今年の「補償ドラフト指名権」



ちょっと前のことになりますが、
今年の「補償ドラフト指名権」が発表されました。


補償ドラフト指名権」とは何ぞや?
・・・というあたりは、昨年取り上げたときのものを読んでいただければ。



で、このときに、2年分を見ていましたので、
そのあたりを踏まえつつ、今年の状況を見てみましょう。



今年は、15チームが計32個の「補償ドラフト指名権」を受け取っています。


さて、今年の特徴の1つ目は、
何と言っても、「割り当て数に例外が無い」ということではないでしょうか。


前年の無制限フリーエージェント選手の「流出人数−獲得人数」の数だけ、
ドラフト指名権が与えられるのが、いわば「基本」なのですが、
昨年・一昨年を見てみると、流出・獲得が同じ人数なのに1つ与えられていたり、
または、差し引きが5・6人なのに「上限」(多分)の4つに抑えられていたりと、
そういった「例外」が、ちらほらと見受けられました。


ところが、今年は、どのチームもピッタリ「流出人数−獲得人数」。


唯一、セントルイス・ラムズだけが、
流出・獲得が共に3人なのに1つ受け取っていることになっていますが、これは、
「7巡の最後いくつかの指名権は、フリーエージェントの動向とは関係なく、
 ドラフト指名順位と指名権数などを基に割り当てられる」、
・・・というルールに基づいたものでしょうから、「例外」ではありません。


うーん、この状況は、どういう変化なんでしょう。


根拠の詳細が発表されていないので、想像でしかありませんけども。


元々、単純な人数ではなく、契約内容や記録に基づいて計算されている(らしい)ため、
人数的な「例外」が発生していたのですが、
それが、分かりにくさや不公平感を生んでいたため、
分かりやすく、「基本どおり」にしたのではないかな、と思っています。


その分は、指名順位の重み付けで、しっかりカバーする、と。


ちなみに、今年の「補償ドラフト指名権」を、指名巡ごとに数えてみると、

  • 3巡目・・・4個
  • 4巡目・・・5個
  • 5巡目・・・1個
  • 6巡目・・・9個
  • 7巡目・・・13個

と、明らかに、5巡目の数のバランスがおかしいです。


これは、重み付けを重視した結果なんじゃないでしょうかねぇ。(全て想像)


さて、次に、今年の特徴の2つ目ですが、
先ほど、ラムズが「補償ドラフト指名権」を受け取った根拠とした、
「7巡の最後いくつかの指名権は、フリーエージェントの動向とは関係なく、
 ドラフト指名順位と指名権数などを基に割り当てられる」、
というルール。


これの適用が、たった1つだけ(つまり、ラムズだけ)だった、ということです。


まあ、一昨年は5つ、昨年は2つだったので、
数が減ること自体は、「たまたま」である可能性もあります。


しかし、そもそも何で、一昨年・昨年がそういう数になっていたかと言えば、
ドラフトで指名される人数を255人にするため」、
・・・だったと思うのですよ。


じゃあ、今年も、255人に合わせるために1つになったのか・・・というと、
そうではなく、ラムズに与えられたのは、「7巡45位(全体252位)」。


うーん・・・。
なんで、あと3チームに与えなかったのだろう・・・?


というか、2004年以降続いていた、「ドラフト指名人数は255人」というのは、
決まりごとだったわけじゃないのね・・・。


ちなみに、昨年書きましたように、この「7巡の最後いくつかの指名権」は、
昨シーズンの成績の悪かったチーム、
つまり、ドラフト指名順の早いチームから優先して与えられるのですが、
「1番手」のマイアミ・ドルフィンズに与えられていないのは、
既にフリーエージェントによる「補償ドラフト指名権」が2つ与えられていて、
計9つのドラフト指名権を持っていることになったので、
そのあたりが考慮されて、飛ばされたということなのでしょう。(ルールどおり)


「2番手」のラムズは、最後の1つを合わせて、計9つ。


そして、「3番手」のアトランタ・ファルコンズに至っては、
11個もドラフト指名権を持っていますから、
まあ、「ラムズだけに与える」という判断になったのも、おかしくはないのかな。


・・・と、ここまでなら思えるところですが、
「4番手」のオークランド・レイダーズは、「補償ドラフト指名権」が1つもなく、
今年のドラフト指名権は、全部で5つあるのみ。


うーん、レイダーズには、与えられていてもおかしくないような気がするんだけどもなぁ。


ただ、まあ、ドラフト指名権が減っているのは、トレードで費やしたからですし、
また、無制限フリーエージェント選手も多く取っていたのでしょうから、
その上で更に指名権を与えるのは、趣旨に反するということなんでしょうね。


ちなみに、「5番手」のカンザスシティ・チーフスも、
補償ドラフト指名権」は1つも与えられておりませんが、
全部で10個のドラフト指名権を持っています。


・・・ああ、レイダーズの「戦略失敗」感が・・・。


さて、最初のほうに書きましたように、
今年は、15チームに「補償ドラフト指名権」が与えられたわけですが、
これも、一昨年の「19チーム」、昨年の「16チーム」に比べて、減っています。


で、昨年、「補償ドラフト指名権」をもらえないのは、
実は、「中堅の中の中堅」チームなんじゃないか、
・・・なんてことを書いておりました。


真偽のほどは分かりませんが、もし本当にそうだとすると、
3年連続、「補償ドラフト指名権」をもらえないチームなどがあったら、
もう、「キングオブ・中堅の中の中堅」(意味不明)と言ってもよいでしょうね。


一昨年・昨年のいずれも「補償ドラフト指名権」をもらえなかったチームは8つ。
これに、今年の状況を合わせますと・・・。


アリゾナ・カーディナルズカンザスシティ・チーフスクリーブランド・ブラウンズ
ダラス・カウボーイズミネソタ・ヴァイキングス


以上の5チームは、ここ数年、素晴らしい「中堅」ぶりを見せていると認定されました。


おめでとうございます!! (・・・なのか?)


まあ、「7巡の最後いくつかの指名権」が、あまり多くのチームに与えられていないので、
ちょっと昨年の考察(?)時とは、意味合いは変わってきてますけどもね。


・・・以上。


今年の「補償ドラフト指名権」について、まとめてみました。