「ディフェンス合戦」での勝利



NFLディビジョナルプレーオフNHKBS1で放送していた、
インディアナポリス・コルツボルチモア・レイヴンズの試合の感想を。


いやぁ、緊張感のある良い試合でした。


僕は、コルツを応援しながら見ていましたが、
最後の最後、Kアダム・ヴィナティエリが5本目のフィールドゴールを成功させた、
その瞬間まで、「逆転負けするんじゃないか」というドキドキ感がありました。


実際、そのフィールドゴールのとき、スナップがちょっとだけ右に逸れかかっていて、
危なかったようにも見えましたしね。
そうなったら、逆転タッチダウンドライブ・・・ということも頭をよぎり。


最終的な点差は「9点差」でしたが、
最後の最後まで、勝負が分からなかった試合だと思います。


以前に、「地味なディフェンス合戦」は素人目にはあまりインパクトがなく、
「派手なディフェンス合戦」の方が面白く感じる・・・ということを書きましたが、
どちらかといえば、この試合は、そんなに「派手」な方ではなかったかもしれません。


ターンオーバーはいくつかありましたが、要となったのは、
得点を全てフィールドゴールに抑えた「ゴール前ディフェンス」だったと思いますし。


しかし、面白かった。


コルツのディフェンス陣も、レイヴンズのディフェンス陣も、
持ち味を十分に生かしきったからこそ、そう感じることが出来たのかもしれませんね。


勝敗を分けたものは、本当にわずか。


インターセプトはお互いに2つずつでしたが、
「ほとんどインターセプト」というのも(特にレイヴンズディフェンスに)多かったですし、
ファンブルでのターンオーバーは、レイヴンズが2つ喫していましたが、
実は、コルツのファンブル回数の方が多くて、ただ、ターンオーバーにはならなかっただけ。


本当にギリギリの攻防。
ギリギリの「ディフェンス合戦」でした。


その「ディフェンス合戦」に勝ったコルツのディフェンス陣は、
本当に、胸を張っていいと思います。


コルツはランディフェンスが酷い、ランディフェンスが酷いと、
ずっと言われ続けていて、忸怩たる思いが強かったことでしょう。


プレーオフで、2戦続けて良いディフェンスを見せたことで、
ランディフェンスが改善した」と言われるかもしれませんが、
僕は、特に何かが大きく変わったわけではないと思います。


ほんのわずかの差。
「長所」が生かしきれず、「短所」ばかりが出てしまっていただけ。


その「わずかの差」を埋めたものが、世間からの悪評への対抗心だったとすれば、
悪く言われたことに感謝すべきなのかもしれませんが。


もちろん、「わずかの差」ですから、それが次の試合でも出来るかどうかは分かりません。
きっと、次のAFCカンファレンスチャンピオンシップでも、
ランディフェンスに不安がある」ということは、まだまだ言われると思います。


それをまた、「なにくそ」という気持ちにつなげて、
次の試合でも良いディフェンスを見せてもらえることに、期待したいと思います。


さて、コルツのQBペイトン・マニングは、ワイルドカードプレーオフのときに、
「パス成功率は良かったので、インターセプトが多くても、決して悪くはなかった」、
ということを書いていましたが、
もう、この試合は掛け値なしに「悪かった」ですねぇ。
(いや、もちろん良いところはありましたが、ここでは強調しないでおきます)


そのこと自体は心配ですが、まあ、別に、
こういう調子の悪さは続くものではないですし、
ずっと調子が良くたって、負けるときには突然悪くなるもので。
(過去のプレーオフでは、そうやって敗退してきてました)


マニングがこういう成績でもプレーオフで勝てること。
そこに今のコルツというチームの強さがあると考えれば、心強いところですね。


さて、あとは、ヴィナティエリについて。


いや、正直、ヴィナティエリが活躍するのは、個人的には悔しいんですよ。
「前任者」のKマイク・ヴァンダージャットを応援してますし。


なんか、ヴィナティエリが活躍すればするほど、
ヴァンダージャットのイメージが悪くなっていると思います。


いや、ホント。


この試合の放送でも、
「コルツは過去のプレーオフ、数々のフィールドゴール失敗で負けてきました」、
とか言われていましたし。


・・・それは、昨シーズンの「1試合」だけのイメージでは・・・?


あの「失敗」も、直前のプレー選択が良くなかった(距離が長くなってしまった)面があり、
必ずしもヴァンダージャットだけのせいではないと思うんですけどねぇ。


まあ、ただ、ヴィナティエリに「勝ち運」がついているのは、確かかもしれません。
3本目の51ヤードフィールドゴールとか、失敗していてもおかしくなかったですし。


その後の、レイヴンズKマット・ストーヴァーの51ヤードフィールドゴールと見比べると、
明らかに、キック力はストーヴァーの方が上。


フィールドゴール5本成功」対「フィールドゴール2本成功」となった差は、
キッカーの差」ではなく、単に、そこまで進められた「オフェンスの差」です。


それが全部ヴィナティエリの「功績」になってしまうのは、
やっぱり、何か悔しいかも・・・。


・・・いや、すいません。
完全に偏った見方です。


コルツを応援している者としては、喜ばないとなぁ。


あと、もう1つ、「応援している選手」に肩入れする発言を続けさせてもらうと、
この試合で、レイヴンズQBスティーヴ・マクネアは批判されないんでしょうかねぇ。


大事に行かなきゃいけない相手陣内で、痛恨の2インターセプト
あそこでフィールドゴールを成功させていたら、展開も変わったでしょう。


いや、僕は、マクネアを批判するべきとは思いませんよ。
実際、この試合は、「マクネアが悪かった」のではなく、
「コルツのディフェンスが良かった」んだと思いますし。


ただ、これが、QBカイル・ボウラーだったら大批判だよなぁ、
・・・とか思っただけです・・・。
(ディフェンスがタッチダウンを取られていないのに負けたのは酷い、とか)


頑張れ、ボウラー
レイヴンズの未来は、まだまだ君の肩にかかっている(といいなぁ)。


以上、ディビジョナルプレーオフ、コルツ対レイヴンズの試合の感想でした。