ボウルゲーム中盤戦の紹介(後編)



では、昨日の「ボウルゲーム中盤戦の紹介」の続きを。


まずは、「ミュージックシティボウル」。


ACC」カンファレンス中位のクレムソン大と、
SEC」カンファレンス中位のケンタッキー大との対戦。


カンファレンス全体の評価としては、
ACC」より「SEC」の方が圧倒的に上ですが、
この両校の評価としては、クレムソン大の方が上のようです。


クレムソン大は、「ACC」カンファレンス優勝決定戦に出場したジョージア工科大に、
第8週のときに勝っていたりしますし、
BCSランキングでも、最高で12位という評価にもなっていました。(最終的には圏外)


対して、ケンタッキー大は、昨日出てきた同カンファレンスのアラバマ大同様、
フロリダ大LSUテネシー大といった「SEC」カンファレンス内の強豪校には、
確実に全て負けてしまっています。


SEC」カンファレンスの評価の高さというのは、
こうして見てみると、「飛びぬけた強さのチームが何チームもある」ということが要因で、
それ以外のチームはそうでもない、ということになるのかもしれませんね。


続いて、「サンボウル」。


このボウルゲームは、非常に歴史があり、
第1回は1936年ですから、70年目ということになります。


そういう「格」の高いボウルゲームですから、
出場してくるチームも、それなりに成績上位チームとなっていますね。


Pac-10」カンファレンスで「優勝2校」に続く3位だったオレゴン州立大と、
Big 12」カンファレンス上位のミズーリ大の対戦です。


オレゴン州立大の今シーズンの「ハイライト」と言えば、
第9週、USCに初黒星を付けた試合でしょう。


その後また盛り返しましたが、この敗戦が、
USCの「BCS全米選手権」への道が絶たれた一因であることは言うまでもないでしょう。


ただ、オレゴン州立大USCには勝ったものの、
それ以外の試合では、パッとしなかったことも多く。
もう1校の「優勝校」カリフォルニア大との対戦では、コテンパンにやられています。


対するミズーリ大は、昨日の紹介(12月28日の試合)でさんざん出てきた、
Big 12」カンファレンスの所属校なわけですが、
それらのチームとの対戦成績を見てみると、
カンザス州立大には勝っているが、テキサス農工大には負けている、
・・・という形になりますね。


「7勝5敗チーム」には勝って、「9勝3敗チーム」には負けて、
最終的にミズーリ大は「8勝4敗」だったわけですから、
まあ、まさしくちょうどその中間の実力、ということになるのでしょう。


ちなみに、このカンファレンスの優勝校である「注目校」オクラホマ大には負けています。


最終BCSランキングで見ると、オレゴン州立大が22位なのに対し、ミズーリ大は圏外。
ただし、ミズーリ大の最高位としては、20位というときがありました。


互角の良い勝負、ということになりそうですね。


次は、「リバティボウル」。


SEC」カンファレンス中位の南カロライナ大と、
C-USA」カンファレンスの優勝校ヒューストン大との対戦というのは、
また、実力差を測りにくいところですねぇ。


もちろん、「カンファレンス全体の評価」は圧倒的に「SEC」カンファレンスが上。


ただし、先ほどケンタッキー大のところで書きましたように、
必ずしも、中位のチームは、その「全体の評価」に見合った実力とは言えなさそうです。


南カロライナ大も、ジョージア大オーバーン大テネシー大アーカンソー大フロリダ大と、
SEC」カンファレンス内の強豪校には、確実に全て負けてしまっています。


ただ、その「5敗」以外は全て勝っていますので、
見方によっては、それらに次ぐ実力、と見えなくもないですが。


対するヒューストン大は、もちろんカンファレンス優勝校ですし、
例えば、同カンファレンスで注目していたUCFなどには、大勝していたりします。


ただ、別カンファレンスの注目校で、今シーズンはいまいちだったマイアミ大(フロリダ)に、
「13対14」という良い勝負ながら負けてしまっているあたり、
まあ、やはり「C-USA」カンファレンスなら、優勝校もそんなに高く評価できないかな、
というところではあります。


