三角トレードとドラフト指名順位



既にあちこちで目にしているニュースかとは思いますが。


デンバー・ブロンコスアトランタ・ファルコンズワシントン・レッドスキンズの、
「三角トレード」が成立しました。


内容は、ブロンコスWRアシュリー・レリーファルコンズへ移籍し、
ファルコンズRBT・J・ダケットレッドスキンズに移籍し、
そして、レッドスキンズが来年のドラフト指名権をブロンコスに渡す、というもの。


たまに見かける「三角トレード」ですが、
各チームの利害関係が見えて、面白いものですねぇ。


レリーは、チーム方針への不満からずっとホールドアウトしていて、
ブロンコスとしては放出するのは既定路線だったわけで、
あとは、どれだけ良いトレード相手を探せるか、という感じでした。


で、最近になって、ファルコンズダケットを放出しようとしている、
というような話が出てきまして。
これは、ファルコンズランニングバックが豊富で余っているためなんですよね。


ファルコンズとしては、ワイドレシーバーが欲しいところなので、
レリーとのトレードが成立すればよかったのですが、
あいにく、「ランニングバックの豊富さ」で言えば、ブロンコスの方が上です。
もう、要りません。


さて、レッドスキンズの事情ですが、この日記でもちょっと触れましたように、
プレシーズン第1週の試合でRBクリントン・ポーティスが怪我をしてしまいまして、
開幕に間に合うかどうか、不安がささやかれていたりします。


となると、ランニングバックが欲しいところ。
でも、ファルコンズが望むような「ちょうどよいトレード相手」がいません。


で、まあ、ならばレッドスキンズからブロンコスに何かを渡せば上手くいくんじゃないか、と。
誰が話をつけたのか知りませんが、なんとも丸く収まったものですねぇ。


さて、このレッドスキンズからブロンコスに渡した「何か」は、
最初に書きましたように、来年のドラフト指名権なのですが、
これについても、ちょっと面白いところが。


これは「3巡指名権」だと書いてある記事が多いのですが、
どうも正確には、もう1つ指名権が絡んでくるようです。


もし今シーズン、レッドスキンズブロンコスより悪い成績だった場合、
つまり、来年のレッドスキンズの指名順位がブロンコスより前になった場合には、
1巡指名権を交換するそうで。(3巡指名権は別途渡されます)


逆に、ブロンコスレッドスキンズより悪い成績だった場合には、
交換したらブロンコスが損ですから、
そのときは、4巡指名権が付け加わることになります。


こういう、ドラフト指名権が「条件付き」でトレードの対象となった場合、
「指名巡は不明」とされることが多いので、
細かいところまで分かるのは、なかなか興味深いですねぇ。


レッドスキンズとしては、今シーズンの成績がどうなるとベストなのか、
・・・とか、ちょっと考えてみたのですが、
まず、最下位の成績で終わるのが最悪な結果ですね。
なんせ、「ドラフト全体1位指名権」をブロンコスに渡さなきゃならないわけですし。


だから、レッドスキンズとしては、出来るだけ良い成績を残せば、
その分、「このトレードはお得だった」と言えるわけです。


でも実は、もっとも「お得」になるのは、
ブロンコススーパーボウル優勝して、レッドスキンズスーパーボウルで負ける、
というケースだったりします。


この場合、レッドスキンズが31位指名、ブロンコスが32位指名となり、
これを交換したところで、レッドスキンズは痛くも痒くもないでしょう。
更に、4巡指名権を渡さなくてもいいわけですから。
レッドスキンズが優勝したら、4巡指名権を渡さなければなりません)


・・・って、まあ、取らぬ狸のなんとやら、って奴ですが・・・。


まだまだ先ですが、この結果がどうなるのか、ちょっと楽しみですね。
来年、思い出したら振り返ってみましょう。


ああ、そうだ。


最近、トレードが発表されてから、身体検査をパスできずに「トレード無効」になる、
ということが頻発しております。
ニューヨーク・ジェッツCBデリック・ストレイトと、
クリーブランド・ブラウンズRBリー・サグスのトレードとか、
ブロンコスWRチャーリー・アダムズのトレードとか。


今回のトレードも、レリーダケットのどちらかが身体検査をパスできなければ、
トレードは無効になってしまうので、まあ、話はそれからなわけですが・・・。
・・・起こりそうな話だな、なんか・・・。


本日は、そんなところで。