解禁後2週間の状況の比較



さて、フリーエージェント解禁から2週間が過ぎました。


この1週間にあった最大のニュースといえば、
アトランタ・ファルコンズQBジョーイ・ハリントンの契約ですが、
そろそろ皆さん、お祝いは終わった頃でしょうか。


・・・うん、それも無い。


正直、ハリントンの契約は、祝えない部分もあるんですけども。
(給料カットなだけだし、多分ドラフトでもクォーターバックを指名するだろうし)


まあ、チャンスをもらえたことに違いはないので、頑張ってもらいましょう。


では、本題。
フリーエージェント解禁後2週間の状況」。


「解禁後1週間」の時点と比べてどうなったのか。
また、昨年と比べてどうなのか。


そんなところを見ていきましょう。


まず、ポジションごとの契約状況を。

  未決定 残留 移籍 決定率
クォーターバック 14 4 4 22 36.4%
ランニングバック 26 4 11 41 36.6%
ワイドレシーバー 23 5 9 37 37.8%
タイトエンド 20 6 7 33 39.4%
オフェンスライン 49 7 10 66 25.8%
ディフェンスライン 42 6 15 63 33.3%
ラインバッカー 32 8 18 58 44.8%
ディフェンスバック 68 8 17 93 26.9%
スペシャルチーム 10 2 2 14 28.6%
284 50 93 427 33.5%



先週時点では、決定率「23.7%」(101件)でしたので、
約1.5倍になった、というところですね。


・・・というのは、実は、ほとんど昨年と同じ文面だったりするのですが。


昨年は、こんなことを書いておりました。


>先週時点では、決定率「22.5%」(101件)でしたので、
>約1.5倍になった、というところですね。

>昨年は、「解禁後2週間」ではデータを取っていなかったので、
>「31.9%」が昨年と比べてどうなのかは分からないのですが、
>昨年の「解禁後1週間」が「27.0%」だったことを考えると、
>やはり、今年は契約の決定が遅々として進んでいないと言えそうです。


「解禁後1週間」の合計件数が、昨年も今年も「101件」。
「解禁後2週間」の合計件数が、昨年も今年も「143件」。


あまりにも一致しすぎていて、なんか怖いです。


まあ、「ピッタリ」なのは単なる偶然としても、
これくらいのペースが普通の状況、ということなんでしょうね。


というわけで、「今年は契約の決定が遅々として進んでいない」のではなく、
一昨年が、解禁が8日遅れだった影響で進みが早かった・・・というのが正解なのかな。


さて、件数は昨年とピッタリ一致していますが、
「解禁後1週間」のときと同様、その内訳は異なっています。


昨年は「残留65件・移籍78件」だったのに対し、
今年は「残留50件・移籍93件」。


やはり今年は、「移籍傾向」であることに変わりがないようです。


しかも、昨年のこの時期(1週間後〜2週間後)は移籍が結構増えた時期だったのですが、
この時期だけ見ても、昨年より移籍件数が多かったりしますから。


うーん、データが少ないから、はっきりしたことは言えないのですが、
やっぱり、今年は特殊な状況にあるような気がするなぁ。


ポジション別で見ても、「残留」が「移籍」より多いポジションは1つも無くなりました。
クォーターバック選手とスペシャルチーム選手は同数ながら)


ちなみに、クォーターバック選手で「増えた1件」は、
ワシントン・レッドスキンズからニューオリンズ・セインツへ移籍するQBマーク・ブルネル
スペシャルチーム選手で「増えた1件」は、
サンディエゴ・チャージャーズからマイアミ・ドルフィンズへ移籍するKデイヴ・レイナーです。


さすがに、今後は残留も増えていくと思われるのですが、
最初にこういう動きがあったことは、覚えておきたいですね。


ややラインバッカー選手の契約の進みが早く、
逆にオフェンスライン選手の契約の進みが遅いのは、
まあ、「解禁後1週間」と状況に変わりがありませんので、
ポジション別で見るところは、そんなところでしょうか。


