「第6週」と「契約」の関係



さて、相変わらず、試合が終わった後は、怪我人情報ばかりです。


が、今週は、特に異常事態のように感じます。


昨日、インジャリーリザーブリストに載せられた選手は、
1日で、なんと9人にものぼりました。


そして、それに伴い、契約・解雇情報が、半端じゃない数になっています。


それだけ深刻な怪我をしている人が多い、と言えるわけですが、
実は、他にも理由はありそうです。


今週末は、第6週の試合が行われますが、
NFLのいろいろなルールで、「第6週」というのは、様々な区切りになっています。


例えば、トレード。
トレードをしてよい期限というのが決められていて、
それが第6週の直後、今年は10月18日まで、となっています。


「怪我の状況」というのもいろいろあるわけで、
明らかにシーズン絶望的なものや、明らかに簡単に治るものならば、
早く対処をすることが出来るわけですが、
何週間か後に出られるかも・・・というような、「微妙」なものも多いわけです。


とはいえ、これを、いつまでも「微妙」なままにしておくわけにはいかず、
出場できない見込みならば、補強を考えなければなりません。
トレードは、その有効な手立ての1つなので、是非利用したいところですが、
その期限が目の前に迫っている、と。


つまり、「微妙」な選手への「見切り」が、
インジャリーリザーブリスト入りが多くなっている理由の1つと、
言えるのではないでしょうか。


また、怪我した選手を登録しておくリストには、
PUPリスト」という名前の「出場不可能リスト」や、
NFIリスト」という名前の怪我人リストがあるのですが、
ここに登録されている選手は、第6週終了後から、
ロースターに復帰することが出来るルールになっています。
(ただし、復帰できない場合は、3週間以内に解雇する必要があります)


この選手たちを登録するために、
解雇等が行われているケースもありそうです。


ルールを細かく見ていくと、まだいろいろあって、
シーズン途中で選手を解雇する際には、「ウェイバー」という仕組みで、
前年の順位が下位のチームから順に、優先的に契約できるルールがあるのですが、
実は、4年以上のシーズンを経ている選手は、
ウェイバーリスト」に載せずに、直接解雇しても良い、ということになっています。


しかし、第6週を過ぎた後は、
そういった選手たちも「ウェイバーリスト」に載せなければならない、となります。


このルールをどう考えるのかは、状況によって様々だと思うのですが、
例えば、「誰が見ても良い選手」をチーム事情により解雇しなければならない場合。


前年下位だけども今年は調子が良い同地区チームなどに、
解雇した選手を獲られたくはない、ということがあってもおかしくありません。


そんなときに、直接解雇してしまえば、「優先権」は発生しませんから、
それだけ、「前年下位チーム」に行く可能性は薄まるわけです。


・・・あくまで、そういうケースも考えられる、というだけですよ。
実際に、そう考えられているかどうかは分かりません。


とにかく、「第6週」を境にルールが変わる、ということです。


あと、これは、あまりあり得ないケースかもしれませんが、
「有資格シーズンとさせないため」の解雇、ということも考えられます。


NFLでは、1シーズンを過ごしたかどうかは、
ロースターやインジャリーリザーブリストなどに、
「6試合以上登録されていたかどうか」で判断されます。


逆に言えば、「5試合以下しか登録されていなかった」場合は、
1シーズン過ごしたとはみなされないため、極端な話、
10年前にNFL入りして、毎年試合に出場しているのに、
経歴を見ると「プロ入り1年目」、ということもあり得るわけです。


これを「有資格シーズン」というわけですが、
有資格シーズンが少ないと、チーム側から見て何が良いかというと、
まず、「プラクティス・スクワッド」に入れることが出来る条件に、
「有資格シーズン1年以内」という条件がありますので、
状況によっては、有資格シーズンを過ごさせたくないケースもありそうです。


また、ルールで定められた「最低年棒」も、
有資格シーズンが増えるごとに増加していきます。
ベテランの場合は、サラリーキャップ上の優遇措置があったりしますが、
若手の場合、「1年」の違いで、75万ドルも違ったりするので、
(10月15日訂正:桁が違いました。7万5千ドルです。・・・気付けよ、自分)
財政面でも、サラリーキャップ面でも、馬鹿に出来ないと思います。


・・・まあ、先ほども書きましたが、
このケースは、あまりあり得ないとは思いますけどね。
(解雇した後、他のチームに獲られちゃったら、どうしようもないんだし)


と、まあ、いろいろ書きましたが、
まとめて書けば、「今週・来週は、解雇・契約情報が多くなりそう」ってことです。


シーズン中盤以降を見据えた各チームの動きが、興味深くなりそうですね。