オフェンスが進んでも、それだけでは勝てない



今週は、NFL第11週の試合の感想を、日曜分・月曜分まとめて。


まずは、ミネソタ・ヴァイキングスマイアミ・ドルフィンズの試合から。


いや、もちろん、この試合は、ドルフィンズのディフェンス陣が頑張って、
ドルフィンズ勝利となったんだと思いますよ。


思いますが、僕としては、「QBジョーイ・ハリントン目線」で。


・・・以上、先週と全く同じ書き出し。


いや、これが、悪くないんですわ、ハリントン
本当に。


本当なんだって。


・・・多分、スタッツだけ見ると、そう思ってもらえないと思うのですが、
「Play-By-Play」で見ていて、「ああ、またスタッツに残らないような活躍を・・・」、
と、何度思ったことか・・・。


とにかく、この試合、ドルフィンズのランオフェンスが全く出ない出ない。
トータル、マイナス3ヤード。
・・・なんだよ、マイナスって。


で、まあ、あまりにも出ないんで、パス中心オフェンスに完全に切り替えているのですが、
よくここでも触れているように、「ランが出てこそパスも出る」というのが基本ですから、
パス一辺倒では、ちょっと苦しくなるところでしょう。


ところがどっこい。


順番に見ていきます。


まず、最初のドライブで、いきなり9回連続パスプレーをして、
自陣32ヤード地点から敵陣1ヤード地点まで、「パスだけで」持ってきています。


ここで、1回目の「ああ、またスタッツに残らないような活躍を・・・」。


直前のパスプレーで、タッチダウンまでいっていれば、
ハリントンの活躍」というのが記録上にもよく残るのですが、1ヤード手前ですからね。
さすがに次は、ランプレーでタッチダウンを取りに行くでしょう。


で、案の定、RBロニー・ブラウンが持って走りますが、
なんと、ここでファンブル


ターンオーバーとなり、全て無に帰しました。
(ちなみに、この折り返しのヴァイキングスのオフェンスはタッチダウン


次のドルフィンズオフェンスは、ランが進まず終了。


3回目は、敵陣44ヤード地点という良いフィールドポジションから開始で、
最初に25ヤードパスを通して、フィールドゴール圏内へ。
ただ、その後は冴えず、結局フィールドゴール止まり。


そして、4回目のドライブは、この日、1番良くて、
自陣16ヤード地点から、4回連続パスプレーの後、ハリントンのランが1回、
そして、また3回連続パスで、逆転タッチダウンとなりました。


次のドライブは冴えず。
前半終了。
この時点で「7対10」、ドルフィンズ3点リード


後半最初のオフェンスでは、58ヤードタッチダウンパスが成功、
・・・かと思いきや、反則でふいに。
結局、そこからは進めず。


次のドライブは、自陣43ヤード地点から、
6回連続パスプレーで敵陣26ヤード地点まで運ぶも、
Kオリンド・マーレイが44ヤードフィールドゴール失敗。


次のドライブは、いきなり最初のプレーでインターセプト
これは、良くなかった。
(折り返しのヴァイキングスドライブフィールドゴール


・・・で、第4クォーターは、「13対10」ヴァイキングス3点リードの状態から、
ファンブルリカバーリターンタッチダウンインターセプトリターンタッチダウンと、
ドルフィンズディフェンスの大活躍が始まって、
オフェンスは3回ドライブがあるもいずれも冴えず。


最終的には、「20対24」でドルフィンズの勝利となりました。


以前にも書きましたが、本当にハリントンは、
パス・パスと続けていった方が調子が出るタイプですねぇ。
今書いてきた中だけでも、「・・・回連続パス」というのが何度もありました。


逆に、間にランニングバックランプレーを挟むと調子を落とすという感じも。


最終的には、ランプレー14回に対し、パスプレー42回という偏りっぷりで、
それでいて、26回成功と、まずまずの成功率ですから、上々でしょう。


ただ、いつも大体、試合終盤になるにつれて、冴えなくなってくるので、
このあたりが、いまいちパッとしない要因であり、また今後の課題でもあるところです。


これで3連勝。


来週は、いよいよ(?)、古巣のデトロイト・ライオンズと対戦です。
頑張ってもらいたいですね。


以上、「今週のハリントン」でした。(そんなコーナーは無い)


次は、「今週のカー」のコーナーです。(そんなコーナーも無い)


バッファロー・ビルズヒューストン・テキサンズの試合。


そうそう、最初に書いておきますが、僕は、ビルズQBのJ・P・ロスマンも応援しています。
ですので、ロスマンがなかなか活躍してくれたことは大変嬉しいのですが、
この試合は、「テキサンズ勝利希望」で見ていましたので、非常に悔しい部分があり。


