インジャリーレポートの正しい見方・・・?



最近、「インジャリーレポート」というものを、
頻繁にチェックするようになったのですが、
これは、怪我をした選手が、その週の試合に出られる可能性があるかどうかを、
アウト」=「出場可能性0%」、「ダウトフル」=「25%」、
クエスチョナブル」=「50%」、「プロバブル」=「75%」と、
4段階で各チームがリーグに報告するものです。


これを見れば、怪我の具合などが分かるので、興味深く見ています。


例えば、先週の試合の前に、
ピッツバーグ・スティーラーズRBジェローム・ベティスが出られそう」、
と書いたのは、このレポートで、「プロバブル」になっていたためだったり。


今見てみると、QBベン・ロスリスバーガーが「ダウトフル」になっていたり。
・・・って、ええ!? そうなの!?
怪我の症状は重くなかったんじゃないの!?


・・・と、ロスリスバーガーの怪我の具合も気になりますが、
どうも、この「インジャリーレポート」、
信用が置けるものなのかどうか、ちょっと疑問が出たりもしているみたいですね。


実は、毎週インジャリーレポートを見ていて、
僕自身、思っていたことがありました。


ニューイングランド・ペイトリオッツは、なんて適当なんだろう」と。


ご存知の通り、ペイトリオッツには非常に多くの怪我人がいるわけですが、
怪我をしているほとんどの人が、同じランクに位置づけられているんです。


例えば、先週は、ほとんどの選手が「クエスチョナブル」でした。
ところが、今週は現時点で、ほとんどの選手が「プロバブル」になっています。


そんな都合よく、みんな同じランクにはならんだろ、と。


あと、QBトム・ブレイディが、毎週決まって「プロバブル」だったり。
そりゃ確かに、肩の調子が良くない、ということは聞いていますが、
それにしても、ずっと症状が変わらないの!?


・・・とか、そんなふうに思っていたわけです。


ただ、じゃあ逆に、他のチームの報告は正しいのか、というのが、
今回出てきている疑問点。


先々週の試合で、アトランタ・ファルコンズのQBマイケル・ヴィックが怪我をしました。


当然、次の試合、ヴィックは出られるのか、ということが注目されたわけですが、
チームから提出されたインジャリーレポートには、
プロバブル」と記載されていました。


おお、これなら出てきそうだ、と誰もが思ったわけで。


ところが、皆さんご存知のように、ヴィックは出てきませんでした。


もちろん、「プロバブル」=「出場可能性75%」です。
出場できないことがあってもおかしくありません。
でも、本当に「プロバブル」だったのか、と。


今まで何回も書いていますが、アメフトは「準備のスポーツ」です。
特にシーズン中は、次の試合に向けてどれだけ準備が出来るかが、
試合の勝敗に大きく関わってきます。


逆に言えば、相手に「準備」させなければ、
それだけ、自分たちが有利になる、ということです。


その「準備」において、相手クォーターバックが誰であるか、ということは、
非常に重要なことでして、
そのタイプによって、当然、用意するディフェンスプランも変わってきます。


先日、バッファロー・ビルズマイク・ムラーキーヘッドコーチが、
「次の試合、J・P・ロスマンでいくか、ケリー・ホルコムでいくか決めていない」
と発言したことを、ここにも書きましたが、
それには、「相手に準備させない」という狙いがあるわけです。
(もちろん、このビルズの「作戦」は、良い作戦だと思います)


さて、先週、ファルコンズの対戦相手はペイトリオッツでしたが、
当然、ペイトリオッツは、「ヴィック対策」の準備をしていたはずです。
ところが、ヴィックは欠場。
対策は全て(と言うのは大げさかもしれませんが)無駄になりました。


つまり、インジャリーレポートを「利用」して、
相手に準備させないようにしたのではないか、という疑問が出てきているわけです。


もし、そうだとすると、「プロバブル」だの「クエスチョナブル」だのという、
ランク分けによる違いを見るのは、何も意味がない、ということになりそうです。


ちなみに、今週、ヴィックは「クエスチョナブル」になっています。
試合も練習もしていないはずなのに、先週より悪化しています。
(もちろん、怪我によっては、そういうこともあり得ますが)


そういう目で見ると、実は、ペイトリオッツが提出している、
「みんな同じランク」というインジャリーレポートも、
「細かく分けることに意味あるの?」という問題を提起しているんじゃないかと、
見えなくもなく。(こちらも「煙幕」という可能性もありますが)


どうやら、インジャリーレポートの正しい見方は、
アウト」=「絶対に出場しない」か、「載ってない」=「怪我をしていない」か、
「それ以外」=「出場するかしないか分からない」という程度に、
しておいたほうが良いのかもしれません。


・・・ああ、なんか、週明けに、
ロスリスバーガーは次週の試合に出られるかも」という報道があったのも、
相手に準備させないための「煙幕」のように思えてきました。


「出てくる」「出てこない」よりも、
怪我の具合がひどい可能性が高い、ということが心配です。