週間オフェンスラインMVP(第1週)



では本日は、「オフェンスラインスタッツ」から。


このスタッツと、次の「ディフェンスインパクトポイント」に関しては、
「その週に活躍した選手」と「シーズンを通したランキング」の2段構えです。


まず、第1週の「ベストオフェンスライン選手」(各ポジション1人ずつ)は以下の通り。

  選手名 オフェンスライン
ポイント
ラン パス 反則
LT マット・ライト
ニューイングランド・ペイトリオッツ
38 22 16 0
LG ローガン・マンキンズ
ニューイングランド・ペイトリオッツ
48 40 8 0
C ダン・コッペン
ニューイングランド・ペイトリオッツ
38 30 8 0
RG スティーヴ・ニール
ニューイングランド・ペイトリオッツ
42 34 8 0
RT ライアン・ディーム
インディアナポリス・コルツ
28 22 6 0



ああ、そうだ。


現在、ペイトリオッツの「スパイ事件」が大騒ぎになっていますが、
「選手の活躍」は「選手の活躍」ということで、
変な色眼鏡はかけずに書きますので、悪しからず。


さて、とりあえず先に、第1週時点の「オフェンスラインベスト10」も載せておきます。

順位 選手名 オフェンスライン
ポイント
試合数 ラン パス 反則
1位 LG ローガン・マンキンズ
ニューイングランド・ペイトリオッツ
48 1 40 8 0
2位 RG スティーヴ・ニール
ニューイングランド・ペイトリオッツ
42 1 34 8 0
3位 C ダン・コッペン
ニューイングランド・ペイトリオッツ
38 1 30 8 0
3位 LT マット・ライト
ニューイングランド・ペイトリオッツ
38 1 22 16 0
5位 C ケヴィン・マワイ
テネシー・タイタンズ
37 1 38 -1 0
5位 LG ジェイコブ・ベル
テネシー・タイタンズ
37 1 38 -1 0
5位 RG ベンジー・オルソン
テネシー・タイタンズ
37 1 38 -1 0
8位 LG マイク・ウォール
カロライナ・パンサーズ
34.5 1 30 4.5 0
9位 RG クリス・グレイ
シアトル・シーホークス
32 1 30 2 0
10位 RG ジェイク・スコット
インディアナポリス・コルツ
29 1 26 3 0

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なお、昨シーズンまではありませんでしたが、今回、「規定回数」を設けました。


基準は「スターター出場試合数」で、
第5週までが「1試合」、第9週までが「2試合」、第13週までが「3試合」、
そして、それ以降は「4試合」が、その「規定回数」になります。


これは、「全員分合計すると大体プラスマイナス0」になるような値となっているため、
シーズン終盤に1試合だけ出場した選手が、
いきなり中位にランクインすることを防ぐ目的です。


さて、この指標のコンセプトを。


 http://d.hatena.ne.jp/Kiyota/20051008#p1
 http://d.hatena.ne.jp/Kiyota/20051015#p3


シーズンの流れの中で作成したものなので、
ちょっと中途半端な形になっているかもしれません。


ポイントの詳細を、ここでまとめて記しておきますと、

  • ランブロッキングポイント(ポイントは責任範囲の選手のみに付与)
    • 前進   :+2
    • ノーゲイン:-2
    • ロス   :-18(ただし、タックル選手の外を回るプレーは「-10」)
  • パスプロテクションポイント(ポイントは全員に付与。ただし、両タックル選手は2倍)
  • ペナルティポイント(ポイントは本人のみに付与)
    • 反則1回 :-7



オフェンスラインポイント」は、これらの総計です。


ポイントの大小は、集計した1シーズンの統計情報を基に割り振り、
また、先ほどもチラッと書きましたが、シーズンを通してみたときに、
「全員分合計すると大体プラスマイナス0」となるようにしました。


ランプレーの「責任範囲」は、「Play-By-Play」の記述により判定しています。
(例えば、中央突破なら、「センター選手と両ガード選手」等)


例えば、今週1位のマンキンズ(左ガード選手)のケースだと、


 ラン:中央前進8回・左ガード方向前進7回・左タックル方向前進5回・
     各ノーゲイン0回・各ロス0回・・・・計40ポイント
 パス:成功22回失敗6回サック0回・・・計8ポイント
 反則:0回・・・計0ポイント