あ、そうそう、昨年のものを読み返してみたら、
この時期に、ワイドレシーバー選手の移籍が目立つようになっていたのですが、
1番力を入れてワイドレシーバー選手を獲得しているのがニューイングランド・ペイトリオッツ
・・・というようなことを書いていました。


その結果が、あの強力なパスオフェンスだったわけですから、
今年も、この時期の動きに注目しておくと面白いかもしれません。


今年は、ワイドレシーバー選手ではそんなに偏っていないので、他のポジションを見てみると、
タンパベイ・バッカニアーズが、ラインバッカー選手を3人獲得しているのが、
ちょっと目立っているところでした。


バッカニアーズは、他にも、タイトエンド選手を2人獲得とか、
ディフェンスライン選手を2人獲得とか、
獲得ポジションに他のチームよりも偏りが見られるので、
「獲得に力を入れるポイント」がはっきりしているチームなのでしょう。


昨年のペイトリオッツ同様、注目しておくべきかもしれませんね。


では次に、「旧所属チーム」ごとの契約状況を見てみます。

  未決定 残留 移籍 決定率
アトランタ・ファルコンズ 8 2 2 12 33.3%
アリゾナ・カーディナルズ 20 1 3 24 16.7%
インディアナポリス・コルツ 10 0 1 11 9.1%
オークランド・レイダーズ 7 1 4 12 41.7%
カロライナ・パンサーズ 11 1 4 16 31.3%
カンザスシティ・チーフス 8 0 3 11 27.3%
クリーブランド・ブラウンズ 11 4 2 17 35.3%
グリーンベイ・パッカーズ 8 0 2 10 20.0%
サンディエゴ・チャージャーズ 6 1 3 10 40.0%
サンフランシスコ・49ers 6 0 4 10 40.0%
シアトル・シーホークス 11 0 4 15 26.7%
シカゴ・ベアーズ 4 1 4 9 55.6%
ジャクソンビル・ジャガーズ 10 1 4 15 33.3%
シンシナティ・ベンガルズ 9 2 4 15 40.0%
セントルイス・ラムズ 11 3 0 14 21.4%
ダラス・カウボーイズ 9 0 3 12 25.0%
タンパベイ・バッカニアーズ 8 2 2 12 33.3%
デトロイト・ライオンズ 11 6 5 22 50.0%
テネシー・タイタンズ 14 0 7 21 33.3%
デンバー・ブロンコス 8 3 0 11 27.3%
ニューイングランド・ペイトリオッツ 7 6 3 16 56.3%
ニューオリンズ・セインツ 4 7 3 14 71.4%
ニューヨーク・ジェッツ 4 0 2 6 33.3%
ニューヨーク・ジャイアンツ 7 0 3 10 30.0%
バッファロー・ビルズ 8 2 4 14 42.9%
ピッツバーグ・スティーラーズ 10 1 1 12 16.7%
ヒューストン・テキサンズ 11 2 4 17 35.3%
フィラデルフィア・イーグルス 5 0 1 6 16.7%
ボルチモア・レイヴンズ 12 0 1 13 7.7%
マイアミ・ドルフィンズ 10 1 3 14 28.6%
ミネソタ・ヴァイキングス 5 0 5 10 50.0%
ワシントン・レッドスキンズ 11 3 2 16 31.3%
284 50 93 427 33.5%



さすがにここまで来ると、全チームから1人は行き先が決まっています。


「解禁後1週間」のときに、契約が多く進んでいた「旧所属チーム」は、
ペイトリオッツ、ベアーズ、ヴァイキングスというあたりだったのですが、
そんなあたりをすっ飛ばして、セインツの契約が進みまくり。


