第3週:NYG at SD



第3週のサンデーナイトゲームは、「ある意味」因縁の対決。


話は昨年のドラフトに遡りますが、
その前年(つまり一昨年)にもっとも悪い成績だったサンディエゴ・チャージャーズは、
昨年のドラフトで、全体1位指名権を持っていました。


この年、ドラフトでもっとも注目されていた選手は、
アーチー・マニングの息子にして、ペイトン・マニングの弟、
大学ではハイズマン賞候補にまでなっていた、イーライ・マニング
チャージャーズは、前年の不振は、
QBドリュー・ブリーズの伸び悩みがあると考えられており、
イーライ・マニングを指名する可能性は、
非常に高いものでした。


ところが、ドラフト前に、アーチー・マニングが家族を代表して、
サンディエゴ・チャージャーズからの指名を望まない」
という異例のコメントを出すという事態に。


その理由などは、当時いろいろと取りざたされましたが、
アーチー・マニング自身が、非常に良いクォーターバックでありながら、
チーム状態に恵まれず、ビッグタイトルを取ることが出来なかったので、
息子には同じ轍を踏んでもらいたくはない、
というところが、真相ではないかと思われています。


そういった情勢の中で、注目されたチャージャーズの1位指名選手は、
なんと、そのイーライ・マニングだったのでした。
恒例の記者会見の場が設けられるも、
あからさまに暗い表情のイーライ・マニング


そんな中、ドラフトは順に進んでいき、
4番目の指名権を持つ、ニューヨーク・ジャイアンツの番に。
ここでジャイアンツは、イーライ・マニングと評価を分け合っていた、
クォーターバックフィリップ・リバーズを指名します。
ジャイアンツもクォーターバック補強が急務であり、
これも妥当な指名と思われました。


その直後、とんでもないどんでん返しが待っていました。


なんと、チャージャーズジャイアンツが、
たった今指名したばかりのイーライ・マニングフィリップ・リバーズを、
トレードしたのです。


恐らく、水面下で話が進んでいたことだったのですが、
チャージャーズとしては、指名しても契約できるかどうかが分からない、
イーライ・マニングを指名するぐらいなら、
フィリップ・リバーズを指名したい。
しかし、せっかく全体1位指名権を持っており、
しかも、ジャイアンツはイーライ・マニングを欲しがっている。
ならば、高く売りつけてやれ。
・・・といった思惑があったのではないかと。


先ほど、「イーライ・マニングフィリップ・リバーズをトレード」と、
書きましたが、実はジャイアンツ側は、これに加え、
その年のドラフト3巡指名権と翌年のドラフト1・5巡指名権も、
同時に差し出しているのです。
それほどイーライ・マニングが欲しかった、ということでしょうね。


再び設けられる記者会見の場。
イーライ・マニングの表情は非常に晴れ晴れとしておりました。


さて、ドラフトではイーライ・マニングの「だし」にされた感のある、
フィリップ・リバーズだったわけですが、
実戦で早くから活躍できるのは、こちらと見られておりました。
というのも、先ほど述べたとおり、
チャージャーズのQBドリュー・ブリーズは信頼を失いかけており、
フィリップ・リバーズが開幕先発の可能性も高かったのです。


対して、ジャイアンツは、カート・ウォーナーが加入しており、
イーライ・マニングは、将来のエースの座は約束されているとしても、
当面は、控えに回るだろうと予想されました。


ところが、やはり何が起こるか分からないのが、世の中というもので。


開幕してしばらくカート・ウォーナーでいっていたものの、
いまいち波に乗り切れないジャイアンツ。
開幕はとりあえずドリュー・ブリーズでいってみたら、
非常に好調で、勝利を重ねるチャージャーズ


結果、ジャイアンツはクォーターバックイーライ・マニングに切り替え、
チャージャーズドリュー・ブリーズの続投。
皮肉なものです。


この年、最終的にジャイアンツはプレーオフ進出を逃し、
チャージャーズプレーオフ進出、
ドリュー・ブリーズカムバック賞を受賞したのでした。


さて、そして今年。
ジャイアンツはカート・ウォーナーを放出し、
イーライ・マニングは名実共にエースの座に。
フィリップ・リバーズは控えのままです。


第3週で当たるこの因縁の対決。
・・・といっても、フィリップ・リバーズは出場しない可能性が高いです。


しかし、何が起こるか分からないのは、先ほど見てきたとおり。
同じドラフトで2人に次ぐ3番手評価だったQBベン・ロスリスバーガーが、
エースQBトミー・マドックスの負傷欠場により、
あれよあれよとスターダムに上り詰めたのは、記憶に新しいところです。


どんなドラマが待ち受けているのか、楽しみなところです。


ちなみに、僕はドリュー・ブリーズを応援していることを追記しておきます。
フィリップ・リバーズにも頑張ってもらいたいんですけどね。