ガックリ



NFL第12週の試合の感想を。


まず、昨日書けなかった、日曜日の試合について、
「ガックリ」した試合を中心に。(何故に?)


この日の試合で、とにかく、「ガックリ感」が大きかったのは、
デンバー・ブロンコスシカゴ・ベアーズの試合と、
サンフランシスコ・49ersアリゾナ・カーディナルズの試合でしょうねぇ。
(もちろん、ブロンコスカーディナルズを応援している者として)


どちらの試合も、ほとんど勝利を確信していた中での、
オーバータイム「大どんでん返し」でした。


まず、ブロンコスについては、14点リードの第4クォーター残り時間9分強、
ベアーズQBレックス・グロスマンサックをしてファンブルターンオーバーとなったとき。


あ、これなら勝ったかな、と。


しかし、次のブロンコスオフェンスがすぐにパントに追い込まれると、
ここで、パントをブロックされてしまいます。


これが、結果としては、大きな「敗因」となるのでしょうが、
実は、このパント、1度は、敵陣10ヤード地点に落とすという良いパントを蹴ったのに、
それが、反則で無効になって、蹴りなおしたというものだったんですよね。


何とも勿体無い。


この試合、決して、ブロンコスは反則が多かったわけではないのですが、
つまらない反則が、試合の行方を大きく左右する結果となってしまいました。


結局、この後、2タッチダウンを決められて同点に追いつかれ、
オーバータイムでの敗戦となっております。


そして、カーディナルズについては、もっと酷い「ガックリ感」。


3点差を追いかける第4クォーター終盤、
残り時間は1分強しかありませんでしたが、
QBカート・ウォーナーのパスがポンポンと決まっていき、
残り時間18秒、敵陣31ヤード地点から投げたパスが、見事にタッチダウン
・・・かと思ったら、ギリギリのところでタッチダウンとなっておらず。(惜しい!)


残り時間6秒、敵陣1ヤード地点からもう1プレーするも、これは決まらず。
残り時間2秒、フィールドゴール成功で、オーバータイム突入となりました。


そして、オーバータイムに入っても、ウォーナーは好調をキープしていますが、
最初のシリーズは、敵陣44ヤード地点で、惜しくもパントに追い込まれました。


ここで、2つのミスが発生します。


まず、フォルススタートの反則で5ヤード罰退。
そして、Pマイク・バーのパントが、たったの17ヤードしか飛ばないという失態。


これにより、せっかく敵陣まで攻め込んだ後なのに、
49ersのオフェンスは、自陣32ヤードという良い位置からオフェンスを開始することになります。


結局、すぐにオフェンスは止められてしまうのですが、
パントはカーディナルズ陣16ヤード地点まで飛び、
しかも、その際に反則があって8ヤード(ハーフディスタンス)罰退。


敵陣44ヤード地点まで攻め込んで、直後、相手のオフェンスを3プレーで終わらせたのに、
次の自分たちのオフェンスが自陣8ヤード地点から始まるなんて、
ある意味、前代未聞なんじゃないでしょうかねぇ。(相手のパントリターンなしで)


その全ての元凶が、スペシャルチームのミス(×3)。


恐ろしいですね。


しかし、ウォーナーは相変わらずの好調さ。
ポンポンとパスを通して、あっという間に、敵陣9ヤード地点まで攻め込みます。


これなら、もう、勝ったも同然。


まだセカンドダウンで、時間もたっぷりありましたが、ケン・ワイゼンハントヘッドコーチは、
フィールドゴールで試合を終わらせることを選択しました。


ところが、ここでまた、スペシャルチームのミス。


まず、ディレイオブゲームの反則で5ヤード罰退。
そして、Kニール・ラッカーズが32ヤードフィールドゴールを、まさかの失敗。


・・・マジかよ・・・。


とはいえ、まだ終わったわけではなく、
直後の49ersオフェンスは、自陣39ヤード地点でパントに追い込むことが出来たのですが、
カーディナルズ側とは反対に、こちらのパンターPアンディ・リー)は、
素晴らしいパントを、敵陣奥深くに蹴りこみます。


