あの「特別ルール」が遂に適用



NFLヨーロッパ第1週の試合の感想を。


まずは、「GAORA」で放映していた、
アムステルダム・アドミラルズフランクフルト・ギャラクシーの試合。


実況でも触れられていましたが、いやぁ、お客さん入ってましたねぇ。
昨年、割とガラガラだった様子を見ていたので、ちょっとビックリ。


GAORA」での放映は、昨年からずっと、アドミラルズの試合ばかりなので、
必然的にアムステルダム(オランダ)での試合が多くなるわけですが、
やっぱり、ドイツ国内での方が人気があるのは確かなんでしょう。


とはいえ、あんなにお客さんが集まっていたのは、
「昨シーズン優勝チーム」の「開幕戦」という効果に加え、
関係者のてこ入れが成功した、ってこともあるのかな。


今年は、イギリスでNFLのレギュラーシーズンゲームが開催されるわけで、
「ひょっとして、次はドイツなんじゃない?」ということが現実味を帯びてきて、
それが良い方向に働いているのかもしれません。


日本で同様のリーグが開催されても、現状では、
あんなにお客さんは集まらないだろうなぁ。


さて、試合のほうですが、アドミラルズのWRノリアキ・キノシタは、
やっぱり、素晴らしいリターナーですねぇ。


リターンしたのは2回だけだったわけですが、どちらも素晴らしい動きでした。


これは、今シーズンも、リターンタッチダウンを期待できそうですね。


レシーバーとしては、「3回53ヤード」という数字だけ見れば、なかなかですが、
ただ、そのうち2回は、勝負が決まった後の最後のドライブでのものですし、
エンドゾーンで2回ターゲットとなりながら、1インターセプトを喫していたので、
実質は、それほど高く評価されるものではないのでしょう。


まあ、解説でも言われていましたように、
今後、クォーターバックとの意思疎通が図れてこれば・・・ということで。


その他の選手では、アドミラルズのWRスカイラー・フルトンや、
RBラリー・クルームあたりが、「昨シーズンに割とよく取り上げたなぁ」という名前ですが、
この試合で印象に残ったのは、ギャラクシーWRアーロン・ホサックですね。


アドミラルズのディフェンスバック陣のミスもありましたが、
あのサイズで、軽々と高い位置でレシーブする姿は圧巻です。


ホサックは、昨シーズン、「オールNFLヨーロッパ」に、
ワイドレシーバーとしてフルトンらと共に選出されていたのですが、
実は、全く印象に残っていませんでした。(ほとんど文字情報だけなんだけど)


なかなかインパクトのある選手だったので、
是非、今シーズンは注目していきたいところです。


ギャラクシーは、放送中でも指摘がありましたが、
昨シーズンは「ランオフェンス」のチームでした。


とはいえ、昨シーズンのランニングバック「2枚看板」は、いなくなってますし、
同じイメージで見ることは出来ないでしょう。


そういう意味でも、ホサックの活躍は、
ギャラクシー2連覇」の鍵を握ることになるかもしれませんね。


結局、ギャラクシーが勝利で好発進、という試合でした。


それにしても。


この試合、やけに、サイドラインフルトンの姿が映されてませんでした?
それも、ヘルメットを取った姿が。


・・・いや、あの「爆発ヘア」が目を引いたんじゃないかと踏んでいるのですが・・・。


さて次に、ベルリン・サンダーライン・ファイヤーの試合。


これが、ミス、ミス、またミス・・・という試合で。


具体的には、まず最初のファイヤーオフェンスがパントブロックで終わり、
次のサンダーオフェンスは、ゴール前でファンブルして終了。
ファイヤーオフェンスがパントで終了した後は、
サンダーオフェンスがフォースダウンギャンブル失敗で4プレーで終了。


続くファイヤーオフェンスはすぐにパントで終了するも、
そのパントをサンダー側がキャッチし損ねて、味方が押さえるも自陣奥深くまで後退。


そのサンダーオフェンスは、自陣11ヤード地点からパントに追い込まれ、
更に、こんな位置で反則で5ヤード罰退してからパントを蹴る羽目に。


そして、良い位置から開始したファイヤーオフェンスは、
しっかりと敵陣奥深くまで攻め入るも、
エンドゾーンまでの「セカンドダウン残り1ヤード」が取れず、
結局フィールドゴール止まり。


そして、次のサンダーオフェンスは、敵陣15ヤード地点まで攻め入るも、
33ヤードフィールドゴールに失敗。


・・・と、まあ、前半残り時間4分まで、そんな感じで。


アドミラルズ対ギャラクシーの試合を見た後だと、ちょっと気が抜けます。


まあ、考えてみれば、NFLヨーロッパのシーズン初戦としては、ミスが多いのが普通で、
アドミラルズ対ギャラクシーが良かった、ということなのかもしれません。
オフェンスも、かなりつながっていたしなぁ。


そう考えると、今シーズンも、優勝を争うのはこの2チームなのか・・・?


