解禁後1ヶ月の状況の比較



今年のドラフト全体1位指名選手が決定しましたね。


他にドラフト関連の話題では、ミネソタ・ヴァイキングスの1巡指名権が、
カンザスシティ・チーフスにトレードされたりと、大きく動いていますが、
まあ、そのあたりの話は、週末にまとめて。


最新のニュースを追わないのが、この日記の「ニュース」。(そ・・・そうだったのか?)


それどころか、1ヶ月近く前の話です。


3月から4月にかけて、日記を1ヶ月間更新していなかったのですが、
その時期に載せておくはずだったデータを載せておきます。


あくまで、「来年以降の比較用」というのが主な目的ですので、
情報が古いのも甚だしいですが、まあ、軽く読み飛ばしてください。


というわけで、「フリーエージェント解禁後1ヶ月の状況」です。




今年は、「2月29日」という微妙な日付に解禁だったので、
「1ヶ月」の定義もまた、微妙なところになってしまうのですが、
昨年と同じく「31日間」になるよう、
「3月30日」までの契約状況で集計しております。


また、以下の記述は、3月31日以降に起こったことを全く考慮に入れておりません。


まず、ポジションごとの契約状況を。
(なお、データの重複が見つかったので、対象が1件減ってます)

  未決定 残留 移籍 決定率
クォーターバック 11 4 7 22 50.0%
ランニングバック 22 7 12 41 46.3%
ワイドレシーバー 16 9 12 37 56.8%
タイトエンド 17 7 9 33 48.5%
オフェンスライン 36 15 15 66 45.5%
ディフェンスライン 31 14 18 63 50.8%
ラインバッカー 19 12 27 58 67.2%
ディフェンスバック 53 13 26 92 42.4%
スペシャルチーム 7 4 3 14 50.0%
212 85 129 426 50.2%



さて、まず目に付くのは、全体の「決定率」が50%を超えていること。


ちなみに、昨年の同時期は「46.0%」でした。


前回、「解禁後1週間時点」と「解禁後2週間時点」の契約件数(残留数+移籍数)が、
昨年と全く同じだったことに触れておりましたが、
それから「解禁後1ヶ月時点」までの間は、今年の方が多かったことになります。


まあ、微妙な違いと言えば、微妙な違いかもしれませんが、
「今年の傾向」として覚えておきましょう。


「解禁後2週間時点」以降の残留数と移籍数は、ほぼ同数だったので、
「残留」より「移籍」が多い傾向は、やはり変わらず。


実は、昨年も、「解禁後2週間時点」以降の残留数と移籍数は、ほぼ同数でした。


「最初に移籍が多くて、だんだん残留が増えてくる」というのが、
一般的なフリーエージェント期間の動きだと思っているのですが、
ちょうどこの時期が、その「転換期」となっているのかもしれませんね。


ポジション別では、ラインバッカー選手の契約の進みが早く、
オフェンスライン選手やディフェンスバック選手あたりの契約の進みが遅い、
・・・と、まあ、これも、「解禁後2週間時点」と傾向はほとんど変わっていません。


あ、オフェンスライン選手は、この期間、残留契約の方が結構多くて、
結果、「残留」と「移籍」が同数になっていますね。


あと、スペシャルチーム選手だけは、「残留」が「移籍」より多くなっています。


昨年も、スペシャルチーム選手の「残留」の割合は突出していましたので、
これはポジション特性と言えるのかもしれません。(非常に想像に易いですが)


