言葉の要らない素晴らしい試合



本日は、時間の都合でカレッジの話題だけ。


というか、NHKBS1で放映していた、
ワシントン・レッドスキンズフィラデルフィア・イーグルスの試合は、
まだ見ていません。(もちろん結果は既に知っていますが)


その試合を録画しながら、昼間に録画してあった「ローズボウル」を見ていました。


明日は、その結果を含め第17週のことをまとめて書くつもりですが、
間に合わない場合は、「ワイルドカードプレーオフの希望(まとめ)」を、
先に掲載するかもしれません。
年末年始のドタバタで、まだ、第17週のデータ等をまとめられていませんので・・・。


というわけで、本日、今シーズンのカレッジフットボールが終了しました。


BCS全米選手権USCテキサス大
期待を裏切らない、素晴らしい試合でした。


もう、アメリカ中のフットボールファンが満足しているのではないでしょうか。


なんか、見ていて途中から涙が出てきました。
いやぁ、今シーズンからカレッジに本格的に興味を持って本当に良かったです。
心からそう思います。


例えば、第1クォーター、USCが7点先制した後、
テキサス大の最初のドライブで、ほぼフィールド中央あたりなのに、
フォースダウンギャンブルをしたり、(結果失敗)
その後のUSCドライブで、敵陣19ヤード地点でフィールドゴールは確実なのに、
フォースダウンギャンブルをしたり、(結果失敗)
・・・というようなことがありました。


冷静に考えると、どちらも戦略的に「無茶」と言えそうですが、
あの雰囲気を感じれば、当然の戦略とも考えられたりもします。


アメフトは、「頭脳戦」と言われるほど戦略が重要なスポーツですが、
「冷静な戦略」など吹き飛ばしてしまうくらいの「熱い戦略」が、
試合の行方を左右してしまう、ということも、魅力の1つなのだと思います。


そんな魅力が、最初から最後まで詰まった試合でした。


USCのQBマット・ライナートは素晴らしかったです。
今年のハイズマン賞受賞者RBレジー・ブッシュも素晴らしかったです。
そして、その2人の影に隠れていましたが、
RBレンデル・ホワイトは、この試合では前述2人をしのぐ「MVP級」の活躍でした。


しかし、それ以上に、テキサス大のQBヴィンス・ヤングが素晴らしかった。


そんな試合でもありました。


ヤングは、「ちょっと体格の大きいマイケル・ヴィックアトランタ・ファルコンズ)」と、
紹介されたりしていましたが、
まさしく、その通りの、「アスレチッククォーターバック」でした。


僕は、ヴィックも好きな選手ですが、
どちらかというと、「ポケットパッサー」と呼ばれる、
「典型的なクォーターバック」の方が好きなので、
なんとなく、ライナートの方を応援して見ていました。
(あえてNFLに行かずにカレッジに残った「粋」も感じていましたし)


・・・ので、この結果自体は非常に悔しいものです。


それでも、この素晴らしい試合内容・結果には、
拍手でヤングを称えたいと思います。


印象的だったのは、残り時間19秒、フォースダウン残り5ヤードの場面で、
逆転の「タッチダウンスクランブル」を決めた直後、
周りの大騒ぎとは対照的に、何も大げさに喜ぶことなく、
ただ、「成し遂げた」という感慨にふけっているような、そんなヤングの姿。


何か、ジーンとしました。


そして何より、この試合、全体的に漂っていたレベルの高さ。


今シーズン、「MACチャンピオンシップ」や「ニューオリンズボウル」から、
カレッジフットボールの試合を見始めたのですが、
それぞれに面白かったとはいえ、正直、
「ああ、やっぱり、アメリカでもカレッジのプレーは、それなりなんだな」、
と思っていました。


例えば、NFLの試合を見た後に、日本のアメフトの試合を見ると、
当たり前ですが、「なんか、パッとしないな」と感じるところがあると思います。
(日本のアメフトを貶めているわけではありません。当然のことでしょう)


それと同じような感じを、カレッジフットボールの試合を見たときにも、
感じていたりしました。


NFLはアメフトの「最高峰」なわけですから、
それは「当然のこと」として受け止めて、ここまで見てきていたのですが、
このローズボウルの試合からは、そんなことはひとかけらも感じられませんでした。


もちろん、「NFLより上」とは言えません。
さりとて、「NFLの方が上」とも言えない、というような。


タックルを受けてから、そこで簡単に止まらずに、
ひたむきに前に進もうとし、実際に何ヤードか前に進んでしまう。
そんなプレーを、誰か1人の選手だけではなく、
ほとんど全員の選手が見せていた。


こんなところは、「カレッジならでは」と思え、
レベルの上下を超えたものを感じさせてくれました。


この試合については、これ以上、語る言葉はありません。
本当に、ただ、ただ、素晴らしかったです。


さて、この結果を受けて気になるのが、NFLドラフトの行方。


ブッシュの全体1位指名が確実視されていましたが、
3年生であるブッシュは、この敗戦を受けて、
来年もカレッジに残る可能性も出てきたのではないでしょうか。


ヤングも3年生なのですが、
こちらは、来年もカレッジに残って今年逃したハイズマン賞を目指す、
ということが大いに考えられます。
ただし、アーリーエントリーの可能性が無いわけではありません。


その場合は、ライナートヤング、どちらがNFLで高く評価されるかが注目されます。


また、ふと思ったのは、
チームは負けたものの大活躍したホワイト(3年生)は、
この印象を重視して、アーリーエントリーしてくるかもしれない、ということ。


もしブッシュがカレッジに残るなら、その可能性は高まるのではないか、
と勝手に想像しております。


ブッシュと同じドラフトに出たら、ブッシュの方が上の評価を受けるでしょうし、
また、来年一緒にカレッジに残っても、
やはり、エースランニングバックブッシュでしょうし。


今後、数日以内に同行は確定するでしょうから、注目していきたいところです。


いやぁ、なんか、NFLプレーオフはまだこれからなのに、
もう、今シーズンのアメフトは全てが終了したような気分になってしまいました。


NFLプレーオフ、そしてスーパーボウルでも、
この「熱い試合」に負けない試合を期待したいと思います。