バンダービルト大の話



シーズンオフの「2大話題」と言えば、「移籍」と「ドラフト」。


昨日は、「移籍」関連でフリーエージェントの話を書きましたので、
本日は、「ドラフト」関連の話題を。


そういえば、もうこの時期になると、ドラフトの話は、
「カレッジの話題」というよりは、「NFLの話」に近くなってますが、
まあ、とりあえず、ドラフトまでは「カレッジ」カテゴリーで。(区切りがいいので)


さて、ここのところ、ドラフトに向けて、どういうアプローチで見ていこうかな、
と思案しておりました。
何か、分かりやすくて面白いアプローチは無いものか、と。


で、思い至ったのが「出身大学」について。


カレッジの話題を書くときには、「○○大のQB××が・・・」という表現を使ってますが、
その「○○大」のことをよく分かっていないことが多いので、
いまいち、イメージが漠然としてしまうんですよね。


これがNFLだと、例えば、「QBトラヴィス・ブラウン」が誰なのか分からなくても、
インディアナポリス・コルツのQBトラヴィス・ブラウン」と書けば、
「ああ、ペイトン・マニングの控えなのね」とか、
いろいろと思い浮かべることが出来るところで。


大学についても、ある程度知っていれば、例えば、
「ああ、○○の後輩の」とか、「おお、あの強いチームにいたのか」とか、
イメージを付けることが出来ると思うんですよね。


というわけで、そんなアプローチでいってみようと思います。


で、まずは、定石どおり(?)USCあたりからいこうかとも思ったのですが、
USCについては、今までもいろいろと触れてきていたので、
本日は、今、急激に評価を高めてきている、QBジェイ・カトラーの、
バンダービルト大について調べてみようと思います。


マイナー校です。


そもそも、「バンダービルト大」って名前自体、
カトラーの話題で初めて聞いた方も多いのではないでしょうか。


この日記でも、昨年末から年始にかけて、
ボウルゲームの話題で多くの大学名を書いてきましたが、
バンダービルト大」なんて、1度も書いておりませんでした。
・・・まあ、つまりは、ボウルゲームに出ていなかった、ということですが。


バンダービルト大って、一体、どれくらいの強さだったのでしょうか。


カトラーは、今4年生なのですが、1年生のときから試合出場をしていたので、
まずは、その間の成績を調べてみました。


 2002年(1年生時):2勝10敗
 2003年(2年生時):2勝10敗
 2004年(3年生時):2勝9敗


・・・えーっと・・・、非常にコメントに困る成績です。
毎年2勝ずつですか・・・。


成績を見る限りでは、このチームを率いていたカトラーに高い評価が与えられたとは、
にわかに信じ難いところでしょう。


と、いうことは、4年生時に大活躍した、ということか!


 2005年(4年生時):5勝6敗


・・・えー、非常にコメントに困る成績です。
まあ、「躍進した」といえば、その通りなのか・・・。


結果、カトラーが在籍していた4年間で通算11勝35敗。


ちなみに、USCのQBマット・ライナートが在籍していた4年間の通算成績は48勝4敗でした。
・・・なんなんだ、この差は・・・。


ただ、そんなに成績が違うのに、
現時点で、カトラーライナートに勝るとも劣らない評価を受け始めている、ということが、
如何に凄いことかという裏返しとも言えるわけです。


あと、バンダービルト大の置かれている状況を説明するときに忘れてならないのは、
所属する「SEC」カンファレンスが激戦区である、ということでしょう。


今年度「全米6位」(AP通信ランキング)評価のLSUを筆頭に、
8位のアラバマ大、10位のジョージア大、12位のフロリダ大、14位のオーバーン大
・・・と、15位以内に5校もいる、というとんでもない状況。


SEC」は「2地区制」なので、それら全部と毎年対戦するわけではないですが、
(今年度はLSUジョージア大フロリダ大と対戦(全て敗戦))
それでも、苦労するであろうことは想像に難くありません。


そんな激戦区にいるバンダービルト大
ここ4年間が「負け越しシーズン」であったことは、先ほど見たとおりですが、
それだけではありません。


前回勝ち越したシーズンはいつか・・・と遡って見ていきますと、
なんと、1982年!


現在、23年連続負け越し中。
シンシナティ・ベンガルズの「15年ぶり勝ち越し」なんて、まだまだです。
(まあ、プロと比べてもどうかとは思いますが)


また、その大学にどれだけ凄い選手が在籍していたか、という目安として、
オールアメリカン」メンバーに何人が選ばれているか、
ということがあるのですが、バンダービルト大116年(!)の歴史の中で、
選ばれたのはたったの6人だけ。(直近は1984年)


ちなみに、USCはこの2年間だけでも(延べ)7人選出されていたり・・・。


更に、その間のボウルゲーム成績を見てみますと、1勝1敗1分け。
・・・って、3回しか出場していないのか・・・。


ちなみに、USCは28勝16敗です。


というわけで、如何にバンダービルト大マイナー校・・・というか、
弱小校であるか、ということが、分かっていただけたかと思います。


そして、そんな中で注目されて期待されているカトラーが、
バンダービルト大にとっての「希望の光」であることも、想像に難くないですね。


いやぁ、ますます思い入れが強くなりそうです。


そんな「弱小」バンダービルト大出身の、NFL現役選手を最後に見てみます。


 TE トッド・ヨーダージャクソンビル・ジャガーズ
 G ジャスティン・ガイシンガーバッファロー・ビルズ
 DE ホアン・ヘイカロライナ・パンサーズ
 LB ジェイミー・ウィンボーンジャクソンビル・ジャガーズ
 LB シェルトン・クウォールズタンパベイ・バッカニアーズ
 LB ハンター・ヒレンマイヤーシカゴ・ベアーズ
 LB マット・スチュワートクリーブランド・ブラウンズ
 CB ジミー・ウィリアムズシアトル・シーホークス
 SS コーリー・チャヴァスミネソタ・ヴァイキングス


以上9人。


チャヴァスは2003年のプロボウラー
今シーズンも全試合にスターター出場。


クウォールズは、今シーズンの第2週でセイフティを決め、
バッカニアーズ史上初の「タッチダウンセイフティを記録した選手」となり、
週間MVPを受賞しています。


ヒレンマイヤーも、第9週で週間MVPにノミネートされていますね。


おお、なんか、少ないながらも、結構頑張ってるじゃないですか。


きっと、これらの選手たちも、「後輩」カトラーNFLで活躍することを、
強く望んでいることでしょう。


本当に期待したいですね。