しかも、この全体的な「移籍傾向」の中、残留ばかりなのですから、
チームとしては、非常に嬉しい状況にあるのかもしれません。


他に、ペイトリオッツは先週と変わらない残留件数なのですが、
その件数に、ライオンズが並んでいるのが、残留で目立つところでしょうか。


流出の多さでは、先週と変わらずタイタンズ


あと、先週は書いていませんでしたが、ヴァイキングスも、
タイタンズと同じく、1人も残留していないのに流出しまくっていますね。


ここで、ふと思い立って、上記の「残留」「移籍」を、
プレーオフ進出チームとそれ以外のチームで分けて集計してみたのですが。


その結果、プレーオフ進出チーム合計では「残留14件・移籍35件」、
それ以外のチーム合計は「残留36件・移籍58件」。


明らかに、プレーオフ進出チームの方が「残留率」が低いですねぇ。
(しかも、14件のうち6件はペイトリオッツのものだし)


ついでなので、昨年のデータでも同様のことを調べてみたのですが、
やはり、プレーオフ進出チームの方が「残留率」が低かったです。


そりゃまあ、そうなるだろうなぁ・・・というところですが、
感覚的なものだけではなく、こうやって数字で見ると、納得感も増す感じ。


しかし、そう考えれば考えるほど、
ペイトリオッツの「残留率」の高さは、なんとも特異ですねぇ。


これが、来シーズン、どういった形に表れるのでしょうか。


では次は、「新所属チーム」ごとのデータを。

  残留 移籍
アトランタ・ファルコンズ 2 7 9
アリゾナ・カーディナルズ 1 1 2
インディアナポリス・コルツ 0 0 0
オークランド・レイダーズ 1 3 4
カロライナ・パンサーズ 1 5 6
カンザスシティ・チーフス 0 2 2
クリーブランド・ブラウンズ 4 3 7
グリーンベイ・パッカーズ 0 0 0
サンディエゴ・チャージャーズ 1 0 1
サンフランシスコ・49ers 0 3 3
シアトル・シーホークス 0 2 2
シカゴ・ベアーズ 1 0 1
ジャクソンビル・ジャガーズ 1 4 5
シンシナティ・ベンガルズ 2 2 4
セントルイス・ラムズ 3 3 6
ダラス・カウボーイズ 0 0 0
タンパベイ・バッカニアーズ 2 8 10
デトロイト・ライオンズ 6 3 9
テネシー・タイタンズ 0 2 2
デンバー・ブロンコス 3 4 7
ニューイングランド・ペイトリオッツ 6 3 9
ニューオリンズ・セインツ 7 3 10
ニューヨーク・ジェッツ 0 5 5
ニューヨーク・ジャイアンツ 0 2 2
バッファロー・ビルズ 2 3 5
ピッツバーグ・スティーラーズ 1 2 3
ヒューストン・テキサンズ 2 3 5
フィラデルフィア・イーグルス 0 2 2
ボルチモア・レイヴンズ 0 2 2
マイアミ・ドルフィンズ 1 10 11
ミネソタ・ヴァイキングス 0 4 4
ワシントン・レッドスキンズ 3 0 3
引退 0 2 2
50 93 143



先週と比べ、タイタンズは2人の移籍加入が決定しましたが、
コルツ、パッカーズカウボーイズの3チームは、
まだ1人も、「残留」も「移籍加入」もしておりません。


昨年も一昨年も、こういうチームは翌シーズンに良い成績を残しておりませんでしたので、
ちょっと心配になってくるところです。
(よりによって、僕が応援しているチームばかりだし・・・)


積極的に選手を獲得していっているドルフィンズは、
ついに「移籍加入」人数が2桁に到達。


なんという多さ。


バッカニアーズが多いのも、先週のとおりですが、
この中間では、ファルコンズへの移籍が多くなってきているのも目立ちます。


しっかりと「再建中」という感じかな。


ちなみに、昨年の状況を見てみると、ここまでの偏りはありませんでしたが、
最も「移籍加入」人数が多かったのはペイトリオッツでした。


まあ、ペイトリオッツの場合は、その前の年もプレーオフに進出していたわけですから、
ここに挙げたドルフィンズファルコンズとは状況が違うわけですけども。


そういう意味でも、「プレーオフ進出チーム」だったバッカニアーズは、
やはり注目しておくべきチームなのかもしれませんねぇ。


・・・以上。


フリーエージェント解禁後2週間の状況と、その比較でした。