まず、この日、テキサンズのQBデイヴィッド・カーは、なかなか好調でした。


パス30回中25回成功だったのですが、なんと言っても、
そのうち22回が「連続成功」だったというのが特筆すべきところで。


これは、今シーズン第3週に、
ワシントン・レッドスキンズのQBマーク・ブルネルが残したNFL記録に並ぶものです。


そういえば、奇しくもその第3週の対戦相手は、テキサンズだったんですねぇ。


で。
なんで、それなのに、テキサンズは負けたのか、ということなんですけども。


第4クォーターに入った時点で、「17対21」とテキサンズ4点リード
テキサンズがオフェンスをしていましたが、敵陣40ヤード地点で止まります。


ここが、全ての始まりでした。


このときは、テキサンズPチャド・スタンリーのパントが素晴らしく、
ビルズは、自陣2ヤード地点からのオフェンスを余儀なくされます。
そして、これが、自陣25ヤード地点で止められます。


次のテキサンズのオフェンスは自陣28ヤード地点からで、ほとんど進めず、
次のビルズオフェンスは、32ヤード地点から開始。


・・・あれ? じわりと進んでないか・・・?


このビルズのオフェンスは、自陣47ヤード地点まで進み、パント。
テキサンズは、自陣11ヤード地点という苦しい位置から、
なんとか自陣30ヤード地点まで進むも、スタンリーがややミスパント。


次のビルズのオフェンスは、自陣38ヤード地点から開始。
・・・だんだん、オフェンス開始位置が良くなってきています・・・。


このビルズのオフェンスは、自陣44ヤード地点まで進み、
再びテキサンズは自陣11ヤード地点からオフェンス開始で、
今度は自陣19ヤード地点からパント。
ところが、またもスタンリーが、ややミスパント。


今度は、ビルズが自陣45ヤード地点からのオフェンスとなります。


そして。
このオフェンスで、見事に逆転タッチダウンを挙げたのでした。


もう、なんと言うか。
「Play-By-Play」を見ていて、この、ビルズオフェンス開始位置が、
「自陣2ヤード地点→32ヤード地点→38ヤード地点→45ヤード地点」と、
じわりじわりと進んでいるのに気が付いたときの恐怖といったら!


「うわぁ、こりゃ、逆転されるなぁ」と思って見ていたので、
案の定、という結末でした。


それから、テキサンズとしては、パントがあまり飛ばなくなったこともありますが、
リードしている第4クォーターに、相手に4回もオフェンス機会を与えてしまった、
というのが、そもそもの敗因に挙げられるでしょう。


特に、残り時間2分17秒で、自分たちにオフェンスが回ってきたのに、これが潰せず。
次のビルズオフェンスの開始時間は、残り時間1分44秒時点と、
たったの33秒しか消費できていません。


テキサンズは、ランオフェンスも、この試合188ヤード獲得と、
なかなか大きく出ているのですが、それなのに、
第4クォーター、ほとんど時間が潰せなかったのは、戦術ミスと言うしかないでしょう。


パスも良く、ランも良く、それほどのディフェンスピッグプレーがあったわけでもなく、
それなのに、この逆転負け。


あまりにも勿体無い負け方です。


ホント、テキサンズには、勝てるだけの力は備わっていると思うんだけどなぁ。


・・・と、世間一般的にはあまり注目されていないだろう2試合を取り上げて、
あとは、テレビ観戦試合の感想を。


まずは、「GAORA」で放映していた、
シンシナティ・ベンガルズニューオリンズ・セインツの試合について。


いやぁ、解説でQBドリュー・ブリーズが褒められるのを聞くのは嬉しいなぁ。


シーズン当初、セインツが快進撃を続けているときも、
RBレジー・ブッシュの名前ばかりが取り上げられて、
その後、新人WRマーケス・コルストンの活躍に注目が集まっても、
ブリーズの名前は、あまり聞こえてこなかったですからねぇ。


なんといっても、僕が今、セインツを応援しているのは、
ブリーズが移籍した」という、ただその1点のみなのですから。


ただ、まあ、この試合は、「ブリーズの一人相撲」的な負け方でしたね。


試合開始早々に、「ナンバー1ターゲット」のコルストンが負傷退場しましたが、
コルストンがいなくても、ブリーズのパスの勢いは止まりませんでした。
これは、「ブリーズの力」というものを、よく表していると思います。


この試合、8人のレシーバーに投げ分けているのですが、
そのうち5人が50ヤード以上獲得していたりするんですよね。
とんでもないです。


でも、敵陣10ヤード以内で2回もインターセプトされ、
また、他にインターセプトリターンタッチダウンもあり、ということでは、
いくらオフェンスが進んでも勝てないというものでしょう。


ところで、最後のセインツのオフェンス、
時間もないし、点差も開いているしで、ただ終わるのを待つのみだったと思いますが、
僕としては、ちょっとドキドキしながら見ていたことが。


この最後のオフェンスが始まる前、ブリーズのパス獲得ヤードは436ヤード。


ここから、パス、パス、パスで、どんどん進んでいって、
残り時間1分で、獲得ヤード481ヤードに。


おおっ、500ヤードいくんじゃないか・・・?


