「ホールドアウト対策」登場?
そんなわけで、本日は契約情報の話から入りましたが、
ここ1週間くらい、契約情報がかなり多くて、追いかけるのが大変です。
多分、ドラフト直後のルーキーフリーエージェント契約の時期、
それから、シーズン開幕直前のロースターカットの時期に次ぐ、
契約情報の多さではないでしょうか。
その最たる要因は、ドラフト指名選手が続々と契約しているためで。
それがなんでこの時期なのか、と言えば、
トレーニングキャンプ突入する直前だったから、ということですね。
基本的に、みんな、ギリギリまで粘って交渉しているわけですし。
改めて、「NFL選手ステータス」にまとめたものを、
ちょっと前のものから、順番にざっと眺めていくと、いつもどおり、
だんだん契約者のドラフト指名順位が上がっていく様子が見えて、微笑ましい(?)です。
そして、契約合意に至らない選手は、毎年恒例の「ホールドアウト」。
「ホールドアウトなんてやめた方がいいって」ということは、毎年散々書いていますので、
まあ、それについては、今回は書きませんが。
そんな、ホールドアウトに至ってしまった選手の1人について、
ちょっと興味深いニュースを見かけたので、ここに書き記しておきます。
その選手とは、デトロイト・ライオンズの1巡指名選手である、WRカルヴィン・ジョンソン。
ジョンソンは、全体2位指名でしたから、
当然、高い契約金を要求してくるところですが、
なんでも、「支払いの保証された金額」(「=サインボーナス」と言っていいのかな)として、
3000万ドルを要求しているのだそうです。
恐らく、その額でチーム側の希望と隔たりがあって、ホールドアウトしているのでしょう。
となると、果たして、どちらが折れるのか・・・という展開。
・・・ところが。
選手の年俸総額に、「サラリーキャップ」による上限があることは有名ですが、
実は、「ルーキーに払う年俸総額」にも、別途、上限が設けられていたりします。
更に、もう1つルールとして、昨年結ばれた新たな「労使協定」により、
1巡上位の選手は、最大6年契約までしか結べない、ということにもなっています。
さて、すると、どうなるのか。
サインボーナスの「サラリーキャップ」への反映は、基本的に「契約年数割」です。
つまり、6年契約で3000万ドルのサインボーナスだと、
「1年あたり500万ドル」ということになります。
契約年数をそれ以上延ばせないので、これ以上1年あたりの金額を下げることはできません。
ところが、既に契約を終えた下位指名選手の契約金額の「今年度分」を計算すると、
ライオンズがルーキーに払える今シーズンの金額には、
もう、500万ドルも余裕が無い・・・とかなんとか。
そうなると、ジョンソンがいくら粘ろうとも、
ルール上どうしようもない、ということになるわけですね。
・・・これ、ライオンズ側の「狙い」だったら、面白い戦略だなぁ。
さてさて、この後の展開がどうなることか。
まあ、どうしようもないものは、どうしようもないわけで、
ジョンソン側が折れるしかないのでしょうけども。
(もちろん、その分、2年目以降のベースサラリーのアップを求めてくるのでしょうが)
最初に書きましたように、基本的に、ルーキーとの契約は、
下位指名選手から順番に進んでいきます。
ところが、こういう事態が起こるとなると、
下位指名選手が高い年俸で契約することによって、
自分の首がだんだん絞まってくることにもなりかねなく、
1巡指名選手も、いつまでも、のんびりと構えてはいられないことになるわけです。
これ、新たな「ホールドアウト対策」になったりしませんかねぇ・・・?
僕は、完全なる「ホールドアウト反対派」なので、
こういう傾向が進んでくると嬉しいところです。
もっとも。
NFL選手の代理人って、かなりの腕利きが多いようなので、
今回の件にしても、なんらかの「逆転策」が飛び出す可能性がありそうですけども・・・。
なお、今回ニュースとして見かけたのは、
「保証された金額3000万ドルは無理。2710万ドルが限度」ってことだけでして、
労使協定が絡んでいること等への言及は、そこにはありませんでした。
多分、僕の解釈で合ってると思うのですが、間違ってたらすいません。