そして、またも、スペシャルチームのミス。
リターン中の反則で、オフェンスは、自陣3ヤード地点から始まることに。


そして、直後のプレー。
ウォーナーエンドゾーン内でサックを喰らって、万事休す。


・・・何、これ・・・。


カーディナルズは、素晴らしいオフェンス(ウォーナーは484ヤード獲得)を展開し、
ディフェンスも、最後に踏ん張りを見せながら、
スペシャルチームの度重なるミスで、勝てる試合を落としたことになります。


とにかく、先ほどのブロンコスのケースといい、
スペシャルチームの大事さが、非常によく分かる2試合でした。


・・・ああ・・・、ガックリ・・・。


さて、この週に怪我で途中退場したスタータークォーターバックは2人。
(そういう選手がいるのが普通になっているという異常事態)


まず、「GAORA」で放送していた、
ワシントン・レッドスキンズタンパベイ・バッカニアーズの試合で、
バッカニアーズQBジェフ・ガルシアが、試合開始早々に怪我で交代。


ただ、「大事を取って」という意味合いが強かったようで、
第4クォーター、追いつかれそうになった段階で、試合に復帰しています。


もう1人は、セントルイス・ラムズのQBマーク・バルジャー
シアトル・シーホークス戦の第1クォーター中盤に、脳震盪で試合を退いています。


この試合は、とにかく目まぐるしい試合で、
このバルジャーが退場することになる直前には、
セイフティパントキックオフ→タッチダウンラン→キックオフリターンタッチダウン」と、
たった4プレーで「0対0」が「7対9」になっていたりしました。


そして、前半を「7対19」のラムズリードで折り返したのに、
第4クォーター中盤に、きっちりと「24対19」と逆転される展開。


それでも、残り時間30秒、ラムズは敵陣1ヤード地点まで攻め込むのですが、
最後は、バルジャーに代わって入ったラムズQBガス・ファーロットファンブルで終了。


正直、バルジャーじゃなくなった時点で、
僕のラムズに対する応援度はググッと下がってしまっていましたが、
あそこまでいったら、勝ってもらいたかったなぁ。


そういえば、前述のレッドスキンズバッカニアーズの試合も、
レッドスキンズが6点差を追いかける試合終盤に、
敵陣16ヤード地点でQBジェイソン・キャンベルインターセプトを喰らって負けていました。


・・・今週は、こういう試合が多くて、辛すぎます・・・。


ああ、似たような感じでガックリしたのが、もう1試合ありました。


それは、オークランド・レイダーズカンザスシティ・チーフスの試合。


3点差を追いかける残り時間約4分半、
チーフスは、敵陣23ヤード地点で「フォースダウン残り1ヤード」となります。


普通、ここではフィールドゴールを狙うところなのでしょうが、
ハーマン・エドワーズヘッドコーチは、なんと、ギャンブルを選択。


これが失敗して、結局、そのまま負けることとなってしまいました。


「何やってんだー!」・・・と、そのときは思いましたが、
実は、第4クォーター序盤に、その伏線がありました。


そのときは、敵陣15ヤード地点まで攻め込んだのに、
Kデイヴ・レイナーが、33ヤードフィールドゴールを失敗していたんですよね。


それで、こんな位置ではフィールドゴールに挑戦させられない、と判断したのでしょう。


まあ、「伏線」は、実はそのときではなく、既に先週、
インディアナポリス・コルツ戦で3本中2本のフィールドゴールに失敗していた時点で、
発生していたのかもしれません。


これで今シーズンは、22本中7本のフィールドゴールに失敗。
約3分の1の確率で失敗するのは、ちょっと悪すぎます。


そして、これでどうやら、レイナーは解雇となり、
後任には、Kビリー・カンディフKニック・ノヴァクなどの名前が挙がっているようです。


ああ、それは、ちょっと楽しみかも。


・・・と思っていたら、先日ジャクソンビル・ジャガーズを解雇されたKジョン・カーニーと、
契約合意したというニュースが。


うーん、そっちかぁ・・・。


では最後に、マンデーナイトゲームNHKBS1で放送していた、
マイアミ・ドルフィンズピッツバーグ・スティーラーズの試合について。


この試合は、まあ、試合内容自体に「ガックリ」でしたけども、
NHKの担当者は、「3時間枠じゃなくて良かった・・・」と思っているに違いない)
何より残念だったのは、ドルフィンズRBリッキー・ウィリアムズの負傷退場。


復帰戦の割には、かなり良い動きをしているように見えたので、
「おおっ、やるじゃん!」と、ワクワクし始めていた矢先だったんですよね。


この試合の展開なら、ウィリアムズがいたら、ドルフィンズが勝っていたんじゃないか・・・?


