「気の緩み」を感じた第7週の試合



NFLドラフトやらなんやらで、ちょっと時間がとれずにいましたが、
NFLヨーロッパ第7週の試合がありました。


対戦カードの紹介もしていなかったので、紹介なども含めつつ、
試合結果の感想をざっと書きたいと思います。


実は、第7週の対戦カードは、
アムステルダム・アドミラルズ(5勝1敗)対ハンブルグ・シーデビルズ(0勝5敗1分)、
ベルリン・サンダー(2勝3敗1分)対ライン・ファイヤー(4勝2敗)、
フランクフルト・ギャラクシー(4勝2敗)対ケルン・センチュリオンズ(2勝4敗)と、
全て、「ワールドボウル出場を目指すチーム」と「そうじゃないチーム」の対戦でした。


なので、ここは、それぞれ順当に力の違いを見せて勝ってもらいたい、
と、そんな週になるはずでした。


ところが、どの試合も苦戦の連続。
結果的に、アドミラルズ・ファイヤーギャラクシーが、「順当」に勝ちましたが、
紙一重もいいところで。


その中でも、アドミラルズ対シーデビルズは、特に象徴的でした。


ここまでの成績を考えれば、アドミラルズが圧勝してもおかしくないところ。
シーデビルズは、ようやくスタータークォーターバックを、
QBブロック・バーリンからQBジェイムズ・キリアンに変えてきましたが、
(2番手クォーターバックはQBトッド・モーテンセン
大勢に影響はなさそうな感じ・・・と思って見ていました。


ところが、ところが。


フィールドゴールで先制したのはアドミラルズでしたが、
第2クォーター、シーデビルズが一挙17点を獲得して逆転。
前半を3対17で折り返すという、誰も予想しなかった展開。


その後、ようやく一歩一歩追い詰め始め、
残り時間12秒で、逆転フィールドゴールが決まる、という、
まさに薄氷を踏む勝利となりました。


試合を追って見てみると、とにかくアドミラルズオフェンスは決め手に欠いていまして。
(アドミラルズの「18点」のうち、タッチダウンは1つだけ)


最終的に、QBギブラン・ハムダンは322ヤード獲得と、
いつもどおりの「爆発ぶり」を見せていますが、
WRスカイラー・フルトンは10回166ヤード獲得)
一方で、ラン獲得ヤードは3人で合計26ヤードという、お粗末な結果。


いくら追う展開だったとはいえ、パス46回に対しラン9回というのは、
あまりに偏りすぎです。


せっかく最近、噛み合ってきたように思えたオフェンスが、
またシーズン開幕当初のように「一か八か」になってきているようで、
今後のことを考えると、非常に心配なところです。


心配といえば、アドミラルズのLBリキヤ・イシダ
なんか、「出場していない」という情報もあるのですが、
「Play-By-Play」を見ると、試合終了間際に、
「AMS-51-R.Ishida was injured during the play.」という記述が。


どっちが正しいんだ・・・?


怪我の多い選手になっているだけに、久々に登場してまた怪我、ということだとすると、
これは、今後がちょっと心配になってきます。


次に、サンダーファイヤー
・・・なんか、RPGの「魔法対決」みたいだな・・・。(もしくは「ぷよぷよ」も可)


こちらも、残り時間0秒でのフィールドゴールで勝負が決まる、という展開。


ファイヤーは、自慢のディフェンスがやや精彩を欠いていた感もありますが、
それよりも何よりも、オフェンスのファンブルの多さ。


RBフレッド・ジャクソンが2回(うち1回ターンオーバー)、
RBジャック・ルイスも2回(2回ともターンオーバー)、
QBティミー・チャンが1回(自分で押さえる)と、
合計5回(うち3回ターンオーバー)もありました。


特に、第4クォーターに入ったときには10対17でリードしていたのに、
ファンブルターンオーバーからタッチダウンドライブ、というのを2回連続され、
24対17となったときには、これはまずいかも、と思えてきました。


まあ、最終的には、なんとか地力で勝った、という感じです。


先週、チャンはあまりパッとしない、ということを書きましたが、
今週は、なかなか良いところがありました。
(先ほど、ファンブルをした、というところで名前が出ていますが)


パスは6回中4回成功と、機会自体が少なかったのですが、
それで141ヤード獲得2タッチダウンインターセプトですから、
チームの勝利には、しっかり貢献できていたのではないでしょうか。


まあ、登場回数が非常に少ないあたり、
信用を得られていない、ということなのかもしれませんが・・・。


最後に、ギャラクシーセンチュリオンズ。


ギャラクシーは、第1週に戻ってしまったかのような感じで。
・・・いや、「ギャラクシーは」というより、
RBロジャー・ロビンソンは」というべきか・・・。


第1週の試合で、ロビンソンは3回もファンブルしてしまっていましたが、
今週の試合では2ファンブル
その両方ともがターンオーバーとなっています。


1回目のときは、自陣でファンブルして、結局相手のフィールドゴールに結び付けられ、
ここで、10対10の同点になってしまうという展開。


2回目のときは、味方のインターセプトで敵陣5ヤード地点からのオフェンス、
という絶好のチャンスに、ロビンソンが3回連続のラン。
その3回目に、ファンブルをしてしまいました。


結局、その後、なんとか1タッチダウンを奪ったギャラクシーの勝利となりましたが、
負けていたら、完全にロビンソンの責任となるところでした。


獲得ヤードも22回67ヤードしかありませんでしたので、
この日のロビンソンは、完全に精彩を欠いていましたね。


来週以降、きちんと軌道修正してもらいたいものです。


センチュリオンズは、先週の試合でランオフェンスの限界を感じたのか、
かなりオフェンスの傾向を変えてきました。


ラン獲得ヤードは、合計で26回116ヤードとなっていますが、
そのうち、QBシェイン・ボイドが9回82ヤードも占めています。
ちょっと、「行き詰まり」を感じるスタッツですね。


そして、そのボイドは、「本業」のパスで4インターセプトという大乱調。


それが、スクランブルが多くなってしまった要因なのかもしれませんが、
ランもダメ、パスもダメと、オフェンスに光明が見出せなくなっていて、
ちょっと辛いところです。


・・・と、そんなところで。


全体的に感じたのは、上位チームの「気の緩み」。
シーズンの疲れも溜まってきたところにあって、
対戦相手が「下位チーム」なので、まあ勝てるだろう、と、
そんな感じで試合に臨んでいたのではないか、と思えてきます。


結果的に、3チームとも「ワールドボウル戦線」で生き残ったわけですが、
当然ながら、このうち1チームは出場できません。


今週のような試合を来週も続けているチームがあったとすると、
そのチームが「脱落チーム」になるでしょう。


気合を入れなおしてもらいたいですね。