ベンガルズの「失策」
NFL第13週、ボルチモア・レイヴンズ対シンシナティ・ベンガルズの試合の感想を。
「Play-By-Play」観戦をしながら、途中で思ったのは、
「ああ、ベンガルズの圧勝だなぁ」というものでした。
点差こそ、それほどつきませんでしたが、
ベンガルズのオフェンスは、結構面白いように出ていたのに対して、
レイヴンズのオフェンスは、かなり苦労していましたので。
特に、ベンガルズのQBカーソン・パーマーが絶好調で、
ポンポンと、簡単にパスを通している感じでした。
(後から、スタッツを見て、「あれ? そんなものだったんだ」とは思いましたが)
WRチャド・ジョンソンもいいですけど、やっぱり、
パーマーの「ナンバー1ターゲット」は、T・J・ハウシュマンザデイですねぇ。
非常に安定感があります。
前半終了間際に、レイヴンズオフェンスにもいい流れが出来ていましたが、
レイヴンズKマット・ストーヴァーが29ヤードフィールドゴールを外したのを見て、
「ああ、こりゃ、完全にベンガルズが勝つ流れだなぁ」と思ったりも。
(その時点では、まだ「0対6」でしかありませんでしたが)
ただし。
試合残り時間3分。
「0対13」でリードしているベンガルズオフェンスが、
敵陣28ヤード地点で「フォースダウン残り3ヤード」。
ここで、フィールドゴールにいったときには、ちょっと嫌な感じがしました。
(これは、結果論ではなく、結果を見る前に)
いや、もちろん、残り時間を考えれば、ここで3点追加すれば駄目押しになる、
・・・ということは分かるのですが、逆に、
フィールドゴールに失敗したら、かなり危ない状況なんじゃないか、と。
以前にも書きましたように、このあたりからのフィールドゴール挑戦は、
成功率があまり良くない上に、失敗したときに、
相手のオフェンスに、かなり良いポジションを与えてしまいますからねぇ。
あと、ここで3点取ったところで、「0対16」。
実は、まだ、2回のタッチダウンで追いつける範囲でしかないので、
果たして、そういう「3点」を無理して取りに行く場面なのかなぁ、とも。
ここは、ニューイングランド・ペイトリオッツのビル・ベリチックヘッドコーチなら、
ギャンブルにいったところではないでしょうか。
(パーマーの調子が良かったことと合わせて考えると、余計に)
ちなみに、以前、ご紹介いただいた、「ベリチックも読んだ」という論文の資料によると、
敵陣28ヤード地点で「フォースダウン残り3ヤード」なら、
完全に「ゴー」すべき場面のようです。(まだ全部読み終わっていないのですが)
で、案の定、ベンガルズKシェイン・グレアムの46ヤードフィールドゴールは失敗し、
レイヴンズのオフェンスは、自陣37ヤード地点という良い位置から開始。
そして、試合時間を1分以上残して、タッチダウンを奪ったのでした。
これで、「7対13」。
もちろん、次はオンサイドキック。
これが成功したら、流れ的に、十中八九レイヴンズが逆転勝ちするだろう、と思われたので、
ハラハラして見ておりましたが、なんとか、失敗に終わりました。
そして、試合終了。
いやぁ、なんとか逃げ切りましたが、最後のフィールドゴール挑戦からの一連の流れは、
明らかに、ベンガルズ側の「失策」と言えるんじゃないでしょうかね。
もちろん、「オンサイドキックなんか、ほとんど成功しないだろう」ということや、
「この短時間に2回もタッチダウンするのは難しいだろう」ということを考えれば、
別に、あの場面でのフィールドゴール失敗なんて、痛くないという考えもあるでしょうが、
だったら、なおさら、フィールドゴール挑戦じゃなくて、
ギャンブルにいくべき場面だったんじゃないかと。
「もし成功していたら、展開が楽になっていたんだから」というのは、
それこそ、本当の意味での「ギャンブル」(一か八か)的な考えだと思います。
・・・と、そんな感想の試合でした。