・・・と、スティーラーズを応援して見ていたにも関わらず、
ちょっと、残念な気分になりました。


どうか、怪我が酷くありませんように。
来週からの活躍に期待したいと思います。


ちなみに、僕はもちろん、ウィリアムズと話をしたことなんてありませんが、
代理人の「変わった人間だと思われがちだが、実は良い奴」というウィリアムズ評には、
強く、賛同をしておきたいところです。(昔のことは置いておいて、今は)


いや、ホント、この日記でも、たびたび書いていましたが、
昨年・一昨年あたりの言動を追いかけていたら、そう思いますよ。


頑張ってもらいたいなぁ。


さて、ウィリアムズのことは置いておいても、
ドルフィンズは、「勝てる試合を落とした」という印象があります。


解説で言われていましたが、この試合、
ドルフィンズは、自陣奥深くからオフェンスを始めることが多かったのに対し、
スティーラーズは、ほとんど良い位置から開始できていました。


それには、もちろん、ドルフィンズオフェンスの進まなさも影響していますが、
その進まなさがゆえに、作戦ミスを犯してしまったように思うのです。


ドライブチャートを見ると分かるのですが、
この試合、ドルフィンズが敵陣に攻め入ったのは、たったの2回しかないんですよね。


後半最初のドライブと、第4クォーター最初のドライブ


そして、そのいずれもが、フォースダウンギャンブルで、
QBジョン・ベックサックを喰らって、終了となっています。


確かに、敵陣31ヤード地点と敵陣25ヤード地点という、
この日のコンディションでは、フィールドゴールが狙えない微妙な位置ではありましたが、
ファーストダウン獲得までは15ヤード・11ヤードと、いずれも長距離を残した場面でした。


あまりにオフェンスが進まないがために、
「2度とチャンスは訪れないかも」という思いでギャンブルを強行したのでしょうが、
これは、あまりにも無謀だったのではないでしょうか。


先ほど、「ドルフィンズオフェンスの進まなさ」と書きましたが、
そもそも、この試合でオフェンスが進まないのは、お互い様。


ここで、もし、上手いパントを蹴れていれば、
(この日のコンディションなら、逆に、上手い位置に落としやすそうでしたね)
スティーラーズオフェンスを、奥深くから開始させることが出来ていたわけで、
この日のスティーラーズオフェンスの進み具合を思えば、
次のドルフィンズオフェンスは、良い位置から開始できることになったはずです。


この日、ドルフィンズ側は6回、スティーラーズ側は5回パントを蹴っていましたが、
ドルフィンズ側は全て自陣からのパントだったのに対し、
スティーラーズ側は5回中4回が敵陣に入ってからのパントでした。


「アメフトは陣取り合戦」。


NFLにおいては「死語」とも言えそうですが、
この試合に関しては、この言葉を思い出すべきだったのかもしれませんね。


それにしても。


あまり目立たなかったですが、スティーラーズQBベン・ロスリスバーガーのパスは、
相変わらずの好調さですねぇ。


この悪天候の中、パス21回中18回成功というのは、とんでもない高成功率です。


ボールを持ちすぎてサックをされる場面が目立つことは確かですが、
「ランより確実」に前に進められると思うと、
それだけ頑張ってしまうのも、致し方ないというところでしょう。


問題は、ロスリスバーガーではなく、ちょっと不甲斐ないランニングバック陣。


これだけの悪コンディションだったら、
喜んでランでゴリゴリ進めることが出来るのが、
スティーラーズオフェンスのあるべき姿なんだろうになぁ。


ホント、今シーズンのスティーラーズは、ランニングバック陣がもっと奮起しないと。


このままでは、地元でプレーオフを戦えることになっても、
「悪コンディションのせいで」負けてしまったりしそうです。


以上、第12週の試合の感想でした。


最後に。


レッドスキンズFSショーン・テイラーが、銃撃により亡くなられました。
謹んでご冥福をお祈りします。