やっぱり、やや南カロライナ大が優位、って感じでしょうかね。


お次は、「インサイトボウル」。


Big 12」カンファレンス中位のテキサス工科大と、
Big Ten」カンファレンス中位のミネソタ大との対戦。


テキサス工科大は、たびたび出てきております「Big 12」カンファレンス所属校で、
オクラホマ大テキサス大、また、先ほど出てきたミズーリ大にも負けており、
まあ、それくらいの評価だよな・・・と思いきや、
「9勝3敗チーム」テキサス農工大の「3敗」のうちの1つが、
テキサス工科大との対戦によるものだったりします。


対するミネソタ大は、そんなにインパクトのある勝利もなく、
非常に「中位」らしい中位チームだなぁ、とそんな感じで。


ここは、テキサス工科大の優位は動かないでしょう。


12月29日の試合はもう1試合(全部で5試合)で、「チャンプススポーツボウル」。


Big Ten」カンファレンス中位のパーデュー大と、
ACC」カンファレンス中位のメリーランド大の対戦です。


パーデュー大は、先ほどのミネソタ大と同じような位置づけで、
やはり「中位」らしい中位チーム。
ただし、直接対決では、パーデュー大ミネソタ大に勝っていますし、
最終成績も、パーデュー大の方がやや上です。


対して、メリーランド大は、最初に出てきたクレムソン大と同じような位置付けで、
直接対決では、メリーランド大が勝っています。


つまり、「ミネソタ大よりちょっと上」のチーム対「クレムソン大よりちょっと上」のチーム、
・・・ということですが、まあ、それが分かったところで、
余計比較しにくくなっただけのような気もしますが・・・。


まあ、「クレムソン大よりちょっと上」ということから見て、
メリーランド大の方を高く評価しておいたほうが良いかな・・・というところです。
途中、BCSランキングでも23位に入っていたりしましたしね。


ところで、今気が付いたのですが、パーデュー大って、
レギュラーシーズン「8勝5敗」ということで、13試合しているんですねぇ。


いや、2ディビジョン制のところで優勝決定戦進出したチームは、
13試合しているのですが、その他のチームは、ほとんど12試合ですし。
もちろん、「Big Ten」カンファレンスの他のチームは、全部12試合。


なんでだろう・・・?
と思って、調べてみたら、最終戦ハワイ大との対戦が、
どうも、「特別な試合」っぽい感じでした。(詳しくは分からなかったけど)


ちなみに、ハワイ大(「WAC」カンファレンス所属)も、全13試合でした。
来シーズンもあるだろうから、この対戦は、ちょっと注目しておくかな。


さて、12月30日に移って、「マイネケカーケアボウル」。


独立校」で9勝3敗の海軍士官学校と、
ACC」カンファレンス上位のボストンカレッジの対戦となります。


独立校は実力が図りにくいというところもありますが、
「9勝3敗」という成績なら立派なところで。


ただ、同じ「独立校」のノートルダム大には負けています。


ボストンカレッジは、ランキングに出たり入ったりしていたので、
たびたび日記でも触れておりまして、BCSランキングの最高位も15位。
最終的には24位に落ち着きましたが、実力上位なのは間違いないところです。


ハイレベルな「互角の良い勝負」を期待したいところですが、
若干、ボストンカレッジの方が優位、ということになりそうですね。


続いて、「アラモボウル」。


Big 12」カンファレンス上位のテキサス大と、
Big Ten」カンファレンス中位のアイオワ大との対戦になります。


テキサス大は、昨シーズンの「全米ナンバー1」チーム・・・ということもありますが、
同カンファレンスの「注目校」オクラホマ大との絡みで、
たびたび、この日記でも登場しておりましたね。


第2週で、オハイオ州立大との「ランキング1位対2位対決」には敗れたものの、
それ以外の試合には勝っていって、再浮上。
BCSランキングでも、5位にまで上がってきていました。


ところが、最後の2週間で、まさかの連敗。


結果、カンファレンス優勝決定戦への出場まで逃してしまう、という、
なんとも散々な結果に終わってしまったのが、今レギュラーシーズンということになります。


最終BCSランキングは19位。


とはいえ。
実力上位なのは、疑うべくも無く。


ちと、この対戦カードでは、対戦相手のアイオワ大が、
かわいそうな感がしないでもないのですが・・・。


ただ、テキサス大にとってみれば、しばらく勝っていないわけで、
この「不調」にアイオワ大が付け入れるかどうか、というところかもしれません。


まあ、普通に考えれば、テキサス大の圧勝かな。


さて、12月30日の試合3試合目は、「チックフィルエーボウル」。


このボウルゲームは、昨シーズンまで「ピーチボウル」と呼ばれていたものです。


昨シーズンまでも、この「チックフィルエー」がスポンサーをしていて、
正式には「チックフィルエーピーチボウル」という名称だったのですが、
一般的には「ピーチボウル」と呼ばれてしまうため、
「スポンサー効果」を考えてか、改名に踏み切った模様です。


