「危うい」ブッシュ



NFLディビジョナルプレーオフNHKBS1で放送していた、
フィラデルフィア・イーグルスニューオリンズ・セインツの試合の感想を。


これもまた、良い試合でしたねぇ。


試合残り時間8分20秒からのセインツのオフェンス、
「このまま時間を使いきってくれー」と、僕は願うばかりでした。


さすがに、全て使い切るのは難しいかもしれないと思ってましたが、
敵陣35ヤード地点までたどり着くのに5分近くをかけることに成功し、
これなら、タイムアウトを使われても、なんとか逃げ切ってくれるはず。


・・・とか思い始めたその瞬間の、あのファンブル


心臓が凍るかと思いましたよ。


あれですね。
昨シーズンのディビジョナルプレーオフ
ピッツバーグ・スティーラーズインディアナポリス・コルツの試合で、
スティーラーズがほとんど勝利を確定させたところで出た、
RBジェローム・ベティスファンブル


あのときのスティーラーズファンくらいの気持ちだったのではないかと。
(僕は、その試合はコルツを応援して見ていましたが)


しかし、ディフェンスがよく頑張ってくれました。


先日、あんなことを書いたので、セインツのLBスコット・フジタには、
試合開始当初から注目していたのですが、これがまた、やられっぱなしでして。
きれいにブロックされて、その間にパスを通されたり、
脇を走り抜けられたりといったことが、何度あったことか・・・。


ところが、試合終盤になって、突然目覚しい活躍。
最後のディフェンスのときも大きく貢献していて、嬉しくなりましたね。


そして、イーグルスGスコット・ヤングの、痛恨のフォルススタート


イーグルスのコーチ(マーティ・モーニンウェグオフェンスコーディネーター?)の、
がっくりとうなだれている様子は、セインツを応援していた僕にとっても、
何か、胸に迫るものがありました。


これぞ、プレーオフ


素晴らしいぶつかり合いでした。


・・・と、最後の場面から振り返りましたが、試合全般を通して見てみると、
もっとセインツが圧勝していてもおかしくなかったのではないでしょうか。


とにかく、この試合のMVPはセインツのRBデュース・マカリスター
あんなに止まらないランプレーは、なかなか見られるものではありません。


もう、それだけでセインツの勝ちは決まったようなものだったはずなのに、
ところどころで出る、イーグルスオフェンスの「一発」で、接戦になっているという展開。


セインツを応援しながら見ていて、「この調子なら勝てる」と思いながらも、
得点的には負けていることで、非常にやきもきしてしまいました。


セインツの選手たちも、「これだけ攻めているのに、なんで・・・」という徒労感が増し、
もしかしたら、気持ち的に苦しくなって、焦っていたかもしれません。


そして、その代表が、RBレジー・ブッシュだったのではないでしょうか。


そもそも、試合開始早々のプレーで、とんでもない衝撃のタックルを受けて、
「やる気」が満々になっていたブッシュは、相当、「危うい」状態だったと思います。


それが良い方向に出れば「スーパープレー」、
悪い方向に出たら「空回り」・・・というような。


まさしくその通りに、「スーパープレー」も出ていましたが、
第3クォーターにはファンブルで危うくターンオーバーを引き起こしかけ、
プレーのミスでショーン・ペイトンヘッドコーチに怒鳴られ、
そして、最後のファンブル。(記録上はQBドリュー・ブリーズファンブルとなってますが)


最後のファンブルが目立つのですが、それが無くても、
ブッシュが「敗因」となって、セインツが負けることが十分にあり得ました。
そうならなかったのは、本当に良かったです。


ブリーズは、非常に「ブリーズらしい」感じで、
獲得ヤード数こそ伸びませんでしたが、ずっと安定していたと思います。


「レギュラーシーズン獲得ヤード数1位」というところが強調されますが、
実は、そういう数字の「派手さ」とは無縁の「堅実さ」こそが、ブリーズの真骨頂ですからね。
この試合のブリーズは「調子良かった」と言っていいでしょう。


でも、まあ、とにかく、この試合はマカリスターに尽きるでしょうね。


この「絶好調」のマカリスターを止められるチームが、果たしてあるのかなぁ、
・・・とまで思ってしまいます。


NFCカンファレンスチャンピオンシップでの活躍にも期待します。


そして、ブッシュは、今度は「空回り」しませんように・・・。


以上、ディビジョナルプレーオフイーグルス対セインツの試合の感想でした。