手に汗を握ったワールドボウルの試合



では、NFLヨーロッパ今年最後の一戦であるワールドボウル、
フランクフルト・ギャラクシーアムステルダムアドミラルズの試合の感想です。


正直な話、「これは掛け値なしで面白い!」という試合ではありませんでしたが、
序盤からのディフェンス合戦は、なかなか手に汗を握りました。


なんと言っても、序盤、目立ったのはギャラクシーのディフェンス陣の頑張り。


アドミラルズQBジャレッド・アレンが、
いきなり、12ヤード、14ヤードと、立て続けにリズムよくパスを通し、
このまま一気に行ってしまうか、と思われたところで、
ギャラクシーDTアンタージ・ホーソーンサックをお見舞い。


これで勢いをそがれたアレンは、あっけなく3プレー後にパント。


次のアドミラルズのシリーズも、パスをポンポンと通していたのに、
DEウルリッヒ・ヴィンクラーサックで終了。


ここまで見て、今日は、やけにサックがポイントとなるなぁ、と感じてまして。


ので、次のシリーズ、ギャラクシーのパントが上手くいき、
アドミラルズのオフェンスが自陣2ヤード地点から始まったときには、
「危ないぞ、危ないぞ」と思ってました。


そうしたら、案の定。
2プレー目にDTジェローム・ニコルズエンドゾーン内でサック


先制はギャラクシーセイフティという、なかなか面白い展開となりました。


その後、なんだかんだでアドミラルズがタッチダウンを返し、
2対7のアドミラルズリードで前半終了。


ここまで見た感想。
やっぱり、ギャラクシーRBロジャー・ロビンソンは、前半はダメなんだな、と。


前半は11回25ヤードに止まった、というスタッツもさることながら、
サードダウンで残り1ヤードを残してストップする場面が、やっぱりあって、
ここまで律儀に「傾向」どおりでなくてもいいのに、と、ちょっと笑ったり。


そうなると、当然、後半の「爆発」に期待が高まります。


案の定。


後半開始早々に24ヤードのラン。
1回で、もう前半の合計獲得ヤードに並ぼうかという、そんな走り。
ここまで律儀に「傾向」どおりでなくても・・・。


そして、そんなロビンソンの活躍と、もう1人、RBブッチー・ウォレスの活躍があり、
第3クォーター半ばにタッチダウンで逆転。


さあ、アドミラルズはどうする。


・・・となった、その矢先、出ました、
ギャラクシーFSブランドン・ホウインターセプト


期待していただけに、ちょっと嬉しかったです。


そして、その折り返しのシリーズでフィールドゴールを成功させ、12対7。
ただ、まあ、まだタッチダウンで逆転できる差です。


最初の「2点」が、得点推移を面白く見せている感じ。


ここで、ふと考えた「今後の展開」は、
フィールドゴールで15対7になった後、アドミラルズがタッチダウンを返し、
 更に、ツーポイントコンバージョンで、土壇場に同点に追いついてオーバータイム突入」、
・・・というもの。


そうなったら面白いなぁ、と思いながらも、
そんな上手くいくわけないわな、と見ていたら、
第4クォーター終盤に、見事、フィールドゴール成功で15対7に。


俄然、「先ほど思い描いた展開」に向けて、力が入りました。


そうしたら、12ヤードのパス、15ヤードのラン、22ヤードのパス、
と、面白いようにオフェンスが進んでいきます。


おおっ、これは!
・・・と思いきや、ここでDEジョシュ・クーパーサック


やっぱり、サックがポイントとなり、ここで勢いをそがれてしまいます。


そして、残り時間2分を切ったところで、フォースダウンギャンブルに失敗。
事実上、ここで「終戦」。


で、そうなると、考えるわけですよ。
「誰が、この試合のMVPなんだろうか」と。


ロビンソンも、ここまでで100ヤード近くを走る活躍を見せていましたが、
タッチダウンがなく、インパクトに欠けますし、他のオフェンス選手も同様。


そうなると、ディフェンス選手。
最初にサックセイフティを決めたニコルズか、
はたまた、インターセプトを決めたホウか。


ただ、まあ、これも決め手に欠けるなぁ。


とか、なんとか考えながら、続きを見ていたら、
ウォレスが63ヤードのランを決めまして。


・・・いや、ずるくない?
この、ほとんど試合が決まったような段階で、おいしいところを持っていくのは。


そして、その直後にJ・R・ニクロスタッチダウンランで22対7。


アドミラルズ側にアンネセサリーラフネスの反則が出たりして、
もうなんか、「集中力が切れてるなぁ」と感じる場面でした。


ちょっとこのあたりは、「蛇足」的な部分だったなぁ。


その後、アドミラルズのオフェンスが残り時間1分で回ってきますが、
まあ、どうしようもなく、最後はクーパーの今日2個目のサックで終了。
非常に、この試合を象徴するかのような感じでした。


で、まあ、MVPは誰になったかというと、ウォレス
18回143ヤード1タッチダウン・・・というスタッツではありますが、
その中には、最後の「63ヤード」が入ってるわけで・・・。
・・・やっぱり、ずるくない?


まあ、逆転のタッチダウンを決めたのがウォレスだったんだから、
と納得しておきますか。


でも、この試合は、ギャラクシーのディフェンス選手に、
MVPをあげたかったなぁ。


この試合の、アドミラルズの「敗因」を挙げるとしたら、
アレンサックを喰らいまくったことになるのではないでしょうか。


最終的に6サックを喰らったアレンですが、
ギャラクシーのディフェンスが良かったことに加え、
ちょっとボールを持ちすぎていたんじゃないかなぁ、という気もします。


スクランブルに出ることも多かったですし、
サックを喰らったときの喪失ヤードが、結構大きかったですし。


エースWRスカイラー・フルトンも4回41ヤードに止まっていますし、
ちょっと、アレンにはこの大舞台は荷が重かったのかな、という感じです。


なお、WRノリアキ・キノシタに、目立った活躍はありませんでした。
これも残念。


何はともあれ、ギャラクシーの3年ぶり4回目のワールドボウル制覇。
おめでとうございます!


4回の制覇は、もちろんリーグ単独トップ。
ベルリン・サンダーと「3回」で並んでいましたが、突き放しました。


これをもって、今シーズンのNFLヨーロッパは終了。
初めて、シーズンを通して見ていきましたが、なかなか面白かったです。


ありがとうございました。


以上、第14回ワールドボウルの感想でした。