レギュラーシーズン終了



NFLヨーロッパのレギュラーシーズン最終週、
第10週の試合の感想です。


まずは、フランクフルト・ギャラクシーベルリン・サンダーの試合。


いやぁ、苦戦しましたねぇ、ギャラクシー


第2クォーター途中で0対13まで開いたときには、
うわぁ、このまま負けるのか、と思ってしまいました。


苦戦した要因は、まず、ファンブルインターセプト


第1クォーター、0対3とされた直後のドライブの2プレー目に、
ギャラクシースターターQBクレイグ・オクスファンブル
自陣でボールを明け渡すことになってしまい、そのままフィールドゴールにつながります。


これで0対6。


さらに第2クォーター、サンダーのオフェンスをインターセプトで断ち切ったものの、
自陣2ヤード地点からのオフェンス、という場面で、
控えQBジェフ・オーティスが痛恨のインターセプト


これが、2プレー後にタッチダウンに結びつき、0対13。


さらにさらに、その直後のドライブの2プレー目に、
またもや自陣内でオーティスインターセプトされてしまい、
もう、どうにもならない状況になってしまったかと思われました。


しかし、ここから状況が一転します。


このインターセプト後のサンダーのオフェンスはフィールドゴール挑戦に持ち込むのですが、
ここまで30ヤードと47ヤードの2本のフィールドゴールを成功させていた、
サンダーKゼイヴィアー・ベイティアが、29ヤードの距離で失敗。


その折り返しのドライブで、ギャラクシータッチダウンを挙げ、7対13。
反撃の狼煙を上げて、前半終了。


そして、第3クォーターに、またタッチダウンを挙げて14対13と逆転した後、
この試合、最後の「勝敗のポイント」が第4クォーターにやってきます。


試合残り時間4分30秒ちょっと。
敵陣13ヤード地点まで攻め込んだサンダーフィールドゴールチャンス


残り時間から考えても、ここで逆転されると、ギャラクシーには厳しいところ。
しかし、この30ヤードのフィールドゴール挑戦は、
またもや失敗という結果に終わってしまいます。


こうなれば、後は、時間を潰すのみ。
そのままギャラクシーの勝利となりました。


はっきり言って、サンダー側のミスがなければ、勝利が危うかった試合でしょう。
来週のワールドボウルに向け、非常に心配なところ。


ただし、苦戦した要因の「その2」がありまして。
それは、ギャラクシーRBロジャー・ロビンソンの「スロースターター」ぶり。


以前も、そんなことを書いたことがありましたが、
ロビンソンは、前半と後半で明らかに出来が違う傾向がありまして、
それこそ前半は、「ファーストダウンまであと1ヤード」というのを取れなかったりして、
オフェンスの足を引っ張るかのような出来だったりするんですよね。


結果、前半は16回42ヤードというスタッツに止まります。


しかし、後半になって、調子を上げてきたロビンソンは、
同じく16回走って、今度は91ヤード獲得という、段違いの出来。


これが、ギャラクシーが前半苦戦して、後半逆転勝ちを収めた要因の1つ、
と言えるわけです。


裏を返せば、「苦戦していても後半に盛り返す」ことが分かっているので、
これは、来週の試合でも、楽しみに出来るところではありますね。


さて、そういうわけで、ロビンソンはこの試合、133ヤードを獲得。
見事、「シーズン7試合の100ヤードラッシュ」と「シーズン通算1087ヤード」という、
2つのNFLヨーロッパ新記録を樹立しました。
素晴らしいですねぇ。


そして、もちろん、この勝利によって、ワールドボウル進出決定。
来週の試合でも頑張ってもらいたいものです。


サンダーは、これで2勝7敗1分でシーズン終了。
結局、後半5試合は全敗という散々な結果に終わってしまいました。


昨年まで5年間で、ワールドボウル優勝3回準優勝1回という成績を残すサンダーとしては、
非常に不本意なシーズンとなってしまいましたが、
3年前にも3勝7敗という成績に終わりながら、
翌シーズンにはワールドボウル優勝を果たしています。


また来シーズンに期待しましょう。


さて次に、ケルン・センチュリオンズライン・ファイヤーの試合。


試合結果から書けば、前半10対7とセンチュリオンズにリードされながらも、
後半2タッチダウンで逆転したファイヤーの見事な勝利でした。


しかし、ギャラクシーが勝利したために、ワールドボウル進出は逃してしまうことに。
返す返すも、先週の敗戦が悔やまれるところ。


それにしても、この試合は、やはりファイヤーの「ウリ」である、
ディフェンスの活躍が目立つ試合でした。


ファンブルを発生させたのは、さすがというところでしょう。
(結果としてターンオーバーは1つだけでしたが)