話をサンダーファイヤーに戻しますが、
ただ、ここから、ちょっとだけ流れが変わります。


33ヤードフィールドゴールに失敗した後のファイヤーオフェンスはパントで終了しますが、
前半残り時間1分10秒に、自陣25ヤード地点から始まったサンダーオフェンスは、
残り時間5秒で敵陣35ヤード地点まで攻め込むことに成功します。


ここで、先ほど33ヤードフィールドゴールを失敗した、
サンダーKアンドリュー・ジャッカスが、53ヤードのフィールドゴール挑戦。


これを見事に成功させたのでした。


ここで思い出したいのが、昨シーズン、ちょっとだけ話題にしたこともあった、
NFLヨーロッパ特別ルール」。


50ヤード以上のフィールドゴール成功は、4点入るのです。


いやぁ、忘れてました。
昨シーズンは、結局、このルールが適用されるところは1度も見られませんでしたからね。


ジャッカスやるなぁ。


・・・とか思っていたら、それだけでは終わりませんでした。


後半開始早々、ファイヤー側のファンブルで攻撃権を得たサンダーは、
敵陣30ヤード地点まで攻め込み、再びフィールドゴールチャンス


ここで、ジャッカスが50ヤードフィールドゴールを成功させ、
またも4点を追加したのでした。


おおー、昨シーズン1度も見られなかったものが、立て続けに2回も見られるとは!


・・・ん?
いや、ちょっと待てよ。


「敵陣30ヤード地点」で「50ヤードフィールドゴール」・・・?


フィールドゴール距離は、「+18ヤード」という計算なので、
「48ヤードフィールドゴール」となるはずです。


と、いうことは。


わざわざ、ホールダーを通常より2ヤード後ろに配置させて、
ロングスナッパーに、2ヤード長いスナップをさせて、
そして、キッカーに2ヤード長いフィールドゴールを挑戦させた、
・・・と、そういうことなんですね。


>4点を取るために、わざと遠い位置でフィールドゴールに挑戦する、
>ということも起こってきそうです。(特に試合終盤に)


・・・とか、昨年に書いていたのですが、いやぁ、実際にやってきましたねぇ。


ジャッカスのキック力ならいける、と踏んだのでしょう。
これは、今シーズン、たびたび見られるのかもしれません。


ただ、まあ、最初に33ヤードフィールドゴールに失敗していたりもしますし、
大事な場面で、わざと下げて挑戦し、結果、失敗する、
・・・なんてところも見られちゃいそうな気もしますが・・・。


まあ、何はともあれ、これはルールの「実験」なんでしょうから、
ジャッカスには、いろいろなことを起こしてもらって、
NFL本体にこのルールを適用するかどうかの議論の参考としていただきましょう。


なお、この試合は、この後1タッチダウンを追加したサンダーが、
そのまま勝利しています。


さて最後に、ケルン・センチュリオンズハンブルグ・シーデビルズの試合。


なんといっても、個人的に注目しているのは、センチュリオンKニック・ノヴァク


そのノヴァクが、第1クォーター、50ヤードのフィールドゴールに挑戦。
おおっ、またも「4点プレー」が見られるのか・・・!


・・・失敗しました・・・。


ちなみに、このときセンチュリオンズは、敵陣31ヤード地点まで攻め込んでいます。
まあ、この場合、「わざと下げた」と言っても、1ヤードだけではありますが・・・。


この後ノヴァクは、47ヤードフィールドゴールも失敗して、
僕を、非常に暗澹たる気分にさせてくれますが、
後半に入って、23ヤードのフィールドゴールを成功させ、何とかお茶を濁しました。


・・・いや、濁せてないか・・・。


うーん、こんなことではダメだなぁ。
もっとしっかりしてくれないと、2度とNFLの舞台に立てなくなってしまうぞ!


頑張ってもらいたいものです。


なお、この試合は、ノヴァクのそんな失敗がありながらも、
センチュリオンズがしっかりと勝利を収めております。


ちなみに、シーデビルズKシェイン・アンドラスも、
51ヤードフィールドゴールに挑戦して、失敗しています。


・・・みんな、「4点」を狙いすぎでは・・・?


思うに、このルール、昨シーズンはあまり浸透していなかったのではないでしょうか。
それが浸透してきて、ちょっとした「無理狙い」につながっているような気がします。


いや、まあ、もちろん、NFLで正キッカーの座を目指す者としては、
それくらいのアピールはしておきたいところではあるんでしょうけども。


第1週の試合なので、チームとして、キッカーの力を測っておきたい面もあったでしょうから、
来週以降、そういう挑戦は、だんだん減ってくるのかもしれませんが、
それでも減らないようなら、それは、特別ルールを生かそうという戦略になるのでしょう。


ちょっと、注目して見ておきたいところですね。


以上、NFLヨーロッパ第1週の試合の感想でした。