週間オフェンスラインMVP(第10週)
次に、「オフェンスラインスタッツ」を用いた「週間オフェンスラインMVP」。
まず、第10週の「ベストオフェンスライン選手」は以下の通り。
選手名 | ラン | パス | 反則 | オフェンスライン ポイント |
|
---|---|---|---|---|---|
LT | タリック・グレン (コルツ) |
14 | 16 | 0 | 30 |
LG | ライアン・リルヤ (コルツ) |
26 | 8 | 0 | 34 |
C | ピート・ケンドール (ジェッツ) |
38 | -3.5 | 0 | 34.5 |
RG | ブランドン・ムーア (ジェッツ) |
38 | -3.5 | 0 | 34.5 |
RT | マーク・トーシャー (パッカーズ) |
20 | 12 | 0 | 32 |
相変わらず調子の良い、インディアナポリス・コルツのオフェンスライン陣と、
チーム成績が悪くとも、たびたび顔を出すグリーンベイ・パッカーズのTマーク・トーシャー。
・・・までは良いとして、ニューヨーク・ジェッツの2人が顔を出しているのには、
ちょっとビックリ。
先日の試合では、3対30の大差で試合に敗れているわけですし。
ただ、実は、パスとランで獲得したヤードを合計すると、
対戦相手のカロライナ・パンサーズが220ヤード(119+101)だったのに対し、
ジェッツは235ヤード(98+137)と上回っています。
これは、オフェンスラインの働きが大きいでしょうね。
また、2人の値の詳細を見てみると、「パスプロテクションポイント」ではマイナスながら、
「ランブロッキングポイント」で大きなプラスになっています。
その大きな要因は、ランでロスしたプレーが1度もなく、確実に出しているということ。
さらに言えば、この「ランブロッキングポイント」は、「出たかどうか」でカウントされ、
獲得ヤードは全く関係ないのですが、
ランでの平均獲得ヤードも、パンサーズが2.8ヤードに対して、
ジェッツは4.3ヤードと、大きく上回っています。
やはり、オフェンスラインは良い仕事をしていた、と言えるでしょう。
結局、大敗の原因は、QBブルックス・ボウリンジャーの受けた4インターセプト、
ということなんでしょうね。
ちなみに、「パスプロテクションポイント」のカウントでは、
「パスに成功したかどうか」が重要で、(加えてサックされたかどうか、もありますが)
「ただの失敗」と「インターセプト」は同じ扱いになっています。
これは、結果として「インターセプト」になったかどうかまでは、
オフェンスラインの責任ではないだろう、という考えによります。
「失敗」させた責任はあるでしょうけども。
というわけで、今週の「週間オフェンスラインMVP」は、そのジェッツの2人、
Cピート・ケンドールとGブランドン・ムーアです。
ケンドールは、1996年にシアトル・シーホークスにドラフト1巡指名されている、
という輝かしい経歴のベテラン。
2001年にフリーエージェントとなり、アリゾナ・カーディナルズと契約。
しかし、怪我が相次いで思うような結果を残せなかったためか、
2004年にカーディナルズを解雇されてしまいます。
ただ、その1週間後にジェッツと契約しており、
やはり、ケンドールに対する期待度は高い、ということになるのでしょう。
対して、ムーアは、2002年にドラフト外でジェッツに入団。
・・・するも、8月に解雇されてしまいます。
このまま、その年は終わるかと思われましたが、
選手の怪我があったためか、年の末も末、12月26日に、
ジェッツとプラクティス・スクワッド契約。
結局、試合出場には至りませんでしたが、
そのままジェッツに残留することに成功します。
翌年、NFLヨーロッパに派遣されたムーアは、そこで実績を残し、
ロースターの53人枠に残ります。
そして、3試合に出場し、うち1試合がスターター出場。
さらに、昨年、2004年は13試合にスターター出場。
そして今年は、開幕戦からスターターとなっています。
最初は何も無いところから、着実に足場を固めていっている様子がよく分かりますね。
そういった、経歴が非常に対照的な2人ですが、
ジェッツのオフェンス、特にランオフェンスを支えている、ということでは、
現在のジェッツにおける重要度に変わりはないところ。
特に、昨シーズンは、ジェッツRBカーティス・マーティンが、
ランの獲得ヤードでNFL1位となりましたが、
当然、オフェンスラインの貢献も大と言ってよいでしょう。
今シーズンは、チーム成績が芳しくない状況ではありますが、
なんとか、踏ん張ってもらいたいところですね。
さて、第10週時点での「オフェンスラインベスト10」は、以下の通り。
選手名 | ラン | パス | 反則 | オフェンスライン ポイント |
|
---|---|---|---|---|---|
1位 | RT ライアン・ディーム (コルツ) |
98 | 92 | -21 | 169 |
2位 | C スティーヴ・マッキニー (テキサンズ) |
182 | -37.5 | -14 | 130.5 |
3位 | C ジェフ・サタデイ (コルツ) |
84 | 46 | -7 | 123 |
4位 | C リッチ・ブレアム (ベンガルズ) |
96 | 31.5 | -7 | 120.5 |
5位 | LT マット・ラプシス (ブロンコス) |
102 | 24 | -14 | 112 |
6位 | LG エリック・スタインバック (ベンガルズ) |
110 | 34.5 | -35 | 109.5 |
7位 | RG コウジー・コウルマン (ブラウンズ) |
106 | 5.5 | -14 | 97.5 |
8位 | LG ライアン・リルヤ (コルツ) |
64 | 46 | -14 | 96 |
9位 | RT マーク・トーシャー (パッカーズ) |
42 | 74 | -21 | 95 |
10位 | C ジェフ・フェイン (ブラウンズ) |
104 | 2 | -14 | 92 |
先週、このまま、インディアナポリス・コルツのTライアン・ディームと、
シンシナティ・ベンガルズのCリッチ・ブレアムの2人の争いになるか、
というように書きましたが、そうはなりませんでした。
なんと、ヒューストン・テキサンズのCスティーヴ・マッキニーが2位に浮上。
チーム成績を考えると、かなり素晴らしいものです。
先週書きましたとおり、
テキサンズはセンターを務めていたドリュー・ホジドンが怪我をしてしまい、
ガードを務めていたマッキニーが、センターを務めることになりました。
さすがに対戦相手が絶好調コルツでは、敗れることになってしまいましたが、
しっかりとその役割は果たせた、と言っても良いでしょうね。
今週末以降も活躍を続け、チームの成績にも結び付けてもらいたいものです。
しかし、ベスト10に、コルツ選手が3人ですか。
絶好調コルツオフェンスは、このまま突っ走っていくんでしょうかねぇ。