現役最高齢キッカー



本日のキッカー紹介は、ニューオリンズ・セインツKジョン・カーニーです。


余談ですが、カーニーの名前の綴りは「John Carney」なわけですが、
カロライナ・パンサーズKジョン・ケイシー(John Kasay)と、
なんとなく似ていて、ときどき間違えてしまいます。


アンダーソン」と「アンダーセン」のときもそうでしたが、
キッカー同士で名前が似ているのは、
とりあえず勘弁してもらいたいです。(無茶を言う・・・)


さて、カーニーは、現在41歳。
「超」の付く、大ベテランになります。


昨シーズン、NFLでプレーした「高齢者」ベスト10を見てみると、
8位にカーニーの名前があります。


1位・2位だった、ゲイリー・アンダーソンモーテン・アンダーセンが、
今年は(多分)引退しているので、
(いや、また途中で出てくる可能性が無いとは言い切れないのだけれども)
カーニーは、今年6位になり、
キッカーでは、ナンバー1「高齢者」となります。


・・・それが、嬉しいことなのかどうなのかは分かりませんが。
でも、それだけ長く活躍しているのは、実力の証でもあるので、
素晴らしいことと言ってよいでしょう。


カーニーは、1987年に、ドラフト外シンシナティ・ベンガルズに入団。
しかし、その年の8月に解雇されます。


すぐに9月にタンパベイ・バッカニアーズと契約しますが、
ここも、10月に解雇。
これが、カーニーの「NFL1年目」でした。


翌年は、再び、バッカニアーズと契約しますが、
やはり、8月になって解雇されてしまいます。
しかし、けが人が出たのかどうか、詳しい事情は分かりませんが、
11月に再びバッカニアーズと契約。
ここでようやく、試合出場の機会に恵まれます。


しかし、この年は、フィールドゴールに5回挑戦し、
成功したのは、たったの2回。
しかも、全て30ヤード未満という、低調な成績に終わります。
(30ヤード未満でも1回失敗しています)


翌年、バッカニアーズに残留を果たしますが、開幕直前になり解雇。
12月になってから、なぜか再度バッカニアーズと契約を結んでいますが、
結局、この年は1回も蹴らないまま終わります。


翌年、フリーエージェントになると、
サンディエゴ・チャージャーズと契約を結びます。
しかし、例によって、8月になって解雇。


9月に、ロサンゼルス・ラムズ(現セントルイス・ラムズ)と契約しますが、
ここは、たったの1週間で解雇。
10月になって、再び、チャージャーズと契約します。


・・・と、ここまでのカーニーは、大して試合にも出られず、
契約と解雇を繰り返すだけのプロ生活でした。


が、ここでようやくキッカケをつかみます。
この年(1990年)、12試合に出場すると、
フィールドゴール成功率90.5%の素晴らしい成績を残します。


最長成功距離43ヤードというのは、やや不安を感じさせますが、
これで信頼を得たか、翌年から全16試合に出場し続けることに。


途中、何度かフリーエージェントになりますが、再契約を繰り返し、
結局、2000年まで11年間、チャージャーズに所属し、
試合に出場し続けることになります。


この間、1994年シーズンに、チャージャーズスーパーボウルに出場し、
敗れはしたものの、カーニーもこの大舞台で、
フィールドゴールを決めています。


また、この年は、フィールドゴール成功率89.5%という、また素晴らしい成績で、
プロボウルにも選出されておりますので、
キャリア最高の年だったと言ってもよいかもしれません。


あと、チャージャーズ時代の出来事といえば、
1997年シーズンは、膝の怪我で4試合しか出場できずに
インジャリーリザーブ入り、ということもありました。


さて、2001年になって、またフリーエージェントになりますと、
今度は、チャージャーズとは再契約を結ぶには至りませんで、
ニューオリンズ・セインツと契約することになります。


この年は15試合に出場して、フィールドゴール成功率87.1%。
1年契約だったので、翌年フリーエージェントになりますが、
再びセインツと契約。


翌年、2002年は、フィールドゴール成功率88.6%。
やはり1年契約だったので、翌年フリーエージェントになりますが、
ここでようやく、セインツと複数年(5年)契約を結びます。


当時、カーニーは既に39歳になろうとしているところだったわけで、
ここから5年契約というのは、
なかなかチームとしても難しいところだったかとは思いますが、
それに至る「信頼」を、この2年の成績で、
得ることが出来ていたということでしょう。


キャリア通算成績は、フィールドゴール成功率81.5%(最長54ヤード)、
トライフォーポイントのキックは、17年間で6回はずしたのみ。
昨シーズンのキッカーレーティングは「30.9」で6位という好成績でした。


カーニーは、キャリアの最初の経歴、および成績を見る限り、
決して、「良いキッカー」ではなかったのだと思います。


契約と解雇が繰り返され、試合にも出られない、
そんな中で、着々と実力を付け、
それが、チャージャーズでの11年間の活躍につながり、
また、40歳になっても活躍出来ている下地になったのではないでしょうか。


「努力の人」。
そんな言葉が、カーニーにはピッタリと当てはまりそうですね。
今、苦労している若手選手全員に、是非、お手本としてもらいたいです。


NFL現役高齢ランキングの6位であるカーニー
こうなったら、1位になるまで、とことん頑張ってもらいたいものです。