今シーズン通算で、相手チームから23ファンブルを発生させ、
うち12回ターンオーバーというのは、全チーム中ダントツのトップとなります。


ファイヤーは、これにより6勝4敗でシーズン終了。


シーズン開幕から4連勝を飾りながら、ワールドボウル出場できなかったというのは、
チームとしては悪夢というほかないでしょう。


結果論で書けば、その要因は、
オフェンスとディフェンスの「出来」が噛み合わなかったことかと思います。


シーズン序盤は、ディフェンスが非常に素晴らしかったため、
オフェンスは大したことなくても勝利を重ねることが出来ていました。


しかし、シーズン中盤でディフェンスがちょっと崩れて敗戦が重なると、
シーズン終盤には、オフェンスが更に崩れて、失点が少なくても勝てなくなります。


最終週では上手く噛み合ったのですが、ちょっと遅かったですね。


この借りは、来シーズン返してもらいましょう。


センチュリオンズは4勝6敗でシーズン終了。
勝率5割、そして、「3位タイ」というのには届きませんでした。


ただ、前半1勝4敗から、ここまで盛り返したのですから、
よくぞ、というところでしょう。


これで、チーム創設以来3年間の成績が、
「4勝6敗(4位)・6勝4敗(3位)・4勝6敗(4位)」という、
まあ、なんとも中庸というか、中途半端というか。


来シーズンこそ、大きいところを目指してもらいたいですね。


さて最後に、ハンブルグ・シーデビルズアムステルダム・アドミラルズの試合。


これは、まあ、なんとも見たままの試合というか、なんというか。
前半17対0でリードしていたシーデビルズが、そのまま34対21で勝ちました。


ファンブルだとか、インターセプトだとか、
まあ、細かいところを言えば、アドミラルズの敗因はいろいろあるんですけども、
結局は、アドミラルズが「本気」の試合をしていなかった、というところで。
(出場していた選手個人個人は、もちろん頑張ったんでしょうけども)


エースレシーバーWRスカイラー・フルトンも、
第2クォーター早々、2キャッチしただけで引っ込んでしまいました。
(怪我・・・とかじゃないですよね?)


フルトンがこの試合で残したスタッツは、「18ヤード獲得」。
というわけで、あと50ヤード獲得すれば達成するはずだった、
シーズン通算レシーブヤードのNFLヨーロッパ新記録は、達成できませんでした。


まあ、チームとしては、個人記録よりもワールドボウルタイトル、ということなのでしょう。
ちょっと残念でしたけどね。


とにかく、来週のワールドボウルで頑張ってもらいましょう。


シーデビルズは、先週までの好調さをそのまま持ち込んで、
3連勝という、素晴らしい形でシーズンを終えることが出来ました。


今週も控えクォーターバックとして第2クォーターから出場したQBブロック・バーリンは、
記録だけ見れば、あまり大したことないようにも見えますが、
第1クォーター3点しか取れていなかったオフェンスが、
第2クォーターで14点を追加できていますし、
結局、そのまま後半は全部バーリンが担当しています。


何か、「チームを勝たせる」力が、バーリンには付いてきたのかもしれませんね。


・・・やっばり、ちょっと遅かったのですが。


ただ、シーデビルズはこれで3勝6敗1分。
サンダーを抜いて、単独5位でのシーズン終了となりました。


ほんの3週間前まで、「未勝利チーム」として底辺をさまよっていたことを思うと、
素晴らしい盛り返しだったと思います。


チーム創設2年目のシーズンは、悪いことばかりではありませんでした。
3年目の来年、飛躍を期待しましょう。


さて、これにて、レギュラーシーズン終了。


 1位 アムステルダム・アドミラルズ
 1位 フランクフルト・ギャラクシー
 3位 ライン・ファイヤー
 4位 ケルン・センチュリオンズ
 5位 ハンブルグ・シーデビルズ
 6位 ベルリン・サンダー


レギュラーシーズン結果は、こんな形になりました。


3月16日の日記」で、シーズンの「希望」を書いていましたが、
それと見比べてみると、・・・うーん、なんとも微妙な感じ・・・。


まあ、各チームに思い入れを持つことができ、
全体としては、非常に楽しむことができました。


今から来シーズンの話をするのは早すぎますが、
来シーズンこそはセンチュリオンズに頑張ってもらい、
また、シーデビルズの飛躍というのにも期待したいなぁ、と思う次第。
(もちろん、どの選手がどのチームに入るかでも変わってくるでしょうが)


ワールドボウルの展望は、また後日。


以上、NFLヨーロッパ第10週の感想と、レギュラーシーズンのまとめでした。