ペイトリオッツに勝つための条件



NFL第2週、NHKBS1で放送していた、
サンディエゴ・チャージャーズニューイングランド・ペイトリオッツの試合の感想を。


チャージャーズオフェンスの「不振」は、
RBラデイニアン・トムリンソンが走れないことに尽きるでしょうね。


この試合、トムリンソンは18回走って、そのうち、
ノーゲイン、または、ロスしてしまったことが6回。


ランナーレーティング」の詳細データを見ていただくと分かるのですが、
「成功率2/3」は、かなり低いものとなります。


これが、この試合だけのことならば、
ペイトリオッツのディフェンスが良かったんだなぁ、というところかもしれませんが、
先週は更に酷くて、「17回中9回成功」という低成功率だったので、
これはもう、「トムリンソンの不振」という他ないでしょうね。


なお、「トムリンソンじゃなくて、オフェンスラインの不振だろう」、
という意見もあると思いますが、
・・・というか、まあ、それもそのとおりだと思うのですが、
「功はランニングバック、罪はオフェンスライン」というのも何なので、
いつもトムリンソンが褒められている分、ここも、「トムリンソンがダメ」という方向で。


ただ、チャージャーズオフェンスラインには、
僕が最も注目しているオフェンスライン選手であるGクリス・ディールマンがいるので、
オフェンスラインの不振」という意味でも、非常に気になるところなんですけどもね。


来週以降、しっかりと「復活」してきてもらいたいものです。


チャージャーズは、QBフィリップ・リバーズもあまり良くなかったですが、
まあ、ランプレーが全く出ていないと、パスも出にくいところではあるので、
多少は仕方がない面もあったかな、と。


この状況を、1人で打ち破って活躍するようだったら、
リバーズも、「リーグ屈指のクォーターバック」と呼ばれるようになるでしょう。
(なってもらいたいですが)


で、そんな「リーグ屈指のクォーターバック」と呼ばれているうちの1人が、
ペイトリオッツのQBトム・ブレイディなのですが。


なんというか、「面白いようにパスが決まる」という表現がピッタリですね。


とにかく、「球離れ」が速い速い。


リバーズと見比べるだけでも、その違いは一目瞭然ですが、
僕は最近、アトランタ・ファルコンズQBジョーイ・ハリントンのことばかり気にしているので、
「ああ、この判断の早さと思い切りの良さがハリントンにもあったら・・・」と、
この試合に全然関係ないのに、そんなことを思ってしまったり・・・。


ブレイディも、サックをされないわけではないのですが、
サックのされ方」にも、安定感(というのも変か?)が見て取れると思います。


もちろん、ブレイディが完璧かというと、そうでもなく、
球離れが速い分、一瞬の判断ミスによるインターセプトも起こりやすいわけで、
対戦相手は、そのあたりを狙わないといけないのでしょう。


が、とりあえず、それがあっても、この試合を見る限り、
「手が付けられないなぁ」という感はあります。


レシーバー陣では、僕は、WRウェス・ウェルカーにずっと注目してきていて、
この試合でも、華麗なステップを披露していたのが嬉しかったのですが、
しかし、やっぱり、WRランディ・モスの存在は大きいですねぇ。


モスというと、「ビッグプレーメーカー」という風に語られることが多いと思うのですが、
なんのなんの、ここまで2週は、何より「安定感」が秀でているのではないでしょうか。


先週の試合では、投げられたパス9本全てをレシーブしており、
今週の試合でも、9回中8回のレシーブ。
素晴らしい安定感です。


よく、「問題児」ということでモスと同列に並べられる、
ダラス・カウボーイズWRテレール・オーウェンズは、
実は全く逆のタイプで、ボールをドロップしまくり。


今シーズンも、2試合合計17回中8回レシーブと、成功率50%を切っていますから、
クォーターバックの差」を考慮しても、違いすぎます。


以前に、この2人の「レシービング能力」について、
オーウェンズは才能、モスは努力」という話を聞いた覚えがあるのですが、
そんなあたりが、この違いに表れているのかもしれませんね。


ちなみに、この試合では、ウェルカーも9回中8回レシーブ。
2人もこんなレシーバーがいたら、そりゃ、手が付けられないですわな。


ペイトリオッツの「強さ」が、よく分かりました。


さて。


ただ「強いなぁ」で終わっていては、面白くありません。
そんなペイトリオッツに、他のチームは、どうやって勝てば良いのか。


思うに、結局、「オフェンスのチャンスを確実にものにする」しかないのではないか、と。
(つまりは、この試合でチャージャーズが出来なかったことですね)


今週は、「45対51」なんていう、とんでもない得点の試合がありましたが、
多分、ペイトリオッツのオフェンスに、「51点」を取る力は無いと思います。


「無い」というと、語弊がありそうですが、
着実に時間を使いながら前進を続けられることこそがペイトリオッツの強みであり、
そこから外れると、無理が生じてもおかしくありません。


先週も今週も、「38点」までいきましたが、
これは、相手オフェンスが得点できなかったからこそ積み重なった点数。


ターンオーバー後」の得点も大きいですし、
また、10分前後違った「タイム・オブ・ポゼッション」が、もし同じくらいだったら、
こんなに得点できたかどうか。


「攻撃は最大の防御」という言葉がありますが、そのとおり、
オフェンスで得点を重ねることが、結局、相手の得点を減らすのですね。


つまり、ペイトリオッツに勝てるのは、「ディフェンスが素晴らしいチーム」ではなく、
「オフェンスが(ペイトリオッツ以上に)素晴らしいチーム」。


そんな風に思います。


というわけで。


来週のバッファロー・ビルズ戦は、ビルズの勝利ですね!


・・・・・・。


・・・・・・。


・・・ああ、「なんでやねん!」という声が、いっぱい聞こえてきそうだ・・・。(でも本気)


以上、第2週、チャージャーズペイトリオッツの試合の感想でした。