アーリーエントリー選手発表



NFLカンファレンスチャンピオンシップを数時間後に控え、
ワクワクしながら、カレッジフットボールの話題。


ちょっと前に「もうすぐ締め切り」と書いていましたとおり、
今年のドラフトアーリーエントリーする選手が発表されました。


ドラフトは、通常、大学で4年間(フットボールシーズン)を過ごした選手が、
指名されるものなのですが、本人が望めば、「3年間」でドラフトにエントリー出来ます。


これを「アーリーエントリー」と言います。
この場合、もし、ドラフトで指名されなくても、大学に戻ることは出来ません。


アーリーエントリーするかどうかは、指名されるかどうか、
今プロ入りしたら高額で契約できるかどうか、カレッジでやり残したことはないかどうか、
・・・等々を、一般的には考慮することになります。


アーリーエントリーしても、指名されない選手もいますから、
まあ、「玉石混淆」と言ったところなんでしょうけども、
注目選手が多いのは、紛れも無い事実。


昨シーズンは、全体1位指名のDEマリオ・ウィリアムズ
全体2位指名にしてハイズマン賞受賞者のRBレジー・ブッシュをはじめ、
QBヴィンス・ヤングRBモーリス・ドリューRBローレンス・マロニー
・・・と、このあたりは、みんなアーリーエントリーだったのです。


ドラフトに向けて、注目しなければならないことは間違いないでしょう。


まずは、一覧を。



後々のために、それぞれの記事へのリンクを貼りましたが、
今であれば、「NFL備忘録」のトップページを見ていただいた方が、
まとめて表示されて良いかと思います。
(記事が分かれているのは、文字数制限のためです)


さて、今年のアーリーエントリー選手は、全部で40人。
昨年が48人ですから、やや減。


ポジション別に見ると、クォーターバックが1人しかいないこと(昨年は4人)、
ランニングバックが11人もいること(昨年は7人)、
オフェンスラインが1人もいないこと(昨年は5人)、
ディフェンスバックが6人しかいないこと(昨年は11人)、
・・・というあたりが、目立つところでしょうか。


まあ、ディフェンスバックは、「昨年が多すぎた」という言い方の方が正しそうで、
ディフェンス選手は、全ポジション、人数のバランスが良い感じです。


クォーターバックは、もう1人、目玉となる選手がエントリーを表明していましたが、
締め切り直前になって転換。
もう1年、カレッジでプレーすることを決断していました。


それは、ハワイ大のQBコルト・ブレナン


ボウルゲームのときに、
ハワイ大のハイパワーオフェンス」というようなことを書いていましたが、
そのオフェンスを牽引していた選手で、
今シーズンは、「NCAA 1-A」のタッチダウンパス数記録を更新していました。


AP通信」選出の「オールアメリカン」でも「サードチーム」に選出されています。


まあ、「対戦相手が強くなかったから」等の評判もあり、
いまいち、評価も上がりきっていなかった感はあるので、
来シーズンも大活躍を見せて、「大目玉」として来年のドラフトに乗り込んでもらいましょう。


さて、ブレナンと同じように、当初はアーリーエントリーを表明していながら、
直前で取りやめた選手が、他にもいます。


来シーズンのカレッジ、そして、来年のドラフトに向けて、
それらの選手も書き残しておきましょう。


 QB コルト・ブレナンハワイ大
 RB ドゥウェイン・ライトフレズノ州立大
 WR モーリス・プライスチャールストン南大
 TE ルーク・スミスアンダーソンアイダホ大


一応、僕がチェックした範囲で、ということになりますので、
もしかしたら、他にもいるかもしれません。


この中で、僕が最も注目していたのは、実は、ブレナンではなく、
チャールストン南大WRモーリス・プライス


ていうか、「チャールストン南大」ってどこよ、って感じで。


調べてみたら、「NCAA 1-AA」に所属する大学でした。
なんでも、プライスは、「NCAA 1-AA」記録に迫るような大活躍を見せたとかなんとか。


NCAA 1-AA」からアーリーエントリーする選手なんて、ほとんどいないので、
それだけでも注目したくなってしまったのですが、更に調べてみたら、
70年以上のドラフトの歴史の中で、
チャールストン南大から指名された選手は1人もいないことを発見。


うわぁ、これは、俄然注目しないとなぁ。


・・・とか思っていたのですが、結局、エントリーを取り消してました。


まあ、妥当な判断と言えば、その通りなのかもしれませんが、ちと残念。
しかし、せっかく注目したので、来シーズンの活躍も楽しみにして、
来年のドラフトで「大学史上初」ドラフト指名されるかどうかに注目したいところです。


・・・と、いきなり、話題が逸れまくってしまいましたが、
そろそろ本題に戻りまして。


今年のアーリーエントリーでの大きな「目玉」は、やはり、
大量にいるランニングバックではないでしょうかね。


筆頭は、この日記でもたびたび注目してきていました、
オクラホマ大RBエイドリアン・ピーターソン


改めて書いておきますと、一昨年シーズンのハイズマン賞投票で、
1年生としては、史上初めて「得票数2位」となった選手。


昨シーズンは、あまり活躍できず、今度こそは・・・と臨んだ今シーズンだったのですが、
開幕早々に怪我で戦線離脱をしてしまうという悪夢に見舞われました。


ただ、オクラホマ大は、その後盛り返して「Big 12」カンファレンス優勝。


そして、ピーターソンの怪我がようやく癒えて、
フィエスタボウルでの復帰が実現したのでした。


そのフィエスタボウルでは、これまでの「爆発力」を考えると物足りない面もありましたが、
オーバータイムでの独走タッチダウンランなど、
「片鱗」を随所に見せて、カレッジでのプレーに幕を下ろしたことになります。