では次に、「旧所属チーム」ごとの契約状況を見てみます。

  未決定 残留 移籍 決定率
アトランタ・ファルコンズ 6 2 4 12 50.0%
アリゾナ・カーディナルズ 13 6 5 24 45.8%
インディアナポリス・コルツ 6 1 4 11 45.5%
オークランド・レイダーズ 7 1 4 12 41.7%
カロライナ・パンサーズ 11 1 4 16 31.3%
カンザスシティ・チーフス 5 0 6 11 54.5%
クリーブランド・ブラウンズ 8 6 3 17 52.9%
グリーンベイ・パッカーズ 6 1 3 10 40.0%
サンディエゴ・チャージャーズ 3 4 3 10 70.0%
サンフランシスコ・49ers 4 2 4 10 60.0%
シアトル・シーホークス 8 1 6 15 46.7%
シカゴ・ベアーズ 4 1 4 9 55.6%
ジャクソンビル・ジャガーズ 8 1 6 15 46.7%
シンシナティ・ベンガルズ 7 3 5 15 53.3%
セントルイス・ラムズ 8 4 2 14 42.9%
ダラス・カウボーイズ 7 0 4 11 36.4%
タンパベイ・バッカニアーズ 6 2 4 12 50.0%
デトロイト・ライオンズ 10 7 5 22 54.5%
テネシー・タイタンズ 11 1 8 20 45.0%
デンバー・ブロンコス 4 4 3 11 63.6%
ニューイングランド・ペイトリオッツ 5 7 4 16 68.8%
ニューオリンズ・セインツ 4 7 3 14 71.4%
ニューヨーク・ジェッツ 4 0 2 6 33.3%
ニューヨーク・ジャイアンツ 5 1 4 10 50.0%
バッファロー・ビルズ 6 4 5 15 60.0%
ピッツバーグ・スティーラーズ 5 4 3 12 58.3%
ヒューストン・テキサンズ 8 4 5 17 52.9%
フィラデルフィア・イーグルス 4 0 2 6 33.3%
ボルチモア・レイヴンズ 9 2 2 13 30.8%
マイアミ・ドルフィンズ 9 1 4 14 35.7%
ミネソタ・ヴァイキングス 3 2 5 10 70.0%
ワシントン・レッドスキンズ 8 5 3 16 50.0%
212 85 129 426 50.2%



最も「決定率」が高いのはセインツですが、
実は、「解禁後2週間時点」から1件も増えてません。


如何に、早い時期に一気に動いたか、ということの表れでしょう。


「残留」が多いのがライオンズ、ペイトリオッツ、セインツあたりで、
「移籍流出」が多いのはタイタンズ
・・・と、このあたりも、「解禁後2週間時点」とほぼ件数が変わらずに、同じ状況。


極端な傾向が出るチームは、
解禁直後から、もうその傾向が見えている、ということなのかもしれません。


あ、今、昨年の「解禁後1ヶ月時点」の日記を読み返してみたら、


>どうやら、「解禁後1週間時点」の状況を見るだけでも、
>今年最も「残留傾向」にあるチームや、最も「移籍傾向」にあるチームがどこなのか、
>・・・ということは、大体分かってしまうようですね。(状況が全く変わってないので)


こんなことを書いていました。


もう、間違いなさそうです。


あと1点。
チーフスとカウボーイズの「流出しっぱなし」が、非常に目立っています。


特に、チーフスの「残留0件・移籍流出6件」というのは、
昨年には見られなかったほどの、極端な偏りです。


タイタンズの「残留1件・移籍流出8件」ともども、覚えておきましょうか。


では次は、「新所属チーム」ごとのデータを。

  残留 移籍
アトランタ・ファルコンズ 2 8 10
アリゾナ・カーディナルズ 6 3 9
インディアナポリス・コルツ 1 0 1
オークランド・レイダーズ 1 4 5
カロライナ・パンサーズ 1 7 8
カンザスシティ・チーフス 0 2 2
クリーブランド・ブラウンズ 6 4 10
グリーンベイ・パッカーズ 1 1 2
サンディエゴ・チャージャーズ 4 0 4
サンフランシスコ・49ers 2 4 6
シアトル・シーホークス 1 2 3
シカゴ・ベアーズ 1 0 1
ジャクソンビル・ジャガーズ 1 4 5
シンシナティ・ベンガルズ 3 4 7
セントルイス・ラムズ 4 5 9
ダラス・カウボーイズ 0 0 0
タンパベイ・バッカニアーズ 2 9 11
デトロイト・ライオンズ 7 5 12
テネシー・タイタンズ 1 3 4
デンバー・ブロンコス 4 6 10
ニューイングランド・ペイトリオッツ 7 3 10
ニューオリンズ・セインツ 7 4 11
ニューヨーク・ジェッツ 0 5 5
ニューヨーク・ジャイアンツ 1 2 3
バッファロー・ビルズ 4 4 8
ピッツバーグ・スティーラーズ 4 2 6
ヒューストン・テキサンズ 4 7 11
フィラデルフィア・イーグルス 0 5 5
ボルチモア・レイヴンズ 2 2 4
マイアミ・ドルフィンズ 1 13 14
ミネソタ・ヴァイキングス 2 8 10
ワシントン・レッドスキンズ 5 0 5
引退 0 3 3
85 129 214



