いよいよワールドボウル!
さあ、いよいよ、NFLヨーロッパの今年のチャンピオンを決める一戦、
ワールドボウルがやってまいりました。
アムステルダム・アドミラルズ対フランクフルト・ギャラクシー。
現地5月27日(土)午後6時(日本時間28日(日)午前1時)キックオフです。
見所は、まず、やはり「オフェンス対決」というところでしょう。
アドミラルズは、WRスカイラー・フルトンやWRチャド・ルーカスらを擁し、
パスオフェンスを「爆発」させてきます。
対するギャラクシーは、RBロジャー・ロビンソンやRBブッチー・ウォレスの、
ランオフェンスを「細かく、時々、爆発」という感じでしょうか。
「オフェンス対決」と言いながらも、あまりクォーターバックが注目されない、
というのは、なかなか珍しいですね。
ただ、アドミラルズのオフェンスの核となるフルトンは、
先週の試合中に怪我をしていたらしく、(さっさと引っ込んだのはそのためのようです)
試合出場は可能なようですが、影響が懸念されます。
対するギャラクシーも、ここのところスターターだった、
QBクレイグ・オクスが、怪我のため、こちらは「アウト」(出場可能性0%)。
ここに来てのクォーターバック交代は、もちろん「影響なし」とはいかないでしようが、
ただ、幸いにもランオフェンス中心のチームですので、
そんなに「最悪の事態」というほどのことはないでしょう。
そういうわけで、この「オフェンス対決」は、
ややギャラクシーに分があるかな、という感じです。
ただ、アドミラルズは、第9週の直接対決の時には、
「ディフェンスで粘って」勝利を収めており、
その再現が出来れば、という面もあります。
先週、ハンブルグ・シーデビルズ相手に34点も取られたのには、
ちょっと不安を感じないでもないですが、
先週の試合は、ワールドボウル出場が決まった後の試合だった、ということで、
度外視しても良いかもしれません。
では、対するギャラクシーのディフェンスはどうかというと、
これが、意外と素晴らしくて、(あまり印象には残ってないのですが)
レギュラーシーズン通算のチーム別喪失ヤードを見てみると、
なんと、「ディフェンスが良い」ライン・ファイヤーを抑えて、堂々の1位。
これは侮れません。
第3週の対戦時には、「大量得点対決」となっておりましたが、
当時とは、メンバーもチームの出来も変わってきていますし、
今回も、どちらかといえば、第9週のときのイメージで見たほうが良いのでしょう。
そうなると、「どちらのチームのディフェンスがより良いか」ということが、
勝敗を分けることも十分に考えられます。
ディフェンス選手で注目選手の名前を1人挙げるとしたら、
ギャラクシーのFSブランドン・ホウ。
第7週の週間MVP受賞者として紹介していた選手で、
昨日発表の「オールNFLヨーロッパ」にも選出されておりましたが、
今シーズン通算5インターセプトで、これがリーグ1位。
この試合でも「ビッグプレー」が出れば、
俄然、ギャラクシー優位の試合展開となっていくでしょう。
アドミラルズのディフェンス選手では、ナショナルプレーヤーの、
LBカールヨハン・ビョークに注目しておきます。
第4週で週間MVPを受賞して以降、あまりパッとしておりませんが、
昨シーズンの「ワールドボウル優勝経験者」の1人として、
大舞台での活躍を期待したいところです。
そして、忘れてはいけないのが、アドミラルズWRノリアキ・キノシタ。
「日本人選手である」ということは除いても、
十分に、この試合の注目選手の1人として挙げられる選手でしょう。
アドミラルズが、シーズン終盤、やや苦戦していたのは、
もちろん、QBギブラン・ハムダンの戦線離脱によるところが大きいのですが、
それと共に、キノシタの怪我での離脱の影響もあったと思います。
キックオフリターンの平均獲得ヤードが大きい、ということは、
当たり前ですが、それだけ前の位置からオフェンスを開始できる、ということ。
「1ヤードでも前に進む」ことが重要視されるアメフトでは、
このアドバンテージは、非常に大きなものであると言えるでしょう。
怪我から復帰して以降は、全て20ヤード前後のリターンに止まっていますが、
50ヤードを超えるようなビッグプレーが生まれれば、
アドミラルズのオフェンスを大きく後押し出来ます。
期待したいですね。
過去の対戦成績は、今シーズンのアドミラルズの「2連勝」で、
ついに、12勝12敗の五分となりました。
ただし、忘れてはいけないのが、1995年、第3回ワールドボウルでの対戦。
チーム創設1年目でワールドボウル出場を果たしたアドミラルズですが、
この試合で、ギャラクシーに負けてしまい、
次にワールドボウルに出場するまでに、10年の歳月がかかってしまいました。
昨シーズン、念願のワールドボウルタイトルを手に入れたアドミラルズ。
狙うは、史上2チーム目の「連覇」、そして、95年のリベンジです。
僕の「希望」は、ロビンソンの大活躍が見られること、
そして、キノシタのビッグプレーが見られること。
とにかく、最後までどちらが勝つか分からないような、
良い試合であることを期待します。
ちなみに。
試合に先立って行われた、アドミラルズ対ギャラクシーのボーリング大会では、
2ゲーム合計で350点をマークした、アドミラルズLBリキヤ・イシダが優勝したそうです。
・・・いや、何の参考にもならないけども。
以上、第14回ワールドボウルの展望でした。