新ヘッドコーチと旧ヘッドコーチ



本当は、この話題は、全部「決定」してから書くつもりでしたが、
どうやら、あと2週間は決定しないような雰囲気が出てきましたので、
ここで触れておきたいと思います。(「あと2週間」の理由は後述)


前にも書きましたとおり、10チームのヘッドコーチが交代になるという、
「大異動」の今シーズンオフ。


前に紹介したときは、3チームしか決まっていない、
という状況でしたが、ここに来て概ね決定してきました。


「ヘッドコーチが交代」と書きましたが、
ヘッドコーチが替われば、その下にいるオフェンスコーディネーターや、
ディフェンスコーディネーターも替わることが多く。
そして、コーディネーターが替われば、
その下に付くアシスタントコーチも替わることがあり。


また、「10チーム」と書きましたが、当然、影響があるのは10チームに止まりません。
だって、「新ヘッドコーチ」は、大体どこかでコーチをしている人ですからね。


どこかのチームの新ヘッドコーチが、どこかでコーディネーターをしていたのなら、
交代の「連鎖」は、そちらの元いたチームでも起こることに。
自分の部下を引き連れていってしまうこともありますし。


というわけで、とんでもなく「大異動」になってしまうわけです。


そのあたりの影響の広がり具合も含めて、ちょっと見てみます。


 ・ミネソタ・ヴァイキングスの新ヘッドコーチにブラッド・チルドレス
  (元フィラデルフィア・イーグルスオフェンスコーディネーター
 ・カンザスシティ・チーフスの新ヘッドコーチにハーマン・エドワーズ
  (元ニューヨーク・ジェッツのヘッドコーチ)
 ・グリーンベイ・パッカーズの新ヘッドコーチにマイク・マッカーシー
  (元サンフランシスコ・49ersオフェンスコーディネーター


ここまでが、前回紹介したときに決定していたチームでした。


その後の「影響」として、パッカーズジム・ベイツディフェンスコーディネーターが辞任。
マッカーシーヘッドコーチは慰留していたようですが、
新しいヘッドコーチの下には気心の知れたコーチがいた方が良いだろう、ということと、
ベイツ自身、ヘッドコーチ職を諦め切れなかったことも、辞任の要因としてあるようです。


僕としては、ベイツにヘッドコーチになってもらいたいと思っていたので、
これでどこかのチームのヘッドコーチに決まれば、と期待していたのですが・・・。


現時点で、ベイツは「無職」です。
ただ、ディフェンスコーディネーターとしては引っ張りだこのようなので、
そのうち、どこかのチームで決定するかもしれません。


さて、では、新ヘッドコーチ決定の続きを。


 ・ニューヨーク・ジェッツの新ヘッドコーチにエリック・マンジーニ
  (元ニューイングランド・ペイトリオッツディフェンスコーディネーター
 ・ニューオリンズ・セインツの新ヘッドコーチにショーン・ペイトン
  (元ダラス・カウボーイズアシスタントコーチ
 ・セントルイス・ラムズの新ヘッドコーチにスコット・リネハン
  (元マイアミ・ドルフィンズオフェンスコーディネーター
 ・デトロイト・ライオンズの新ヘッドコーチにロッド・マリネリ
  (元タンパベイ・バッカニアーズアシスタントコーチ
 ・バッファロー・ビルズの新ヘッドコーチにディック・ジャローン
  (元デトロイト・ライオンズディフェンスコーディネーター
 ・ヒューストン・テキサンズの新ヘッドコーチにゲイリー・クービアック
  (元デンバー・ブロンコスオフェンスコーディネーター


これで、合計9チーム。


ジェッツのマンジーニについては、
ペイトリオッツディビジョナルプレーオフで敗戦した際に、
「負けた途端に引き抜かれた」と、ちょっとだけ紹介してましたね。


ビルズのジャローンは、「元ディフェンスコーディネーター」というよりは、
「元ライオンズの暫定ヘッドコーチ」と言ったほうが、通りが良いかもしれません。


ライオンズは結局、ジャローンを続投させずにマリネリを迎え、
そして、ジャローンはビルズへ、といった動きになっています。


最後の、テキサンズクービアックは、実はまだ「確定」ではないのですが、
「ほぼ決定」だろうということで並べてあります。
(契約はまだだけど、クービアック本人はもう仕事に入っているみたいですし)


