コルツの「勝ち方」
そうそう、昨シーズンどおり、というか、これまでどおりなのですが、
プレーオフ中も、NHKのBS1で放送されるまでは、その試合について触れませんので、
放送まで結果を知りたくない方も、安心して見に来てくださいな。
では、NFLワイルドカードプレーオフ、
カンザスシティ・チーフス対インディアナポリス・コルツの試合の感想を。
日曜日から試合放送してくれるのは、ありがたいですねぇ。
(昨シーズンまでは、プレーオフ中も月曜日からでしたので)
今シーズンは、放送時間が早めになったり、再放送が増えたりと、
NHKがNFLをプッシュしてきてくれているのは嬉しいところ。
ありがとうございます。
さて。
昨日、「私家版」オールプロについて書いた中で、
「マニングがインターセプトされまくる姿も浮かんできてしまいます」、
・・・と書いたときに、「うわぁ、こんなこと書いていると実際に起こりそうだなぁ」、
とか思っていたりしたのですが、本当に起こってしまいました。
いや、ホント、僕はQBペイトン・マニングとコルツを最も強く応援しているのですが、
この「インターセプトされまくり」には、頭を抱えるよりは、
なんとなく笑えてきてしまいましたよ。
チーフスのCBタイ・ロー、凄いなぁ。
「ナンバー1マニングキラー」ですね。
「GAORA」の放送の方で解説されていたのですが、
マニングの投げミス、あるいは、WRマーヴィン・ハリソンとのコミュニケーションミスと、
単純にはそう見えるのですが、そうさせているのは、ローのテクニックなのだとか。
これほどマニングから多くインターセプトできるのは、決して偶然ではないでしょうし、
マニングがたまたまロー対してにだけ投げミスする、ということも考えにくいところ。
やはり、ローは、「何か」を掴んでいるんでしょうねぇ。
恐るべし。
しかし、マニングは、3インターセプトも喰らいながら、
試合後にもスタッツが出ていましたように、
実は、30本もパスを通して、成功率も80%近くだったんですよね。
今シーズンの平均成功率と比べると、もちろん軽くオーバーしていますし、
それどころか、第8週・第15週に次いで3番目に高い成功率になります。
調子が良いか悪いかで言ったら、むしろ「良い」部類でしょう。
いやぁ、こんな変なパス成績、他の選手でも見たことないなぁ。
マニングがパス不調で負けるときは、インターセプトが絡んでいるとき、
・・・ということを以前に書いていましたが、
第14週のジャクソンビル・ジャガーズ戦で成功率50%という不調で負けていたように、
むしろ、成功率の方が重要になってきたのかもしれません。
これも以前に書きましたが、今シーズンのマニングは、
「1発ドカン」というパスは控えて、短く堅実なパスに徹している、
ということもありますし。
そういう意味では、3インターセプトされようとも、
この試合は、マニングの「勝ちパターン」だった、と言えるのかもしれませんね。
ただ、まあ、この試合のコルツの勝因は、
もちろん、第一にディフェンスの頑張りでしょう。
「長所」であるスピードを生かした、良いディフェンスでしたね。
あまりにもチーフスのオフェンスがちぐはぐだったので、
「コルツのディフェンスが良かった」というよりは、
「チーフスのオフェンスが悪かった」ということを言われるのでしょうが、
ランをしっかりと止めていたディフェンスは、褒められて然るべきでしょう。
特に、最初のインターセプト後に、タッチダウンを許さなかったのは、
この試合の大きなターニングポイントでした。
チーフスKローレンス・タインスのフィールドゴール失敗が酷かった、
・・・と思われるところかもしれませんが、その後の展開を見れば、
たとえ成功していても、そんなに大きく変わるものではなかったでしょうね。
それよりも、「タッチダウンを取られなかった」(逆転されなかった)、
という事実が大きいと思います。
そうそう、そういう意味では、インターセプトリターンタッチダウンを許さなかった、
マニングの「タックル」も、値千金でした。
いや、軽くかわされていましたし、実際に止めたのは後から来たハリソンでしたが、
マニングが立ちはだかってスピードを落とさせなかったら、
止めることは出来なかったでしょう。
まあ、そんなわけで、点差ほどの「快勝」ではなく、「耐えて勝った」印象で、
今シーズンのコルツらしくて、良かったんじゃないですかね。
ディビジョナルプレーオフでも期待します。
しかし、今、チーフスファンやメディアは、「敗因」をどう捉えているんでしょうかねぇ。
恐らく、QBトレント・グリーンに批判が集まるんじゃないかと思いますが、
解説でもあったように、特に前半はレシーバー陣のドロップが多かったわけですし、
オフェンスラインがディフェンス選手に抜けられまくっていたこともあり、
たとえQBデイモン・ファードが出ていたとしても、
ガラッと変わっていたかどうかは分からないところだと思います。
クォーターバックに批判が集まりやすいのは、仕方が無いところですけどね。
また、RBラリー・ジョンソンにあまり走らせなかったことを批判する向きもあるでしょうが、
そもそもオフェンス機会が少なかったわけですし、
実際走ったときにヤードを稼げていなかったのですから、
こういう回数(13回)になってしまうのも仕方が無いでしょう。
常識的には。
実際には、出なくてもラン、「サードダウンロング」でもラン、負けていてもラン、
・・・ということをやられると、コルツ側としては嫌だったと思いますけどね。
やっぱり、プレーオフでは、そんな勇気の要ることはなかなか出来ないんだろうなぁ。
それを実行して負けたら、それこそ「酷いプレイコール」になっちゃうし。
「キッカーの違いで負けた」というのも、どうでしょうねぇ。
まあ、キッカーの出来が逆だったら、
前半「3対3」で折り返す結果にはなったかもしれませんが。
(途中の展開が変わるので、この想定は大雑把すぎますけども)
・・・というわけで、僕としては、この試合のチーフスの敗戦の責任を、
例えばグリーン、例えばプレイコール、例えばタインス、
といったあたりに押し付けるのは、同意できないところです。
逆に、ディフェンスはインターセプトなどで頑張っていたのに・・・と言っても、
マニングにパスを成功されまくって、ランも結構出されて、
ファーストダウンを更新され続けていたのは事実ですし。
まあ、強いて言うならば、「試合に勝つこと」が仕事であるクォーターバックの責任ですが。
もちろん、「勝った試合は全てクォーターバックのおかげ」という前提ならば。
以上、ワイルドカードプレーオフ、チーフス対コルツの試合の感想でした。