしょう。


これが、マニング(あ、ジャイアンツのではなく、コルツのです)あたりだと、
ちゃんとオーディブルで、オフェンスラインの穴を埋めるように指示したり、
スクリーンパスに変更したりして、サックを避けることが出来るんでしょうね。


サックは、オフェンスラインの責任が大きいですが、
それでもやっぱり、「クォーターバックの能力」で避けることが可能、ということです。


そういう意味では、ハリントンは確かに「ダメ」ですけども。


・・・うーん、なんだなぁ。


ふと思ってしまったのは、今週ちょっと痛めてしまった足のせいで、
ハリントン、1試合休んだりしないかなぁ・・・ということで。
(普通は、怪我は酷くない方が良いんだけども)


で、代わりにQBバイロン・レフトウィッチが出場して。


もちろん、それでレフトウィッチが結果を出したら、
ハリントンの「休み」は、1試合じゃなくて「ずっと」になってしまいますが、
まあ、そうなったら仕方がありません。


ハリントンは結果を残せていなかったんだし、レフトウィッチで結果が出るのなら、
「問題点はクォーターバックだった」と明らかになるだけのことです。


ただ、問題点がクォーターバック以外にあるのに、
クォーターバックが問題」と思われてしまっているのであれば、
あまりにムダな話なので、ここらではっきりさせた方がいいんじゃないかなぁ、と。


僕としても、あまりに「ハリントン擁護」に偏りすぎている自覚はあるので、
ホントのところはどうなのか、はっきりさせておきたい気持ちもあったり・・・。


・・・まあ、そういう考え方は、明らかに「邪道」ですけどもね。


自ら結果を出して、批判を封殺していくことこそが「正道」。
そうなれば、1番良いんですけどねぇ。


茨の道だなぁ・・・。


・・・と、本日は、こんなところで。