面白い試合に感謝



NFL第5週マンデーナイトゲームNHKBS1で放送していた、
ダラス・カウボーイズバッファロー・ビルズの試合の感想を。


なんなんだ、これは。


ありがとうございます。
まずは、こんな面白い試合を、結果を知らずに映像で見ることが出来た幸運に感謝を。


プレーオフじゃないのに、こんなに興奮した試合は、初めてかもしれません。
試合終了後に、自然と涙が出てきましたよ。


いやぁ、ホント、見所の多い、面白い試合でした。


まずは、Pマット・マクブライアーPブライアン・ムーアマン


さすが、現在のNFLで、
「ナンバー1パンター」と「ナンバー2パンター」と言っても過言ではない2人。


試合序盤を盛り上げてくれましたねぇ。


特に、ムーアマンファーストダウン獲得とその後のパントは、
終始ビルズが試合を優位に進められた要因の「始まり」と言えるものでした。


気合の入ったパンター、というのは、何か、見ていて微笑ましいものがあります。


一方のマクブライアーも、さすがの「良いパント」でしたが、
実は、この試合では、2回しかパントをしていなかったんですよね。


普通、「2回しかパントをしていなかった」と言えば、
「オフェンス絶好調、得点しまくり」を意味するのですが、この試合は違います。


その原因が、この試合の「見所」だった、その2。


ダラス・カウボーイズQBトニー・ロモの、前半だけでの4インターセプト


ビルズのディフェンスが頑張っていた、ということもあったのでしょうが、
どちらかといえば、「ロモ、大乱調」といった感じでしたね。


いやぁ、酷かった。


ちょっと笑ってしまったのは、「前半3インターセプト」の段階で、
シカゴ・ベアーズのQBカイル・オートン以来」というデータが出てきたことで。


うわぁ、そんなところでオートンの名前を出さないでー・・・。


しかし、ここまで酷い成績で、しかも、
インターセプトリターンタッチダウンも2つあったのに、
「10対17」という得点で前半が終わったのは、
ビルズにとって、非常に大きな「ミス」でした。


ええ、はっきりと「ミス」です。


いや、ビルズは、オフェンスが好調とは言えませんでしたが、
問題は、そこではなく。


一昨日にも書いたばかりですし、もう「耳にタコ」でしょうが、
どうも、NFLのヘッドコーチたちは、同じミスばかりするので、書かざるを得ません。


前半残り時間41秒。
54ヤードフィールドゴールの挑戦をしたのは、
結果論ではなく、ディック・ジャローンヘッドコーチの判断ミスです。


折り返しのカウボーイズオフェンスは、敵陣44ヤード地点という良い位置から始まり、
そして、フィールドゴールに結びつきました。


「7対17」で前半を終えられていれば、どうなっていたか。


極論すれば、これが、この試合のビルズの、最大の「敗因」と言ってもよいでしょうね。
(という指摘をマスコミとかがすれば、こういうミスも減ってくると思うんだけど・・・)


余談ですが、この「ミス」を犯さないヘッドコーチの代表格が、
ニューイングランド・ペイトリオッツビル・ベリチックヘッドコーチでしょう。


今シーズンのペイトリオッツは、大勝ばかりしていますが、
元々は、「接戦に強いチーム」でした。


目先を「成功すれば3点」というところにばかり向けず、
リスクを管理できることこそが、強いチームを作るための秘訣と言えるのかもしれません。


さて、そんなこんなで、7点差で後半突入。


前半を見る限り、負けてはいるものの、
カウボーイズの方が「普通にしていれば得点できる」というところが見られたので、
(逆に言えば、ビルズは、「ビッグプレー」でしか得点できなさそうな感じ)
実は、カウボーイズを応援しながら見ていた僕としても、心に余裕がありました。


このときに既に思っていたのは、
「4インターセプトも喰らいながら逆転勝利ってのは、ロモも面白いことをやるなぁ」、
って感じのことです。


・・・まさか、その後、更にこの数字が伸びるとは思ってなかったもので・・・。


それだけではなく、後半も、キックオフリターンタッチダウンで突き放されましたが、
まだ、カウボーイズが負けるとは、ほとんど思えず、
第4クォーターの最初に「8点差」となったときには、
「ああ、ちょうど最後に勝ち越して終了かな」とか、本気で思ってましたよ。


