ロースターのポジション別人数構成(2007年版)



「6月1日」という日の意味については、毎年ちょっとずつ触れていますが、
改めて、その周辺のことを簡単にまとめておきます。



まずは、ここに書いてあることが基本です。


で、


>というわけで、そんな事情があって、
>毎年6月1日以降にトレードや解雇が頻繁に起こったりするのです。


とか書いていますが、実は最近はそんなことはあまり頻繁に起こらなくなっています。


各チームのサラリーキャップ対策が上手くなっていること等が、
その一因だと思われるところですが、実は、
サラリーキャップ枠がとんでもない速さで広がっていっているのが、
1番大きな原因なんじゃないかと、僕は思っていたりします。


つまり、2・3年前に結ばれた契約のサインボーナスなんか、軽く一括で吸収しちゃうよ、
・・・という。


それこそ、インディアナポリス・コルツのQBペイトン・マニングだとか、
アトランタ・ファルコンズのQBマイケル・ヴィックのような、
契約時に騒がれた「超大型契約」だと無理でしょうけども、そういった数例を除けば、
「当時は大きい契約だと思ったけど、今のキャップ枠で見てみるとそうでもない」、
という感じなんじゃないかと。


そうなれば、別に「6月1日」まで待つ意味はないですから、
その前に解雇してしまうでしょう。


で、そんな状況で、更に、昨年結ばれた新しい「労使協約」の中で、
各チーム2人まで、6月1日より前に解雇しても、
6月1日以降に解雇した場合と同じサラリーキャップ上の扱いとして良い、
・・・というようなルールが出来たりしたので、
ますます、「6月1日」の意味が薄れてきているんですよね。


まあ、このルールは、「元々解雇しようとしている選手」に対して適用されやすいもので、
他にも、フリーエージェントの獲得やドラフトを通して、
だんだんと必要なくなってきた・・・という選手もいるでしょうから、
一概に、このルールが出来たから「6月1日」以降の解雇が減った、
・・・とは言えないとも思いますけど。


と、まあ、そんなところが、
「6月1日」という日にまつわる近年の動きです。


で、それはそれとして。


そんなあたりにかこつけて、昨年、5月末に、
その時点の各チームのロースター構成(ポジション別人数)を調べて掲載していました。



「6月1日」の意味が失われつつあっても、
「ロースターが最大に膨れ上がっている時期」ということに変わりはないでしょう。


見比べてみる意味で、今年も、現時点のロースター構成を掲載したいと思います。


例によって、「95%くらいは正しいと思う」という程度で、
大まかに見てくださいな。

チーム名 QB RB FB WR TE OL DL LB DB KP 総計
アトランタ・ファルコンズ 5 5 3 12 7 16 16 10 15 4 93
アリゾナ・カーディナルズ 5 4 7 10 5 17 11 11 15 3 88
インディアナポリス・コルツ 5 5 2 13 7 17 19 15 16 4 103
オークランド・レイダーズ 5 5 5 16 6 17 13 11 16 2 96
カロライナ・パンサーズ 3 4 3 11 4 17 17 12 16 3 90
カンザスシティ・チーフス 6 8 1 10 6 17 14 12 16 3 93
クリーブランド・ブラウンズ 4 5 3 9 5 19 12 14 17 4 92
グリーンベイ・パッカーズ 4 6 3 14 5 17 15 12 16 4 96
サンディエゴ・チャージャーズ 4 8 3 11 7 15 12 13 14 3 90
サンフランシスコ・49ers 5 4 1 8 6 12 13 11 15 4 79
シアトル・シーホークス 5 4 4 9 6 14 15 10 13 3 83
シカゴ・ベアーズ 5 4 3 9 4 14 15 9 18 5 86
ジャクソンビル・ジャガーズ 4 5 2 7 7 16 13 9 17 3 83
シンシナティ・ベンガルズ 4 7 3 10 7 16 13 12 15 2 89
セントルイス・ラムズ 4 7 4 11 5 16 15 10 15 4 91
ダラス・カウボーイズ 6 4 3 11 5 14 10 12 15 4 84
タンパベイ・バッカニアーズ 7 5 4 13 7 17 14 11 15 3 96
デトロイト・ライオンズ 4 9 2 12 5 17 12 11 15 4 91
テネシー・タイタンズ 4 6 3 12 5 14 16 14 15 4 93
デンバー・ブロンコス 4 6 3 11 7 14 15 9 15 4 88
ニューイングランド・ペイトリオッツ 3 5 2 14 7 16 9 13 17 4 90
ニューオリンズ・セインツ 4 6 4 9 7 16 16 11 16 5 94
ニューヨーク・ジェッツ 4 6 3 10 5 15 14 13 16 2 88
ニューヨーク・ジャイアンツ 4 7 2 9 6 15 18 11 17 4 93
バッファロー・ビルズ 4 5 2 13 6 13 13 10 15 4 85
ピッツバーグ・スティーラーズ 4 6 3 13 6 15 10 13 15 4 89
ヒューストン・テキサンズ 5 6 3 9 6 15 15 8 15 3 85
フィラデルフィア・イーグルス 4 4 4 12 5 15 14 12 14 4 88
ボルチモア・レイヴンズ 4 6 2 7 5 12 11 11 15 4 77
マイアミ・ドルフィンズ 4 6 3 10 5 15 16 10 16 4 89
ミネソタ・ヴァイキングス 5 8 3 11 5 13 12 10 15 3 85
ワシントン・レッドスキンズ 6 6 3 13 5 14 17 10 16 3 93
総計 144 182 96 349 184 490 445 360 496 114 2860