ペイトリオッツが「負けた途端にマンジーニを引き抜かれた」のと同様に、
ブロンコスも「負けた途端にクービアックを引き抜かれた」という形になりますね。


たとえ、テキサンズの「意中の人」がクービアックであったとしても、
もしブロンコススーパーボウルに勝ち残っていたら、
テキサンズの新ヘッドコーチは別の人になっていたでしょう。


何せ、新チーム作りが、あと2週間は遅れてしまいますからね。


ところが、その「2週間」を待ってしまいそうなのが、
まだ新ヘッドコーチの決定していないオークランド・レイダーズ


ここまでも、何人かの候補をインタビューしていたようですが、
どうやら「本命」は、ピッツバーグ・スティーラーズの、
ケン・ワイゼンハントオフェンスコーディネーターということのようです。


ワイゼンハントは、「新ヘッドコーチ候補」として、
多くのチームから興味を持たれていたようですが、
それらのチームにとっては「残念」なことに、スティーラーズは勝ち進んでしまい、
結局、他の候補と契約していきました。


前にちょっと書きましたが、プレーオフで勝ち進んでいるチームの関係者とは、
「原則として」インタビューすることが出来ません。


そのときに「例外として、試合の無い週はインタビューOKだとか」と書いたのですが、
つまり、第1・第2シードチームはワイルドカードプレーオフの週に試合が無いため、
そのチーム関係者には、そのときにインタビューすることが出来るんですね。


ところが、スティーラーズは第6シードでしたから、インタビューできず。
それも、他のチームがワイゼンハントを諦める一因となっていました。


ただ、レイダーズとしては、逆にそれが好都合だった、と受け取っているようで。
結果として、現時点で新ヘッドコーチが決まっていないのはレイダーズだけですから、
もう、ライバルはいないわけです。


まあ、問題は、この時期にチーム作りが2週間遅れてしまうことなのでしょうが。
・・・そのあたりは、あくまで「アル・デイヴィスオーナーのチーム」だから、
問題が無い、と考えるべきなのでしょうか・・・?


さて、以上が、「新ヘッドコーチ」の話題でした。


ところで、お気づきかもしれませんが、
ジェッツからチーフスに「トレード」されたエドワーズを除いて、
どのチームにも「旧ヘッドコーチ」の名前がありません。


他のチームのヘッドコーチになる、という噂は、結構あったんですけどねぇ。
実際、複数チームでインタビューを受けていた人も何人かいましたし。


誰も新ヘッドコーチになれなかった、というのは、
やはり、旧チームでの「失敗」の印象が、まだ色濃いせいでしょうか。


ただし、ヘッドコーチになれなかったとは言っても、そこは実績あるコーチですから、
次の「職」が決まっている人も、何人かいます。


 ・サンフランシスコ・49ersオフェンスコーディネーターノーヴ・ターナー
  (元オークランド・レイダーズのヘッドコーチ)
 ・セントルイス・ラムズディフェンスコーディネータージム・ハズレット
  (元ニューオリンズ・セインツのヘッドコーチ)
 ・マイアミ・ドルフィンズオフェンスコーディネーターマイク・ムラーキー
  (元バッファロー・ビルズのヘッドコーチ)
 ・マイアミ・ドルフィンズアシスタントコーチドム・ケイパーズ
  (元ヒューストン・テキサンズのヘッドコーチ)


なんか、ドルフィンズが凄いことになっていますねぇ。
ちなみに、ケイパーズは、「ニック・セイバンヘッドコーチ付の特別アシスタント」、
という肩書きになるようです。


ドルフィンズ49ersの元オフェンスコーディネーターは、
それぞれ新ヘッドコーチになっていますから、(リネハンマッカーシー
なんか、「玉突き」のような状況にも見えてきます。


なかなか面白いですね。


これだけ一度に変わると、しばらく誰がどのチームにいるのか、混乱しそうですが、
来シーズンに向けて、ちょっとずつ慣れていければなぁ、と思っています。


レイダーズの新ヘッドコーチや、また、
残りの「旧ヘッドコーチ」たちの動向が分かりましたら、また紹介しますね。