ドラフトに臨むにあたって、「怪我」をしている、というのは大きなマイナスですから、
「復帰」を果たしてからエントリーできたのは、良かったですね。
(というか、だからこそアーリーエントリーに踏み切ったのかもしれないのですが)


そのピーターソンと同じような立場にいるのが、
ルイビル大RBマイケル・ブッシュ


こちらも、シーズン中に日記で触れていましたが、
今シーズンの大活躍が期待され、開幕戦でそのとおりの大活躍を見せながら、
その試合中に足首を骨折。


結局、そのままシーズンを終えることになってしまいました。


先ほどのピーターソンは、「復帰」を果たしていたのでまだ良いのですが、
怪我をしたままで終えてしまったブッシュは、
ちょっと不利な立場にいるのかもしれませんね。


なお、ブッシュの怪我のことを書いたときに、
「もしブッシュが今年のドラフトアーリーエントリーしていたら、1巡指名もあり得た」、
とか書いていたのですが、この「今年」というのは、今で言えば「昨年」のこと。


つまり、ブッシュは、昨シーズンが「3年生のシーズン」で、
今シーズンは「4年生のシーズン」だったんですよね。


じゃあ、なんで今年、「アーリーエントリー」しているのか、といいますと、
どうも、ブッシュには、「メディカルレッドシャツ」という制度が適用されていて、
来シーズンもカレッジでプレーすることが可能だったらしいんです。


ここで、「レッドシャツ」とはなんぞや、ということを書いておきますと、
まあ、簡単に言えば、大学に在籍しているけれども選手登録していない選手のことで、
練習には参加できるけれども、試合には出場できない、という立場になります。


大学で選手登録できるのは「4年間」と決まっているのですが、
こうすることによって、「出場できる期間を1年繰り越す」ことができるんですね。


そういうわけで、入学して1年目にいきなり怪我をしてしまったり、
同じポジションに有力選手がいて試合出場できないことが確実な場合などに、
適用されることになります。


・・・というのは知っていたのですが、
はて、それが今シーズンのブッシュに適用できるとは、どういうことなんだ・・・?


怪我で試合中に退いたとはいえ、
1試合に出場して3タッチダウンも挙げていたのに、
それが「無かったこと」になるのか?


・・・うーん、細かい既定はよく分からないのですが、そういうことなんでしょうねぇ。


まあまあ、とにかく、ブッシュは「アーリーエントリー」した、ということで。


ついでながら、続けて「レッドシャツ」の話題ですが、
アーリーエントリーしている南カロライナ大WRシドニー・ライスは、
「ソフォモア」、つまり、2年生だったりします。


なんで2年生がアーリーエントリーできるのか、というと、
ライスは、「2年生」だけど大学には3年間在籍していたから・・・なんですね。


つまり、「入学1年目」は怪我のために「レッドシャツ」として過ごし、
翌年が、「フレッシュマン」=「1年生」。
そして、3年目の今シーズンが「2年生」のシーズンだったわけです。


なんか、「レッドシャツ」と「アーリーエントリー」の制度の既定が、
多少、矛盾しているような気がしないでもないのですが、
まあ、そんなわけで、こんなことも起こるわけです。


そのワイドレシーバーでの「目玉」といえば、オハイオ州立大WRテッド・ギン
(多分、一般的には、「テッド・ギン・ジュニア」と呼ばれると思います)


「全米ナンバー1」は逃しましたが、レギュラーシーズン無敗の原動力の1人で、
ハイズマン賞受賞者QBトロイ・スミスのターゲットとして大活躍しました。


同じく、オハイオ州立大の「スミスのターゲット」からは、
WRアンソニー・ゴンザレスアーリーエントリーしていますね。


そして、なんと言っても、USCWRドゥウェイン・ジャレット
2年連続の「オールアメリカン」選出選手です。


相当の上位で指名されることは、間違いないでしょう。


オールアメリカン」選出選手といえば、先日も書きましたとおり、
ジョージア大WRカルヴィン・ジョンソンフロリダ大FSレジー・ネルソンも、
アーリーエントリーしていて、当然、「目玉」となるところ。
LSUDTグレン・ドーシーは、結局、アーリーエントリーしてきませんでした)


そうそう、「クォーターバックは1人しかいない」と軽くすっ飛ばしていましたが、
その「1人」、LSUのQBジャマーカス・ラッセルもかなりの「目玉」でして、
場合によっては、「全体1位指名」もあり得る、と言われています。


というのも、かなり体格のあるクォーターバックでして、肩の強さも含めて、
今年の「全体1位指名権」を持っているオークランド・レイダーズの、
アル・デイヴィスオーナー好みじゃないか・・・ということで。


注目しておかなければならないでしょう。


最後に、ざっと、今シーズンの「注目校」の出身者を抜き出してみますと、
ここまでに取り上げた選手を除けば、ノートルダム大からはRBダリアス・ウォーカー
マイアミ大(フロリダ)からはTEグレッグ・オルセンLBジョン・ビーソン
フロリダ大からはDEジャーヴィス・モスLBブランドン・サイラーCBライアン・スミス
・・・といったところです。


ディフェンス選手は、よく分からないので、ちょっとおざなりになってしまいましたが、
まあ、順番に順番に、注目選手を増やしていければいいな、と。


さて、次は、「4年生」の注目選手を取り上げないとなぁ。
しかし、当然のことながら多いので、どこから手をつけたものか・・・。


本日は、こんなところで。