しかし、ここからは時間のみが進み、あまり稼げず。
残り時間10秒ちょっとで、獲得ヤードが489ヤード。


しかし、最後の1プレーで21ヤード獲得し、見事510ヤード獲得となったのでした。


・・・いや、だからといって、何の意味も無いんですけどね。
なんとなく、最後のパスが成功したときには、ガッツポーズしてしまいました。


2週連続、オフェンスを大きく進めながら勝てなかったのは残念ですが、
「詰め」さえ誤らなければ、セインツは強いチームなのだと思います。


そのあたりを調整して、来週以降、また頑張ってもらいたいものです。


なお、怪我のコルストンですが、次週の試合の出場可否は、まだ不明とのこと。
これは、非常に心配なところです。


さて次に、NHKBS1で放映していた、
インディアナポリス・コルツダラス・カウボーイズについて。


コルツ、負けましたね。


まあ、残念は残念ですが、負けた相手がカウボーイズだったのは良かったかな。
これで、カウボーイズも、プレーオフ戦線に残れたわけですし。


さて、コルツとしては、問題は「今後」でしょう。


昨シーズンは、連勝が途切れた後、いまいちパッとしないままプレーオフに突入し、
そして、プレーオフで敗れました。


幸いというか何というか、今年は、まだまだ6試合ありますので、
ここからプレーオフに向けて、どんな戦い方をするかが大事なところ。


コルツの敗因について、解説で、
「自分の土俵(ハイパワーオフェンス)で戦っていなかったから」と言われていて、
それはその通りだと思うのですが、
「今後は、自分の土俵で戦うようにすること」というのには、
あまり同意できないなぁ、と思うところです。


「昨シーズンまでの戦い方から脱却しなければプレーオフを勝ち残れない」、
と思ったから、今の戦い方に切り替えているのであれば、
結局、元に戻せばプレーオフで同じように負けるだけなのではないでしょうか。


むしろ、残りのレギュラーシーズン、何敗してもいいから、
「これならプレーオフを勝ち抜ける」というスタイルを、
しっかりと確立してもらいたいと思います。


そして、今シーズンこそ、スーパーボウル制覇を!
心より願っております。


それにしても。


カウボーイズKマイク・ヴァンダージャット・・・。
本当に、キッカーというのは、調子を崩すと一気にダメになるんだなぁ。


頑張れー。


では、最後に、マンデーナイトゲーム
ニューヨーク・ジャイアンツジャクソンビル・ジャガーズの試合について。


試合内容的にはジャガーズが圧倒していましたが、
なんだかんだで点差がつかなかったので、
「まずいなぁ」と、途中でちょっと思い始めていました。


こういう場合って、なんか、「劣勢」だった方が勝つことが多かったりするんですよねぇ。


でも、まあ、今日のジャイアンツの「劣勢っぷり」は、
そんなことではひっくり返らないくらいのものでした。


ジャガーズRBモーリス・ドリュージョーンズドリュー)は、
レシーバーレーティング」や「ランナーレーティング」で注目していましたが、
やっぱり、いい選手ですよねぇ。


この選手の存在だけでも、ちょっとジャガーズを応援したくなる気持ちが出てきます。


加えて、QBデイヴィッド・ギャラードもなかなか良いですね。


アトランタ・ファルコンズのQBマイケル・ヴィックのことで、よく書いているように、
ただただ走りまくるだけのクォーターバックというのは好きではないのですが、
こういう、基本的にはパスが上手くて、
大事なところで素晴らしいスクランブル能力を見せてくれるクォーターバックは、
非常に見ていて楽しいので、応援したくなります。


今日のスクランブルは、本当にお見事でした。


ああ、そうそう。


ジャガーズジャック・デルリオヘッドコーチがスーツ姿だったことについてですが、
「スーツは規定で絶対にダメ」と思っていただけに、
契約で2試合だけスーツ姿になっても良いことになっている、というのは驚きました。


いや、なんか、以前にチラッと耳にした覚えもなくもないような気がしないでもない、
・・・というくらいのあやふやな記憶ならあるのですが、まあ、ほとんど初耳で。


解説によれば、あのスーツもスポンサー(リーボックかな?)のもの、
とのことなのですが、だったら、全試合着用を認めてもいいのになぁ。


まあ、2試合だけでも着用してよいルールが出来ているのであれば、
今後は、どんどん緩和されていくのかもしれませんね。


試合の感想としては、以上ですが、今週は、
フィラデルフィア・イーグルスのQBドノヴァン・マクナブや、
グリーンベイ・パッカーズのQBブレット・ファーヴといった大物選手ほか、
怪我が非常に目立つ週になりました。


パッカーズなんて、代わりに出場したQBアーロン・ロジャーズまで怪我をして、
こちらがインジャリーリザーブ入り、という散々な状態ですし・・・。


シーズンが深まってくると怪我人が増えてくるは毎年のことですが、
どのチームのどの選手にも、残りのシーズン、元気で頑張ってもらいたいものです。


以上、NFL第11週の試合の感想でした。