この「改名」については、かなり物議を醸したようで。
何せ、ピーチボウルは1968年創設で伝統がありますし、
また、「格」もかなり高いものと認識されています。


そんなボウルゲームの名前を、安易に変えてしまって良いのか、と。


ただ、まあ、お金が無ければボウルゲームを継続することは難しくなりますし、
スポンサーの存在は、重要なものです。
背に腹は代えられない、というところでしょう。


この問題は、この「ピーチボウル」だけの問題ではなく、
例えば、「4大ボウル」にも全てスポンサーが付いていて、正式名称はそれぞれ、
「トスティートスフィエスタボウル」「フェデックスオレンジボウル」、
オールステイトシュガーボウル」「ローズボウルプレゼンテッドバイシティ」、
・・・というものだったりします。


もちろんこれらも、正式名称で呼ばれることなどほとんどありませんから、
これらも次々と「改名」していくんじゃないか・・・という懸念が起こるのは、
当然のことなんでしょうね。


難しい問題です。


・・・と、話を試合に戻しましょう。


この試合は、「SEC」カンファレンス中位のジョージア大と、
ACC」カンファレンス上位のバージニア工科大の対戦となります。


ジョージア大が、これまでに出てきた「SEC」カンファレンス中位チームと違うのは、
実力上位校のオーバーン大に勝っているところでしょう。


オーバーン大は、この敗戦で、「BCS全米選手権」進出のみならず、
カンファレンス優勝決定戦出場さえも逃すこととなってしまいました。


また、ジョージア大は最終週に、「ACC」カンファレンス優勝決定戦に出場した、
ジョージア工科大に勝っていたりもします。


ACC」といえば、対戦相手のバージニア工科大の所属カンファレンスなわけですが、
バージニア工科大ジョージア工科大に負けていますので、
ここを軸に考えると、ジョージア大が上、という評価になりそうなところですね。


ただし、バージニア工科大も、侮れない成績を残しています。


「10勝2敗」という好成績ながら、カンファレンス優勝決定戦に出場できなかったのは、
その「2敗」が、どちらもカンファレンス内対戦でのものだったためで、
この点が、今シーズンのバージニア工科大にとっては、痛恨のところでしたが、
十分に素晴らしい成績です。


最終BCSランキングは15位で、「圏外」だったジョージア大と比べれば、
「侮れない」どころか、ダントツに上位ということになります。


そういう点も踏まえて、一般的には「バージニア工科大が優位」という評判のようですが、
僕として、「大物食い」のジョージア大が面白い試合をしてくれるのではないか、
・・・という期待をしてしまうところです。


さて、最後に、年末12月31日の試合、「MPCコンピューターズボウル」です。


この試合は、以前にも書きましたとおり、
マイアミ大(フロリダ)ネバダ大」という、
今シーズンずっと注目してきたチーム同士の対戦となりました。


この両チームのことは、シーズン通してずっと書いてきましたので、
ここでは詳細は省きたいと思いますが、他チームと同じような書き方をすれば、
ACC」カンファレンス中位のマイアミ大(フロリダ)と、
WAC」カンファレンス3位のネバダ大の対戦・・・という形になりますね。


マイアミ大(フロリダ)にとっては、好成績が期待されながらの散々なシーズンで、
せめて、「ギリギリ」出場が叶ったボウルゲームで勝って、
なんとか良い気持ちでシーズンを終えたいところでしょう。


ただ、僕としては、今シーズン、1位が無敗のボイジー州立大
2位がハイパワーオフェンスのハワイ大と、
非常にレベルが高かった「WAC」カンファレンスで3位だったネバダ大が、
ここで、素晴らしい試合をしてくれることに、期待したいところだったりします。


どちらにせよ、せっかく、「注目校」同士のボウルゲームでの対戦が実現したのですから、
良い試合であってもらいたいものですね。


・・・と、以上で、「中盤戦」の紹介は終わりです。


残るは、年明けの「終盤戦」11試合。


「年明け」と言っても、もう1週間後なわけですから、
早いところ終わらせないとなぁ、と思っております。