「最もあり得そう」なモックドラフト(パート1)



さて、では昨日の続き。


34個の「モックドラフト」を集計してみて、
「最もあり得そうな指名」を見ていきたいと思います。


ドラフトで面白いのは、各チームのニーズがあるために、
必ずしも、「能力が高い(と思われる)順」では指名されない、ということで。
(これは、もちろんNFLに限ったことではないのですが)


今回は、非常に分かりやすい例がありまして。


全体2位指名されそうな候補者として名前が多く挙がっているのは、
バージニア大Tドブリカショー・ファーガソンと、
北カロライナ州立大DEマリオ・ウィリアムズなのですが、
しかし、この2人とも、「3位指名される」という予想は皆無なんですね。


これは、3位指名権を持つテネシー・タイタンズが、
クォーターバックを指名すると予想されているためで、
そういう観点では、前述の2人が如何に高い能力を持っていることが分かっていても、
3位では指名されないことになるわけです。


実際、昨年も、「全体1位指名されるかもしれない」とまで言われていた、
QBアーロン・ロジャーズが、指名されたのは24位のグリーンベイ・パッカーズ
ということが起こっていたのが思い起こされます。


先ほど、「NFLに限らない」と書きましたが、ただ、
アメフトほど、ポジションごとに「分業」されているスポーツもないと思うので、
そういった意味では、「ドラフトの醍醐味」が最も味わえるスポーツではないか、
という気もしています。(試合に出場する人数も多いですしね)


というわけで、多くのモックドラフトの予想指名順位を、
単純に平均してもしょうがないですので、1つずつ順番に見ていきたいと思います。


なお、基本的には多数決で「最もあり得そうな指名」を決めていったのですが、
そうして出来上がった「指名予想一覧」と一致したモックドラフトは皆無。
上位10人が一致したものすら、34個中たったの2つでした。


「最もあり得そう」なのに、どこにもない「モックドラフト」。
それでは、いってみましょう。
(なお、単純化のため、指名権のトレードは考えないものとします)

1位 ヒューストン・テキサンズ RB レジー・ブッシュ USC



これは、もちろん、非常に「順当」なものですが、
驚くのは、34個のモックドラフト全てで1位指名予想だったこと。


もう、ブッシュが1位指名されるのは「既定路線」という感じですね。


もし1位指名されなかったら、
それが今回のドラフトの最大の「サプライズ」となるでしょう。

2位 ニューオリンズ・セインツ T ドブリカショー・ファーガソン バージニア大



前述の通り、有力候補は2人いるのですが、
19票対11票で、ファーガソンが「最もあり得そう」な感じ。


当初は、クォーターバックの指名が強く予想されていましたが、
QBドリュー・ブリーズの加入で、その方向はかなり薄れたようですね。
(それでも、まだ、クォーターバック指名を予想しているところはありましたが)

3位 テネシー・タイタンズ QB マット・ライナート USC



クォーターバック指名が予想されるタイタンズは、
34個中「30票」という圧倒的支持で、ライナートに。


残り4つは、テキサス大のQBヴィンス・ヤング
思ったよりも、大差となってますね。


個人的には、バンダービルト大のQBジェイ・カトラーを指名してもらいたいのですが・・・。
・・・1票もありませんか。
うーん。

4位 ニューヨーク・ジェッツ DE マリオ・ウィリアムズ 北カロライナ州立大



2位指名予想も多いウィリアムズは、4位のジェッツに落ち着きました。


他に、4位指名が予想されるのは、既に「指名済み」のファーガソン
それから、意外とカトラーの名前も多く挙がっておりました。


ヤングではなく、カトラー


このあたりが面白いところで、「4位」の時点ではこの2人とも残っていると思われるのに、
ジェッツはクォーターバックならカトラーを指名する、と思われているんですねぇ。


ちなみに、後からも出てきますが、ヤングカトラー
現時点でどちらが高評価かといえば、圧倒的にヤングです。


なんでしょう。
ジェッツには、他のチームには無い「何か」があるのか?