「解禁後2週間時点」で、1人も「残留」「移籍加入」がなかったのは、
コルツ、パッカーズカウボーイズの3チームでした。


そして、その中で、カウボーイズだけは、
この「解禁後1ヶ月時点」に及んでも、同じ状況が続いています。


ちなみに、昨年は、こういうチームは1チームもありませんでした。


それどころか、全チームに、2人以上の残留・移籍加入があったくらいですので、
非常に珍しい事態と言えるのかもしれません。


そして、ドルフィンズの「移籍加入」は、相変わらず突出しています。


ていうか、13人って、本当に凄いな・・・。


さて、カウボーイズドルフィンズ・・・というと、
カウボーイズヘッドコーチのビル・パーセルズドルフィンズのフロント入りしていますが、
今年のこの傾向は、まさしく、それが原因で生み出されたものっぽく思えます。


カウボーイズ選手がドルフィンズに流出しまくり、と。


ただ、実は、この「13人」の中で「旧所属チーム」がカウボーイズなのは、
2人だけだったりするんですよね。


実際には、もっと多くの「元カウボーイズ選手」を、パーセルズはかき集めていますが、
カウボーイズを解雇されていたり、一旦他のチームに所属していた選手などは、
ここではカウントされていませんから。


となると、カウボーイズの今年の「珍しい事態」は、
必ずしもパーセルズだけに原因があるわけではない、ということになるのでしょう。


ともあれ、この影響がシーズン中に出てくるのかどうか、注目しておきますか。


さて、今回は、「フリーエージェント種別」ごとの契約状況も見てみます。

  未決定 残留 移籍 決定率
無制限フリーエージェント 121 64 116 301 59.8%
制限付きフリーエージェント 75 16 11 102 26.5%
独占権付きフリーエージェント 8 3 1 12 33.3%
フランチャイズ指定 7 2 1 10 30.0%
トランジション指定 1 0 0 1 0.0%
212 85 129 426 50.2%



「無制限フリーエージェント」については、
まあ、全体の傾向(「決定率」が昨年より高い・移籍傾向が強い等)どおり。


他は、昨年のデータと比べると、
制限付きフリーエージェント」の契約の進みが目立つでしょうか。


特に「移籍」。


「制限」が付いているわけですから、当然、移籍もしにくいであろう状況の中、
11件もの移籍が実現しています。


ちなみに、昨年は4件。


一昨年は「解禁1ヶ月時点」のデータを取っていませんでしたが、
最終的な件数としても6件に止まっていましたから、
今年の「制限付きフリーエージェント」の移籍件数は、明らかに多いですね。


この原因の一端は、「ドラフト外選手」の存在がありそうな気がしています。


というのも、「制限付きフリーエージェント」と他チームが契約する場合には、
ドラフト指名権を渡さなければいけないのですが、
最も低い条件は、「その選手がドラフト指名されたときの順位」なんですよね。


つまり、「ドラフト外選手」の場合には、何も渡す必要がありません。


ドラフト外選手」に対して、元チームが最も低い条件でしかオファーしなかった場合、
それはもう、「無制限フリーエージェント」とほとんど変わらないわけです。


もちろん、他チームのオファーが出た時点で、同契約提示で引き止めることは出来ますが、
そんな条件に置いた選手に対し、高い金額を払うとは考えにくいですからねぇ。


最近は、ドラフト外でもそこそこ活躍する選手が増えてきて、それにつれて、
「かといって、突出して活躍しているわけでもない(無理して残留させたいほどではない)」、
という選手も多くなっているわけで、そんな選手の存在が、
制限付きフリーエージェント」の移籍数増加につながっているのではないでしょうか。


・・・とか考えていますが、特にこのあたりのデータを取っているわけではないので、
これは、あくまでも、「そんな感触がある」という程度で。


あと1つ。
フランチャイズ選手が、3人も契約しています。


昨年は6人いて、1人も契約しておりませんでした。


まあ、そもそも今年は、フランチャイズ指定自体がかなり多かったですから、
最初から「再契約」を視野に入れてのものが1・2件あったのかもしれません。


そう考えれば、特に不思議な事態でもないのかな。


・・・以上。


フリーエージェント解禁後1ヶ月の状況と、その比較でした。