これぞキッカー



さて、本日のキッカー紹介は、
アトランタ・ファルコンズKトッド・ピーターソンです。


35歳の大ベテラン。
なんというか、「これぞキッカー」という経歴の持ち主なので、
ざぁーーーっと、紹介したいと思います。


ピーターソンは、1993年に、ドラフト7巡指名でニューヨーク・ジャイアンツ入り。
しかしながら、その年の8月に解雇。
11月になって、ニューイングランド・ペイトリオッツと契約しますが、
わずか1週間で解雇されてしまいます。


翌年、1994年に、アトランタ・ファルコンズと契約。
以後、ファルコンズで活躍しています・・・だったら良かったのですが、
残念ながら、このときは、この年の8月に解雇されています。


10月になって、アリゾナ・カーディナルズと契約し、
ここでようやく、試合出場の機会に恵まれます。
しかしながら、2試合出場したところで解雇。
おそらく、40ヤード以上のフィールドゴールに2回挑戦して、
2回とも外してしまったことが原因かと思われます。


翌年、1995年に、シアトル・シーホークスと契約。
ここで、ようやく腰を落ち着けることができます。
これ以降5年間、全試合に出場し、安定した活躍を見せました。


2000年に、シーホークスから放出されてしまいますが、
そのタイミングが8月という遅い時期だったため、
この年は、シーズン開幕時点では、どのチームにも所属していないことに。


ようやく、10月になって、カンザスシティ・チーフスと契約します。
この年は11試合、翌年は全16試合に出場。
成績は、可もなく不可もなく、といったところでしょうか。


2002年にフリーエージェントとなり、
ピッツバーグ・スティーラーズと契約します。
この年は、シーズン開幕から試合出場をしていましたが、
11月になって試合中にタックルをして肋骨を骨折したため、
インジャリーリザーブに移されてシーズンエンド。


この年は、非常に散々な出来で、フィールドゴール成功率は57.1%、
特に、40ヤード未満の距離で、14回中5回も外しているのは、
目を覆いたくなるような成績です。


そもそもキッカーが、「試合中にタックルをして肋骨を骨折」って、
フィールドゴールをブロックされて、相手にボールをリカバーされ、
リターンしてきたところを止めようとした、
・・・という場面くらいしか、想像できませんからね。


そのため、怪我をした時点で、既に「来年は無いだろう」と言われていたようです。
そして、そのとおり、シーズン終了後に解雇。


そのときのイメージの悪さからか、
2003年は、しばらく契約するチームが出てきません。
ようやく、10月になって、サンフランシスコ・49ersと契約。
この年の49ersは、キッカーの出来に苦しんでいたようですね。


ここで、8試合に出場し、ミスはあるものの、
どうにかこうにかフィールドゴール成功率80.0%と及第点の成績を残し、
翌年も残留を果たします。


昨年は、フィールドゴール成功率81.8%、最長成功距離51ヤード、
トライフォーポイントのキックも100%成功と、
悪くない成績を残していますが、
フリーエージェントとなったピーターソン49ersが再契約しなかったのは、
テネシー・タイタンズを解雇されたKジョー・ネドニーの方が良いとみて、
そちらと契約したためです。


ネドニーピーターソンジェイ・フィーリー(現ニューヨーク・ジャイアンツ)。
以前紹介した、この玉突きに巻き込まれたわけで。


で、今年は、11年前に、ほんの短い期間在籍していた、
ファルコンズで心機一転、ということになります。


・・・以上。
経歴だけで、こんなになってしまいました。
まさしく、僕のイメージするところの「キッカー」ですね、ホント。


キャリア成績をトータルすると、
フィールドゴール成功率78.2%、最長成功距離54ヤード、
トライフォーポイントのキックは成功率99.0%(306回中3回失敗)と、
良くは無いけれども、さりとて悪すぎるとも言えない成績になります。


ところが、もうちょっと詳しく見てみますと、
30ヤード未満の距離で、79回中7回失敗しています。
これは、ちょっと悪材料。


チーム側としては、30ヤード未満のフィールドゴールというのは、
確実に決めてもらわないと、戦略自体が狂ってしまいますので、
外されるのを非常に嫌います。


キッカーに求められるものとして、
「キック力」や「長い距離での安定性」などを、今まで挙げてきましたが、
何より、「短い距離での確実性」を求めるコーチが、
実は1番多いのではないでしょうか。


今年は、「NFL TOKYO 2005」で来日したときも含め、
順調な滑り出しかと思われましたが、
先日のプレシーズン第1週の試合で、35ヤードのフィールドゴールに失敗。
ちょっと心配させられます。


なんだかんだ言われつつ、この厳しいNFLの世界で、
10年以上の長きにわたって生き残ってきているピーターソン


「今年こそスーパーボウルを」と言われているファルコンズにあって、
足を引っ張らない、だけではなく、成績を押し上げるくらいの、
活躍を見せてもらいたいものです。