で、計48ポイントということになります。


さて、この「オフェンスラインスタッツ」は、
全「新能力指標」の中で、最も信憑性の薄いものと言わざるを得ません。


というのも、まず第1に、「スターター選手」を基準に考えられていること。
つまり、途中交代した場合も、全てスターター選手の成績に算入されています。
(「Play-By-Play」では判別できないので)


一応、他のポジションよりは途中交代しないポジション、という意味で、
全くトンチンカンな値になることは避けられているとは思いますが、
まあ、「正確」では無いことは確かで。


それから、第2に、あくまで「プレーの方向」を基準に考えられていること。


オフェンスラインには、「プルアウト」とか「プルイン」という戦術があり、
例えば、全プレーで「右ガード選手の右側に右タックル選手がいる」というわけでは、
必ずしもないのですが、これも、全てそうなのだと見なしています。
(「Play-By-Play」では判別できないので)


そして、第3には、パスプレーの際の役割に、あまり差異を設けていないこと。


一応、両タックル選手の役割を大きく(2倍に)見積もってはいますが、
例えば、誰か1人のミスのせいでサックを許してしまっていたとしても、
それは反映されていません。(「Play-By-Play」では判別できないので)


・・・と、そんな問題があるとはいえ。


「個人」が注目されることの少ないオフェンスライン選手に、
なんとか「出場試合数」以外のスタッツを付けて注目していきたい、
という目的のためには、それなりに機能しているのではないかと考えています。


これによって覚えた名前も多いですしね。


多少、不正確であっても、気にせず続けていきますので、
「そんな見方もあるんだ」という軽い気持ちで、ご覧頂ければと思います。


さて、今週の結果に戻りまして。


今週は、ペイトリオッツオフェンスラインが大活躍でしたね。
「ベストオフェンスライン選手」の5人中4人がペイトリオッツ選手。


パス成績も良いですし、ランプレーも、特に中央突破が確実に出ていて、
獲得ヤード数以上に「良い仕事をした」という印象があります。


そんな中、今週の「週間オフェンスラインMVP」(最もポイントの高い選手)は、
ガードローガン・マンキンズです。


マンキンズは、2005年にペイトリオッツドラフト1巡(全体32位)指名されNFL入り。


以来、全試合にスターター出場しているという、
いわゆる「エリート街道まっしぐら」な選手です。


今まで、何人ものオフェンスライン選手を、この日記で紹介してきましたが、
オフェンスラインって、ホント、「上位指名選手が確実に活躍」というケースが多いですねぇ。


そうそう、「普段は目立たない」のがオフェンスライン選手ですが、
マンキンズは、昨シーズンの終盤に、ちょっとインパクトの強い場面で名前が出ていました。


それは、AFCカンファレンスチャンピオンシップペイトリオッツ対コルツの試合のとき。


この試合は、オフェンスライン選手やらディフェンスライン選手やらが、
次々とタッチダウンをしていた珍しい試合でしたが、
その最初の選手が、マンキンズだったのでした。


いやぁ、コルツを応援して見ていた者としては、せっかくの相手ファンブルが逆効果となり、
「なんという運の悪さ・・・!」と嘆いたものですが、
逆に言えば、マンキンズが良い仕事をした、ということですね。


そんなマンキンズですが、昨シーズンの「オフェンスラインポイント」を見ると、
かなり低い成績に終わっています。


反則もそこそこ多く、何より、ランが出ないケースが多かったようで。


で、一昨年の記録も見返してみると、やはり、
ペイトリオッツオフェンスライン選手の中でも、マンキンズはかなり低い成績でした。


まあ、一昨年は「ルーキーだから」ということも言えたわけですが、
昨シーズンも同様なのは、本人にとっても、チームにとっても、困ったところです。


先ほど、「上位指名選手が確実に活躍」と書きましたが、
これでは、1巡指名選手としては、期待にそえていないということになるでしょう。


そんな中での、3年目の今シーズン。


開幕週から活躍できたことは、相当、ホッとする出来事だったのかもしれません。


とはいえ、まだ1週が終わったのみ。
今シーズンこそ大活躍を見せて、「1巡指名選手」としての期待に応えてもらいましょう。


以上、第1週の「オフェンスラインスタッツ」でした。