第10週:NE at MIA



先々月のドラフトにおいて、マイアミ・ドルフィンズは、
全体2位で注目のランニングバックロニー・ブラウンを指名しました。


と、ここで注目したいのは、ロニー・ブラウンではなく、
「全体2位」というところでして。


NFLのドラフトは、基本的に、前年の成績が悪い順番に指名順が構成されます。
・・・と、いうことは、ドルフィンズの成績は、
昨年「2番目に悪かった」わけでして。


昨年、ドルフィンズは、開幕6連敗。
ようやく7週目にセントルイス・ラムズに勝って1勝目を挙げるも、
またそこから2連敗。


ここで、当時のデイヴ・ウォンステッドヘッドコーチが、
チーム低迷の責任をとって辞任をします。


その後は、ディフェンスコーディネーターだったジム・ベイツが、
暫定ヘッドコーチを務めることになりますが、
急激にV字回復を見せるわけではなく。
第12週で、サンフランシスコ・49ersとの「最下位争い」に勝利し、
ようやく2勝目。


そこから更に2連敗し、2勝11敗の成績で迎えたのが、
第15週、同地区ライバルのニューイングランド・ペイトリオッツとの、
マンデーナイトゲームでした。
(ちなみに、ペイトリオッツの成績は12勝1敗)


マンデーナイトゲームは、その週の1番の目玉ゲームとして、
全米で注目されています。
ですので、対戦カードも、
「そのときに興味を引きそうな対戦カード」が、
開幕前に考えられて、用意されているわけです。


しかしながら、近年は、サラリーキャップ制度の影響等で、
前年強かったチームが突然弱くなったり、
また、突然シンデレラチームが現れたりすることが多く起こるように。
それはそれで面白いのですが、そのせいで、
特に終盤戦で注目を集めそうな対戦カードを事前に予想するのは、
かなり困難となっております。


昨年の第15週に、このカードが組まれていたのも、
ここでこのカードが注目を集める、と思われていたわけで。
リッキー・ウィリアムズが突然引退を表明したときには、
既にこの対戦カードは決まってましたからねぇ。


もう、全く注目を集めないカードとなってしまい、
注目するとすれば、どれだけペイトリオッツが、
ドルフィンズをこてんぱんにやっつけるか・・・などという、
意地の悪い見方も出ていたりしました。


しかししかし、何が起こるかわからないもの。


終盤まで、ドルフィンズが粘って、予想外に良いゲームになり、
「ああ、ドルフィンズ頑張ったなぁ」という感想を皆が持ち始め、
試合時間も残り2分を切っておりました。
得点は28対23でペイトリオッツがリード。


ここで、ペイトリオッツのQBトム・ブレイディが、
なんと、自陣21ヤード地点でインターセプトを喫してしまいます。
ドルフィンズ、最後のチャンス。


しかし、そこはペイトリオッツ自慢の守備陣が、
あっという間にフォースダウンまで追い詰めます。
ドルフィンズ、万事休す。


ここで、ドルフィンズQBA・J・フィーリーのパスが、
なんとなんと見事に決まり、21ヤードのタッチダウンパスに。
土壇場で奇跡的な大逆転となりました。


でも、まだ1分半ほど時間はあります。
こういうシチュエーションで、サクサクッとパスを通していき、
最後は、Kアダム・ヴィナティエリフィールドゴールで逆転勝利!
・・・なんてシーンを、いくつも見てきました。


いつもどおり落ち着き払っているブレイディ
しかし、いきなりサックを受けて大幅に後退すると、
次に投げたパスが、またもインターセプト


これで勝負が決まりました。


この対戦カードがこんなにも興味を引かないゲームになるとは、
開幕前には思われなかったでしょうし、
この対戦カードがこんなに面白いゲームになるとは、
直前には誰も予想していなかったでしょうね。
ホント、面白いものです。


この全米放映ゲームで1番名を上げたのは、
ジム・ベイツ暫定ヘッドコーチでしょう。
彼は今年、ドルフィンズのヘッドコーチ候補としても名が挙がってましたが、
結局、グリーンベイ・パッカーズディフェンスコーディネーターとなりました。
今後、注目の存在と言えるでしょうね。


さて、今年は第10週で初対戦の両チーム。
昨年、リッキー・ウィリアムズの離脱で穴となっていたランニングバックは、
前述したように、期待のロニー・ブラウンが入って万全。
ウィリアムズ復帰かも・・・という噂もありますが)


今年の対戦は、いったいどんなゲームとなるのか。
直前になっても予想できないような展開を期待したいです。