それくらい、ビルズの「リード」には、何の裏づけも感じなかったのです。


それが、その後の、ロモのファンブルによるターンオーバーで、
一気に気持ちがひっくり返りました。


・・・ま、まさか、負ける・・・? 
(「気づくのが遅いよ」って突っ込まれそうなタイミングで)


そして、もう、ここからは、激しいジェットコースター。


下がって、(ビルズオフェンスにフィールドゴール圏内まで攻め込まれる)
上がって、(ビルズQBトレント・エドワーズインターセプト
下がって、(ロモのインターセプト
上がって、(3プレーでビルズオフェンスを止め、折り返しのオフェンスでタッチダウン
下がって、(ツーポイントコンバージョンに失敗)
上がって、(オンサイドキックに成功)
下がって、(敵陣25ヤード地点への「パス成功」が、レビューで無効に)
上がって、(残り時間2秒で敵陣35ヤード地点までボールを進める)
下がって、(Kニック・フォークフィールドゴールに成功したと思ったら、タイムアウト
そして、上がって。(フォークが、「もう1度」53ヤードフィールドゴールに成功)


・・・これだけ、「勝てる!」「いや、負ける・・・」という気持ちが繰り返されたのは、
多分、初めての経験なんじゃないかと思います。


この一連の流れの中で、ビルズの最大の「ミス」を指摘するとすれば、
やはり、エドワーズの喰らったインターセプトでしょう。


いや、僕は怪我で欠場中のJ・P・ロスマンを応援していますから、
エドワーズに「厳しい目」がいって、
ロスマンスターターの座が戻ってくるのは大歓迎なのですが、
ただ、このプレーに関しては、プレイコールのミスと言えるのではないでしょうか。


試合残り時間6分半弱。
リードは8点。
で、敵陣11ヤード地点。


パスなんか投げる場面ではありません。


そもそもが、その2プレー前の「パス失敗」からしても、
「時間を潰す」という観点から言って、大いにムダです。


これも、「リスク管理」の弱さですね。


想像を超える「ロモの不調ぶり」だったので、もつれにもつれましたが、
結局、ビルズは、負けるべくして負けた、という印象です。


・・・と、ビルズに対して、こてんぱんに書いてしまえるのも、
クォーターバックロスマンではなく、カウボーイズの応援に回っていたからなのですが。


これで、もし、ビルズを応援していたら、
ショックが大きすぎて、立ち直れないところだったかも・・・。


ビルズの「良かったところ」を書くとすると、
前半、じっくりと時間をかけたオフェンスを展開できたことではないでしょうか。


いや、ディフェンスに関しては「出来すぎ」で、
こんなことが毎週できるはずもないのですが、
「じっくり時間をかけたオフェンス」というのは、ある程度計算が立ちます。


また、オフェンスが時間をかけていたから、その間、ディフェンス陣はゆっくりと休め、
それがディフェンス好調の要因だった、ということも言えるかもしれません。


そういうオフェンスが功を奏して、カウボーイズに対して善戦をできたのは、
今後に向けて、かなり明るい材料だとは思います。


その要因がエドワーズにあったとするならば、
ロスマンは、ちゃんと、こういうところを吸収しておかないといけないですね。


インディアナポリス・コルツのQBペイトン・マニングなどを見ていても、
当代の「勝たせるクォーターバック」は、
とにかく、時間をかけたオフェンスを展開することが得意ですから、
その力を身につけてこそ、チームを率いることが出来るというものです。


「一発」の力は、エドワーズよりロスマンの方があると思うのですが、
今シーズンは、そのあたりも空回りしていますし、
この機会に、「新たな力」を身に付けて、フィールドに戻ってきてもらいましょう。


願わくば、ロスマンにとって、これが「良い休養だった」と言えるようになりますように。


・・・あれ? なんで、この試合の感想が、そういう終わり方になるんだ・・・?


まあ、とにかく、凄い試合でした。
改めまして、ありがとうございます、と感謝の言葉を述べて、締めさせていただきます。


以上、第5週マンデーナイトゲームの感想でした。