5位 グリーンベイ・パッカーズ LB A・J・ホーク オハイオ州立大



ドラフトの「目玉」の1人、ホークは5位パッカーズ指名。


5位指名予想は、他にウィリアムズが多かったのですが、既に「指名済み」です。
とはいえ、たとえウィリアムズが残っていてもホーク、という予想が多いようですね。

6位 サンフランシスコ・49ers TE ヴァーノン・デイヴィス メリーランド大



タイトエンドじゃなくて、でかいワイドレシーバーだろ!」という呼び声(?)も高い、
デイヴィスは6位指名で49ers入りとなりました。


近年、タイトエンドの重要性が非常に増していると言われていますが、
もし6位指名されますと、タイトエンドとしては過去最高タイの順位になりますね。


ちなみに、2004年クリーブランド・ブラウンズケレン・ウィンズロウが6位指名。
・・・ウ・・・ウィンズロウかぁ・・・。(怪我で未だに試合出場なし)
「比べる相手」としては、やや気が引けますが・・・。


他に6位指名予想が多いのは、「指名済み」のウィリアムズと、
あと、テキサス大SSマイケル・ハフ


それにしても、ウィリアムズは大人気ですねぇ。
2位指名されなくて、更に、万が一4位指名されなかったとしても、
6位までには間違いなく指名されそうな感じです。


ある意味、「チームのニーズ」を超えた存在と言えるかもしれませんね。
(良いディフェンスエンドはどこも不足している、ということもあるのでしょうが)

7位 オークランド・レイダーズ QB ヴィンス・ヤング テキサス大



ヤングは、7位のレイダーズに落ち着きました。


最近、結構ヤングの株が落ちてきているようなのですが、
そうは言っても、そんなに後ろまでは残らないだろう、ということですね。


先ほど、ジェッツの指名のところで、ヤングカトラーの話が出てきていましたが、
レイダーズでは、ヤングが18票に対しカトラーが3票と、圧倒的大差です。


・・・というところから見ても、やっぱりジェッツの予想は変だよなぁ。


他に7位指名予想が多いのは、6位のところでも名前が出てきたハフあたり。

8位 バッファロー・ビルズ T ウィンストン・ジャスティス USC



しかし、8位で指名されるのはハフではなくジャスティス、というところが面白いところ。
ビルズのニーズにはハフは合わない、ということですね。


ちなみに、昨日、有力選手をいくつかのグループに分けて紹介しましたが、
ここまでの7人が最初の「上位指名確実」(以下「A」)グループの面々だったのに対し、
ジャスティスは、「1巡指名は確実」(以下「B」)グループになります。


結構、下位(23位とか)指名の予想もあったりするんですよね。
実際のドラフトではどのあたりで指名されるのか、楽しみな1人です。


他に8位指名予想が多いのは、オレゴン大DTハロティー・ナータ
フロリダ州立大DTブロドリック・バンクリーあたり。
この2人も、「B」グループでしたね。

9位 デトロイト・ライオンズ SS マイケル・ハフ テキサス大



「B」グループの1人に抜かされてしまいましたが、
「A」グループの最後の1人、ハフも9位で無事上位指名。


他に9位指名予想が多いのは、「指名済み」のジャスティスと、後は前述のナータ


先ほどのビルズの場合と比べると面白いのですが、
ライオンズは、ハフでもジャスティスでもナータでも、ニーズに合っているんですね。


ここまで残っていれば、迷うことなくハフを指名する、ということになるんでしょう。

10位 アリゾナ・カーディナルズ QB ジェイ・カトラー バンダービルト大



我らが(?)カトラーは、10位でカーディナルズに指名。


まずは、QBカート・ウォーナーバックアップ、ということになるのでしょう。
それでは、1年目の試合出場は無いなぁ。


・・・というか、ウォーナーも応援している者としては、あってほしくないですが。


とはいえ、ウォーナーも、そんなにこの先何年もやれないでしょうから、
カトラーが、もしカーディナルズ入りするなら、
しっかりと「後継者」になるべく、頑張ってもらいたいものです。


他に10位指名予想が多いのは、「指名済み」のデイヴィスヤング


どちらかがこの順位まで残っていたら、指名はそちらになるのでしょうかね。


・・・と、とりあえず本日はここまで。


どうでしたでしょうか?


どの指名も、それなりに納得できるかと思いますが、最初のほうにも書きましたとおり、
この「上位10人」が一致しているモックドラフトは、ほとんどありませんでした。


「最もあり得そう」なのに、どこにもない「モックドラフト」。


続きは、また明日。