今年は、ランニングバックフルバックワイドレシーバータイトエンドは、
欄を分けました。


昨年と見比べてみると、今年は全体的に人数が微妙に少ないようで、
総計で100人ちょっと少なくなっています。


まあ、昨年の数字にも今年の数字にも、きっと誤差がありますから、
そう考えると、これくらいは誤差の範囲内ではありますけども、
本当に人数が減っているとしたら、何か理由があったりするんですかねぇ?


特に、レイヴンズの「77人」、そして、49ersの「79人」は、いかにも少ないです。


そういえば、今オフの49ersと言えば、大型契約をバンバン結んでいたのですが、
ひょっとして、それでお金が足りなくなってしまったとか・・・?


・・・と言うと聞こえが悪いですが、つまりは、
「量より質」にした、ということなのかな・・・。


そう思って、改めて昨年の表を見てみると、
レイヴンズや49ersは、昨年もあまり人数が多くありませんでした。
昨年も傾向が同じ、ということは、特に今年「量より質」だというわけではないようで。


単純に、各チームごとの傾向なのかも。


この時期、サラリーキャップの影響は全員に及ばないので、
極端な話、安いサラリーの選手は何百人いても構わないわけですが、
そうは言っても、払わなくちゃいけないことに変わりはないですからね。


「全チーム平等」がモットーのNFLですが、このあたりには、
多少、「金持ちチーム」と「貧乏チーム」の差は表れてくるのかもしれません。


ちなみに、昨年、1番人数が少なかったのはラムズ(84人)でした。


逆に、昨年、1番人数が多かったのはレイダーズ(101人)。


レイダーズは、今年もそこそこ人数が多いですし、
他に、パッカーズバッカニアーズレッドスキンズあたりを見ても、
昨年も今年も人数が多い傾向にあるようです。


そういうあたりを見ますと、その年々の傾向というよりは、
やはり、チームごとの財政状況が、人数に直結してくるのかもしれませんね。


今年、1番人数が多いのはコルツ(103人)ですが、昨年はそんなに多くなかったので、
このあたりが「スーパーボウル制覇効果」だったりして・・・?


最後に1つ。


結局、同じポジションに何人も何人も選手が在籍している、というのは、
そのポジションが弱いので強化したい、ということの表れだと思うんですよね。


自信があるなら、そこに別の選手を連れてくる意味は薄いし。


先ほど書きましたように、人数が多いかどうかは、
各チームごとの傾向っぽいので、一概には言えませんが、



各々のポジションで、1番人数が多いチームをこうやって書き並べてみると、
なんとなく、「なるほどなぁ」という気がしてきたりしませんかね・・・?


そして、ディフェンス選手は、圧倒的にコルツが多いことも書き添えておきます。


これは、「スーパーボウル制覇効果」なのか、それとも、「弱体化の表れ」なのか。


・・・といったところで、本日は以上で。