週間オフェンスラインMVP(第17週)
では、今週も、「オフェンスラインスタッツ」を用いた、
「週間オフェンスラインMVP」を掲載したいと思います。
まず、第17週の「ベストオフェンスライン選手」は以下の通り。
選手名 | ラン | パス | 反則 | オフェンスライン ポイント |
|
---|---|---|---|---|---|
LT | マーヴェル・スミス (ピッツバーグ・スティーラーズ) |
16 | 7 | 0 | 23 |
LG | ラリー・アレン (サンフランシスコ・49ers) |
48 | -6 | 0 | 42 |
C | マイク・フライン (ボルチモア・レイヴンズ) |
34 | 5 | 0 | 39 |
RG | レニー・フリードマン (クリーブランド・ブラウンズ) |
34 | 6.5 | 0 | 40.5 |
RT | ナット・ドーシー (クリーブランド・ブラウンズ) |
26 | 13 | 0 | 39 |
今週は、ブラウンズの「右側」2人が並んでいますね。
最終週だけあって、ちょっと珍しい陣容。
ブラウンズは、今週の試合、ヒューストン・テキサンズに負けていましたが、
オフェンス自体は進んでいました。
ターンオーバーって怖いですね・・・という話です。
ただ、今週の「週間オフェンスラインMVP」は、その2人からではなく、
左ガード選手のアレンです。
大御所が登場しました。
アレンは、1994年にダラス・カウボーイズにドラフト2巡指名されNFL入り。
その年から全試合に出場(うち10試合でスターター)すると、翌年からは、
途中、1999年に5試合、2002年にはインジャリーリザーブ入りして11試合に、
それぞれ欠場していますが、それ以外は全試合でスターター出場を続けています。
一口に「続けています」と書きましたが、昨シーズンまで12年間ずっと、
カウボーイズでスターターを務め続けてきたのですから、とんでもないことです。
もちろん、ただ出場していただけではなく、活躍も素晴らしく、
このカウボーイズの12年間でプロボウル選出は10回(!)を数え、
「オールプロ」に選ばれることも8回、
そして、1995年シーズンには、スーパーボウル制覇にも貢献しています。
もう、これ以上何を望むのか、というほどの輝かしい実績ですね。
ただ、昨シーズン後、カウボーイズはサラリーキャップ対策のため、
アレンに対して年俸削減を要求。
アレンが拒否したために、カウボーイズを放出されることになりました。
もちろん、こんな選手を他のチームが放っておくわけがなく、
直後に49ersと契約を結び、そして、今シーズンを迎えておりました。
しかし、いきなりシーズン開幕戦の、それも試合開始直後に怪我をしてしまいまして。
(このあたりは、第2週のときに、チラッと書いていましたね)
非常に心配されたのですが、その後5試合に欠場して復帰。
すると、やはり、さすがの大活躍。
今シーズン、49ersのRBフランク・ゴアが大爆発していたのですが、
アレン復帰後の10試合での1試合あたりの平均獲得ヤードは113ヤード。
明らかに、それ以前を上回っています。
そんなこんなで、今シーズンもプロボウルに選出されたという、
まあ、なんとも恐るべしな選手です。
ところで、昨シーズン、この日記でアレンについてちょっと触れていたことがあったのですが、
どんなことについてだと思います?
昨シーズン第3週の試合で、当時カウボーイズのKホセ・コルテスが、
トライフォーポイントのキックに失敗して、
味方のオフェンスライン選手に、どつかれていたことがありまして。
・・・ああ!
あれがアレンだったのか。
まあ、今となっては良い思い出です。(そうか?)
