コルツとスティーラーズの力の差



注目のマンデーナイトゲーム
ピッツバーグ・スティーラーズインディアナポリス・コルツの試合。


最初に、派手な80ヤードタッチダウンパスなども飛び出しましたが、
基本的に、ディフェンス合戦となりましたね。


コルツQBペイトン・マニングも、ところどころ押さえ込まれて、
ランもスティーラーズのディフェンス陣がしっかり止めていましたが、
何より、スティーラーズのオフェンスが、完璧に押さえ込まれてしまいました。


今日の主役は、コルツのDEドワイト・フリーニーFSボブ・サンダース
あと付け加えれば、スティーラーズSSトロイ・ポラマルというところでしょう。


ポラマルは頑張ってましたが、
まあ、なんと言うか、コルツ強いなぁ、という感想しか出てこないです。


スティーラーズのQBベン・ロスリスバーガーは、怪我からの復帰戦でしたが、
多少その影響はあったにせよ、万全でも勝つのは難しかったでしょうねぇ。


ところで、誰もが「なんでやねん」と思ったであろう、
後半開始早々のスティーラーズオンサイドキックについて、個人的見解。


オンサイドキックは、第4クォーター終盤で時間が無いときに行われるもの、
と思いがちですが、必ずしも、その限りでは無いと思います。


とはいえ、もちろん、「ギャンブル」であることに違いはないので、
頻繁に行われるものでもありません。


では、どういうときに行われるか。


それは、「明らかに格下のチームが、正攻法では勝てないと思ったとき」ではないかと。


例えば、今シーズン第5週にコルツと対戦したサンフランシスコ・49ers


前半を終えて、14対0と完全に押さえ込まれていた49ersは、
後半最初のキックオフで、オンサイドキックを行います。


このボールを見事に押さえて攻撃権を得た49ersは、
そのドライブをなんとかフィールドゴールに導き、14対3に。


そして、次のドライブ
49ersは、またもオンサイドキックを選択。
これは残念ながら、コルツにボールを押さえられて失敗に終わります。


結局、最終的には28対3で惨敗を喫した49ersですが、
一矢を報いることが出来たのは、オンサイドキックが成功したためであり、
勝つチャンスがあるとしたら、それに賭けるしかなかったわけです。


さて、今日の試合。


スティーラーズはコルツより明らかに格下か?」と、
試合前に問われれば、誰もが「No」と答えたでしょう。


が、前半を終えて7対16という結果、そしてその内容を見たときに、
スティーラーズビル・カウワーヘッドコーチは、
「このまま正攻法では勝てない」と感じたのではないでしょうか。


点差だけ見れば、まだ接戦の部類ですが、
「得点に結び付けられたドライブの数」で言うと、「1対4」。
Kジェフ・リードの失敗したフィールドゴールが仮に成功していたとしても「2対4」。
点差以上の力の差を感じます。
インターセプトはお互いにありましたので、この点は五分としても)


で、その現状を打破するために行った策が、
後半最初のオンサイドキックなのではないかと思います。


結果的に失敗し、そのドライブタッチダウンに結び付けられてしまったことで、
この作戦に批判が集まることかと思いますが、
じゃあ、普通にキックオフをしていたら、スティーラーズは勝てていたのか。


それこそ、「もしも」の話をしてもしょうがないところですが、
最終的に、後半1点も取れなかったスティーラーズが勝てた可能性は、
ゼロだったのではないかと思います。


唯一、勝つチャンスがあったとしたら、
それは、後半最初のオンサイドキックに成功することだったのではないか、と。


ですので、僕は、あのオンサイドキックの作戦を支持したいと思います。


そこまで力の差があったのは、カウワーヘッドコーチもショックでしたでしょうが。
(僕もショックでした)


しかし、この試合でつくづく感じたのは、
自分は天邪鬼(かつ、判官びいき)だなぁ、ということで。


何度も書いていますように、今一番応援しているのは、
クォーターバックペイトン・マニングであり、
その所属チームであるインディアナポリス・コルツです。


今日の試合も、「コルツ勝利希望」だったはずですが、
見ているうちに、「スティーラーズ、頑張れ!」という気持ちになってきました。


いや、もちろん、スティーラーズも応援しているチームの1つではあるので、
(そして、ロスリスバーガーも特に強く応援している選手ですので)
単にコルツの強さに対し、天邪鬼的に「反発」しているだけではなく、
純粋にスティーラーズに頑張ってもらいたい気持ちも強いのですが。


あと、コルツにスーパーボウルを勝ってもらいたいことに変わりはないのですが、
レギュラーシーズン全勝してほしいかというと、そうでもなかったりもします。


スーパーボウルへの足がかりをつかむ以外、レギュラーシーズンに意味はない」
と、スティーラーズRBジェローム・ベティスが言っていた、という記事を、
以前見かけたことがありますが、まさしく、その通りだと思います。


たとえレギュラーシーズン全勝しようとも、
スーパーボウルに勝てなければ、全てはムダになる、と、
コルツのメンバーは皆そう思っているのではないでしょうか。


特にマニングは、リーグMVPなど数々の賞を受賞し、数々の記録を打ちたて、
後はスーパーボウルリングを手に入れるだけ、という状態ですから、
特に強くそう思っていることでしょう。


僕もそう思います。
だからこそ、マニングとコルツには、
今年こそスーパーボウルに勝ってもらいたいのです。


決して、全勝してもらいたいわけでも、
タッチダウンの新記録を作ってもらいたいわけでもありません。


・・・と、今日、コルツを応援していなかった言い訳をして、(誰に?)
本日の試合の感想を締めくくりたいと思います。