クォーターバックの利き腕について



オフェンスライン選手は5人いるわけですが、
クォーターバックがパスを投げるまでの時間を稼ぐための、
いわゆる「パスプロテクション」の際には、
両端の「タックル」の選手が特に重要な役割を担う、
と一般的に言われています。


これは、相手ディフェンスエンドやラインパッカーなどの選手が、
オフェンスラインの外から回り込んで、
クォーターバックに襲い掛かろうとするのを防ぐ必要があり、
タックル選手のミスが、即サックにつながってしまうためです。


で、その両端のタックル選手の中でも、
さらに重要なのは「左タックル」の選手、と言われ、
オフェンスライン選手の中でも、
特に能力の高い選手が配置されることが多いです。


これは、なぜかというと。


クォーターバックが右手にボールを持って構えたときに、
体は、真正面ではなく、やや右を向くことになります。
ただでさえヘルメットを被っていて視野が狭くなっているので、
こうなると、左側が全く見えなくなってしまいます。


このとき、左側を「ブラインドサイド」と言い、
そちら側からディフェンス選手が近づいてきても気付くことが出来ず、
逃げたり、ボールを投げ捨てたりするひまも無くサックを受け、
ファンブルや、また、怪我をしてしまう恐れさえ出てきます。


ですので、ディフェンス選手を左側から接近させないように、
タックルの選手には、高い能力が求められるわけです。


さて、先ほど「クォーターバックが右手にボールを持って」と書きました。
でも、ちょっと待ってください。
クォーターバックは、必ず右手にボールを持つのでしょうか?


そんなことはありませんよね。
当然、左利きのクォーターバックもいます。


例えば、アトランタ・ファルコンズのQBマイケル・ヴィックなどが、
現役左利きクォーターバックの代表的選手でしょう。


ボールを左手に持って構えれば、当然、体は左側をむきます。
つまり、「ブラインドサイド」は右側になります。


となると、「能力の高いオフェンスライン選手」が配置されるのは、
タックルということになります。
(もちろん、あくまで一般的な話であり、その限りではありませんが)


・・・というように、クォーターバックが右利きか左利きか、というのは、
オフェンスライン選手のことを知るためには、
かなり重要な情報なのではないかと思い、
オフェンスライン選手のことをいろいろと調べ始めたときに、
クォーターバックの利き腕についても調べてみようとしたんですよ。


ところが、オフィシャルホームページをはじめ、
どこのサイトの選手一覧を見ても、また、どの本を見ても、
クォーターバックの利き腕の情報って、載ってないんですよね。


いろいろな情報を、非常に細かく分析していることで有名な、
アメフトというスポーツ、そして、その最高峰のNFLなのに、
これはちょっと不思議なことで。


オフェンス側のみならず、当然、ディフェンス側としても、
相手クォーターバックのどちら側が「ブラインドサイド」か、
というのは、作戦を立てるために、とても重要なことですし、
絶対に、情報としては、あるはずなんですけどねぇ。


・・・まあ、左利き選手は少ないので、
わざわざリストに載せるまでもなく、
把握できることなのかもしれませんが・・・。


で、まあ、そのまま分からずに終わるのも悔しく、
いつかなんとか調べてやろう、と思っていたのですが、
今日、ちょっとネット上を探し回って、
左利きクォーターバックには誰がいるのか、調べてみました。


NFL備忘録」の方に掲載しておきましたので、
興味のある方は、是非、見てみてくださいな。


ただし、「100%正しい」とは言い切れませんし、
現役選手にも、他に左利きクォーターバックがいる可能性がありますので、
その点は、ご了承くださいませ。


まあ、これを調べてどうする、ということもないのですが。


1つ分かったのは、クォーターバックが交代して、その利き腕が変わっても、
タックル選手の右と左を入れ替えたりはしない、ということ。


タンパベイ・バッカニアーズとか、アトランタ・ファルコンズで、
今シーズン発生していることなんですけどね。


「右利きクォーターバックでは左タックルが重要」説は、
以前から結構耳にしていたことだったのですが、
実は、それほど左右の違いは重要視していないのか・・・?


・・・とか、そんな新たな視点が出来た、ということで。


本日は以上・・・と思ったのですが、
「ニュース」と銘打っているので、1つニュースを。(んな、いい加減な)


マイアミ・ドルフィンズのQBガス・ファーロットが怪我をしているので、
代わりにセイジ・ローゼンフェルズスターターかもしれない、
と先日書きましたが、もしかしたら、ファーロットのままかもしれません。


チーム首脳陣としては、可能な限りファーロットでいきたい意向のようで、
多少怪我のため完調でなくとも、出場に踏み切るようです。
(もちろん、怪我の状態があまりにも思わしくなければ欠場)


まあ、その気持ちは分かるのですが、
個人的には、ローゼンフェルズスターターというのも、
見てみたいんですけどねぇ。


結構、いけるんじゃないか、と思いますし、
必然的にランプレーが増えると思うので、
RBリッキー・ウィリアムズの活躍が見られるんじゃないか、
という期待が増すということもありますし。
RBロニー・ブラウンの活躍、ではないところがポイント)


さて、どちらになるのか。


本日は、こんなところで。