さておき。
来シーズン、アレンはプロ14年目を迎えるわけですが、
3年目のゴアが、いよいよ脂の乗ってくるところで、
大ベテランにかかる期待は、更に増していくところでしょう。
どんな「大爆発」を見せてくれるのか、今から非常に楽しみですね。
期待しましょう。
さて、レギュラーシーズン終了時点での「オフェンスラインベスト10」は、以下の通り。
順位 | 選手名 | ラン | パス | 反則 | オフェンスライン ポイント |
---|---|---|---|---|---|
1位 | RT ジョン・スティンチコム (ニューオリンズ・セインツ) |
102 | 104 | -28 | 178 |
2位 | C ケイシー・ウィーグマン (カンザスシティ・チーフス) |
154 | -14 | 0 | 140 |
3位 | LG ジェイソン・ブラウン (ボルチモア・レイヴンズ) |
142 | 45 | -49 | 138 |
4位 | RG フレッド・ウィアリー (ヒューストン・テキサンズ) |
156 | 16 | -35 | 137 |
5位 | LT マーカス・マクニール (サンディエゴ・チャージャーズ) |
140 | 24 | -28 | 136 |
6位 | LT タリック・グレン (インディアナポリス・コルツ) |
72 | 131 | -70 | 133 |
7位 | LG マーク・セターストロム (セントルイス・ラムズ) |
130 | 8 | -14 | 124 |
8位 | LG ディラン・ギャンディ (インディアナポリス・コルツ) |
82 | 40 | 0 | 122 |
9位 | RT ウィリー・アンダーソン (シンシナティ・ベンガルズ) |
128 | 28 | -35 | 121 |
10位 | C マイク・フライン (ボルチモア・レイヴンズ) |
102 | 42.5 | -28 | 116.5 |
やはり、最近の安定感を維持して、1位の座を守りきりました。
スティンチコムが、今シーズンの「ベストオフェンスライン選手」です。
今シーズンは、終盤になっても1位が頻繁に入れ替わる展開でしたが、
数えてみると、スティンチコムが合計6週間で1位の座についており、
また、第3週・第4週・第6週・第11週・第14週と、
なんと5回も「ベストオフェンスライン選手」となっており、
第4週では「週間オフェンスラインMVP」。
終わってみれば、なるべき人が1位になった、という感じですね。
今シーズンは、セインツのパスオフェンスが絶好調だったわけですが、
それを支えているオフェンスラインの中でも、
やはりタックル選手というのは、パスプロテクションで重要な役割を担います。
プロボウルに選出されたのは、「逆側」のTジャモール・ブラウンでしたが、
ラン成績まで含めて見てみると、「右側にランがよく出ていた」ということから、
この「オフェンスラインスタッツ」では、スティンチコムの方を高く評価したいところです。
プレーオフでの活躍も楽しみですね。
ちなみに、昨シーズンの1位の値は「182」でしたので、ほぼ同じ水準です。
2位には、先週3位からウィーグマンが浮上。
値を見ていただくと分かるとおり、「ラン成績だけ」での2位です。
・・・というか、むしろパス成績が足を引っ張りながらの2位です。
ウィーグマンが素晴らしいのは、反則を1度も犯していない、というところでしょう。
オフェンスラインのつまらない反則で、良いプレーを潰してしまうことも多い昨今、
堅実にオフェンスを支え続ける姿は立派ですね。
3位には、先週16位からブラウンが上がってきました。
どちらかというと、あまり目立っていなかった今シーズンのレイヴンズランオフェンスですが、
ここに来て一気に上昇してきたのは、プレーオフに向けては上々というところでしょう。
レイヴンズ選手では、10位にも先週27位からフラインが上がってきていますね。
なお、先週2位のジャクソンビル・ジャガーズGヴィンス・マヌワイは、
13位に落ちてしまっております。
さて、では、今回は「ベスト100」まで掲載したいと思います。
今シーズンから始めた「ベスト100」の掲載ですが、ちょっと問題が出てきまして。
それは、この「オフェンスラインスタッツ」は、「積み上げ式」の値ながら、
平均が「0」となるような値になっていますので、
例えば、1・2試合出てきてそのときちょっとプラスの値になっていると、
もう、そのまま「ベスト100」内に居座ってしまうんですよね。
(100位あたりは、ほとんど「0ポイント」近くなので)
今回も、最終週に1試合出てきただけで入っている選手とかがいたりします。
来シーズンは、「既定出場試合数」とか設けた方がいいのかなぁ。
要検討ですね。
さて、チームごとに見てみると、まず、アリゾナ・カーディナルズ選手が0人。
第13週のときに、「改善の兆しが見えてきた」と書きましたが、
結局、「ベスト100」まではあと一歩届きませんでした。
・・・それまでが悪すぎたか・・・。
オークランド・レイダーズも、相変わらず1人もなし。
他に、バッファロー・ビルズ、ニューヨーク・ジェッツ、タンパベイ・バッカニアーズ、
シアトル・シーホークスも、1人も100位以内に入っておりません。
やっぱり、シーズン終了に向かって、チームごとの偏りが激しくなっていくようですね。
それにしても、プレーオフ進出チームであるジェッツとシーホークスがここに入っているのは、
ちょっと意外な感じでしょうか。
ジェッツ選手の値を見てみると、「パス」はそこそこ良いながら、
「ラン」がもうさっぱりダメなのが大きく影響しているようで。
プレーオフでは、不安なところですね。
シーホークスは、第13週時点でも1人も入っていなくて、
「主力選手が復帰した今後に期待」ということを書いていましたが、
結局、ほとんど上昇は見られませんでした。
最多は、テキサンズの「8人」。
・・・増えてる・・・。
テキサンズは、終盤に来て、ランが絶好調になっていましたから、
この結果は不思議ではないのですが、
それがチーム成績に直結していないことが、本当に悲しいところです。
力はあるんだよなぁ、ホントに。
なお、イーグルスは、全32チームで唯一、
今シーズンの16試合、全て同じスターターオフェンスライン選手でした。
そして、その5人ともが、「ベスト100」に入っているどころか、全員35位以内。
素晴らしいですね。
以上、第17週の「オフェンスラインスタッツ」でした。